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大丈夫、VTuberは幻滅期を超えるよ。「このVTuberがすごい! 2019上半期編」(11/21追記)

【お断り1】筆者は「ジョジ民」で「めぐるーまー」で「ディナー」で「メイト」で「朝ノ衆」で「バルス箱推し」です。従って、本文章には多分な偏見などが含まれます。また、本文章は筆者の個人的な見解・主張であり「VRonWEBMEDIA」「株式会社81plus」の意見・主張を代弁・代表するものではありません。
【お断り2】本文章には、VTuberにおける、いわゆる「中の人」(「魂」「演者」など)に言及する内容が含まれていますので、お読みになる前に予めご了承くださいますようお願いいたします。

はじめに

2016年の11月から「VRonWEBMEDIA」というニュースサイトを初めて、2年半が経ちました。

まだまだひよっこで歩みも心もとない年齢ですが、こんなちっぽけなニュースサイトにも様々なお話が届くようになり、またたくさんの方がこちらからの取材などについても快く応じてくださるようになりました。皆様、誠にありがとうございます。

いまさっき、大きな記事執筆を一つ終えたところです。来月もかなりの取材ラッシュが続きます。ありがたいことです。

これだけいろいろと忙しくしていると、いつもあのツイートのことを思い出します。

WFLEのCEOにして大活躍中のDJ RIOさん(荒木さん)が、昨年の11月に書いたツイートです。

あの時期(2018年11月頃)、たしかにVTuber界隈はざわついておりました。順風満帆に見えていたVTuberの世界において、リアルの芸能界で散々起きているようなことが発生し始めた時期です。

私はRIOさんのこのツイートを見て「ええっ! もう幻滅期に入ったと第一線で活動している人が解釈しているのか。めっちゃ動き早いやん!」と驚愕したものです。

そして、この時期のトピックにおいて最たるものが「バーチャル蠱毒」でした。私はたまたまこのオーディションの初動を掴むことが出来、結果として「九条林檎」さんという類まれなる才能と出会えるわけですが、私の心の中が穏やかではなかったのは確かです。

冷静に考えれば、VTuberというものが「界隈」という枠組みを形成していく中でこの流れはいずれやってくる世界線であり、このコミュニティが大きくなり、ハイプ・サイクルを進めるには避けて通れない通過儀礼である、などということは百も承知だったつもりです。でも、やっぱり実際に眼の前で起きると、悲しい。

そんな中で、こんな鋭いパンチが打てるMZM最高!(結局そこか)

さて。そんなRIOさんが半年以上も前から言及していた「幻滅期」なのですが、うーん、ここ数ヶ月取材とかさせていただいている感じでは……、

どうやら抜けたみたいですよ?

えええ! もう抜けたの!? とお思いの方もいると思います。私もそう思っています。しかし、取材から得られている情報を並べる限りでは、「幻滅期」を抜け出している兆候がゴロゴロと目の前に見えるんですよね。

私もハイプ・サイクルを本格的に学んできたわけではないので全く自分の書いていることに学術的根拠もクソもあったもんじゃないのですが、でも、なんだか「抜けたんじゃね?」的なおぼろげな確信めいた気持ちだけが自分の頭の中を駆け巡るわけです。

では、このお気持ちをうまく皆さんにお伝えするにはどうすればよいのか、と考えて考えて出した結論が、「このVTuberがスゴイ! 2019上半期版」をやろう、という言い訳です。言い訳か!

筆者独断! このVTuberがスゴイ! 2019上半期版

今回2019年の上半期版を作るにあたりまして、ルールを作ります。そうしないとシッチャカメッチャカになりそうなので……

ルール1 これまでご紹介してきた方は全員「殿堂入り」とし、2度以降の紹介はしないことにします。よって、以下の方は対象外にします。
【2018年】ヒメヒナ / 東雲めぐ / 九条林檎 / 銀河アリス / MonsterZ MATE / 朝ノ瑠璃・朝ノ茜 / 周防パトラ / かしこまりwithパンディ / ウェザーロイド Type A AIri / 富士葵
https://note.mu/hiroakiohmori/n/nb1fb9ea1c486
ルール2 以下の5名は「BIG5」とし、対象から外します。
キズナアイ / 輝夜月 / ミライアカリ / 電脳少女シロ / 猫宮ひなた

さ! 今VTuberはこんなに元気だぜ! てな具合でバリバリと行きたいと思います。なお、完全に独断ですので、「あの人が入ってない」とかはお気になさらないでください。私の気持ちは「この人はすごいんスよ!」と皆さんに言いたいだけなのでございますゆえ。

月ノ美兎(にじさんじ)

にじさんじをスタート当初から牽引し、誰しもが認める「VTuber界の委員長」。前々からスゴイなあと思っていたのですが、この動画3連発には痺れました。未見の方にはぜひご覧頂きたいです。

どれも秀逸です。上2本は委員長の本領が遺憾なく発揮された「名作」。VTuberの特性を活かしきり、かつコンテンツとして最初から最後まで完成されています。下1本はいわゆる「企業案件」なんですが、この案件を見事にコントロールし切る委員長の凄さに驚かされました。

今後、委員長がは多くの「マイルストーン」とも言うべき作品をつくっていくことになるだろうと思います。そう思わせるほどの才能と引き出しの多さを見せつけられた3本。もし「ムカデ人間」「ヨーロッパ企画」で委員長ののイメージが止まっていたら、そんな方にこそぜひ見ていただきたいですね。

花譜

このエントリを書こうと思ったきっかけが、彼女です。

YouTubeファン数、未だ8万弱。しかし、彼女の歌声は他のシンガー系VTuberと一線を画していました。その歌声は唯一無二としかいいようがないほどに聞く人の心を鷲掴みする魅力で溢れています。

そんな彼女の初ワンマンライブ、CFで設定された「500万円」というゴールを、彼女は颯爽と超えていきました。実に4000万円オーバーです。

https://camp-fire.jp/projects/153477/

ビジネスめいた言葉をあえて書くとするならば、このプロジェクトはもはや成功を約束されたようなものです。プロジェクトを率いるプロデューサーの声も真摯なものに溢れています。こんなに素晴らしく、誇らしく、そして安心感のあるプロジェクトを見るのは久しぶりです。

そしてこのことは、「YouTubeファン数だけが人気の指標とはなりえない」という、私自身の中にある信念を裏付けるに十分すぎました。東雲めぐさんを見てそのことを感じ、MZMの二人を推し始めて確信へと変わり、そして……。

彼女の前途が楽しみで楽しみで仕方ありません。

斗和キセキ

もう一つのCF案件、と言っては彼女が可哀想ですね。彼女の最大の魅力はそこではありませんから。

彼女といえば、「インスタをやるために斗和キセキのめちゃくちゃリアルな生首を作りたい!」というCFをスタートし、10万円のゴールに対し1400万円オーバー、という超ストレッチゴールを突破したことで話題になりましたが、彼女のスゴイところはそれだけではありません。

彼女が背負っている三角から「ガンダムアストレイレッドフレーム」と言われてバズり、生首CFでバズり、活動開始からわずか4ヶ月でファン数8万を突破してバズり、と「Buzz」に愛されてきた感の強い彼女ですが、実はVTuberとして活動を始める前からVRchatやClusterなどに出没していたことは、あまり知られていません。そのうえでもう一度書きますが、彼女の最大の魅力ではそこではありません。

彼女の最大の強み。それは、ソーシャルにおける立ち回りの奇跡的とも言うべき上手さにあります。上記のBuzzをすべてTwitter上で乗り切ったばかりでなく、そのレスポンスすべてを糧に変えるほどの勢いで対応し続けたことで、彼女に降り掛かったBuzzは最大限のポテンシャルを発揮したのです。結果、まだわずか動画投稿が数本、という状況にも関わらずこの人気を獲得する原動力となっています。このポテンシャルがあるから、今後がとっても楽しみでいられるし、気になる存在になるのですね。

プロデューサーであるエハラミオリさん(a.k.a.じーえふ)の今後の手腕に期待です。んむ、彼女はさらに化けます。

天開司(BANs / にじさんじネットワーク)

遅い! もっと早い段階で彼を紹介すべきでした。言わずと知れた個人勢の雄にして「BANs」の首領、天開司さんです。

今年、天開司さんを知る人達を震撼させたのが、いちから株式会社が新たに組織したMCN(マルチチャンネルネットワーク)「にじさんじネットワーク」への電撃加入でしょう。しかし、そんな外野の心配を他所にこれまでに彼個人が培ってきた人脈力をこのMCNでフル活用、早くも多くのにじさんじ勢と面白いコラボレーション企画を数多く企画、成功させています。

彼の最大の魅力はこの「企画力」と「彼自身の人間力」だと思っています。彼自身も「一期生、ってめちゃくちゃ大事じゃん!? その一期生に俺を選んでくれてすっげー嬉しいよ」と語っていますが、それは間違いなく、天開司さんが新たなプロジェクトの旗艦となる存在としてふさわしい存在だからでしょう。だからこそ、様々なVTuberが彼の企画に参加し、面白いコンテンツを生み出す原動力になります。VTuber界隈、というものを観測していく上で、彼の存在はもはや無視できないと言っても過言ではないと思います。これからに、メチャクチャ期待!

歌衣メイカ(upd8) / 歌衣イツミ

歌衣メイカさんといえば、上の天開司さんと「V紅白歌合戦」で司会を務め、実際の自分の母、弟、知人に身バレはおろか動画にアバターを作って出してしまう(しかも身内は全員巨乳)という、メチャクチャポテンシャルの高い個人勢VTuberとして有名な方です。

最近公開されたこの動画、めっちゃ面白いんでぜひご覧頂きたい。あんなに笑ったの久しぶり!

というわけで、歌衣メイカさんに最近娘さんができたのですが……、その方が……、

ヤバイ。逸材だ。

メイカさん、よくもまあ、こんなにスゴイ人を見つけてきたなあ……。その凄さは上の動画を見ていただければ一発でわかります。誤解を恐れずに言うならば、「輝夜月さんを初見で見たときの衝撃」を超えました。こういう人が出てきて人気をちゃんと獲得するから、VTuberって面白いんだよなあ……。

夜子・バーバンク(Balus)

すいません、バルス箱推しさせてください。テヘ★

先日風宮まつりさんが加入し、また先輩が一人増えた夜子・バーバンクさん。「映画専門VTuber」という性格上、他のVTuberさんとは活動形態が異なりますが、実は夜子さん自身のポテンシャルはかなり高いと思っています。

バルス内のコラボ動画で見せるトーク力や空気読み能力の高さは特筆すべきであり、これに映画紹介で随所に見られる知性の高さと相まって、非常に安心して見ていられるんですね。

こちらは初代の3Dモデルで撮影されたもの。上のコラボ動画で新モデルが使われておりまして、ブラッシュアップもされました。今後、映画紹介だけでなく他の動画展開が始まった時にどうなるのか、非常に楽しみな存在であります。

(追記)おおお、ついに初生配信が決まりました。

さらにclusterにも登場!

clusterの方は先約があり参加は難しそうですが、金曜日の生配信はぜひ注目して見ていきたいなと思います。たぶん、彼女の真価が発揮されるに違いありません。

めっちゃばぶ美(ジャストプロ)

いやああああああ、不覚です。この人のことをすっかり忘れてました!

東雲めぐさんと同じ「Anicast」を使用、主戦場がSHOWROOM故にYouTubeベースで見ると目立った活動がないように見えるかもしれませんが、なかなかどうして、相方(?)であるがんばるぅ子さんと共にバーチャルキャストベースのニコ生公式放送に出演したり、SHOWROOMのイベントで優勝を勝ち取るなど、熱狂的なファンを抱えています。

その配信の様は「破天荒」の一言。バブル時代を彷彿とさせるアゲアゲキャラに加え、配信中に「麦芽」(ビール)をガンガン飲み独自の世界観へ視聴者を強引に引き込んでいくチカラの強さは、ちょっと見渡した限りでは比肩するVTuberが見つかりません。そのくせして所属事務所がバリッバリの芸能事務所であるジャストプロ(真野真里奈、藤本美貴など)っていうね。タコは海へ還りなさいってえ~~~!

モデリングはGugenkaさんが担当。AniCastを使用していることもあり東雲めぐさんとの共通点が多く見られますが、上に紹介している動画はまさに東雲めぐさん・Gugenkaさん公認のもと作成された「ぐみのうた」の替え歌「ぐびのうた」。これがイカれてるんですわ(褒め言葉です)。必見です。
そんな破天荒なキャラで突っ走りつつ、ゲストなり共演者がいる場面ではきっちりと裏回しの旨さも見せるなど、タレントとしてのポテンシャルは相当なものをお持ちだとお見受けします。

SHOWROOMだけじゃもったいないです! がんばるぅ子さんも過去に冠番組をニコニコで持つなど高いMC能力をお持ちの方なだけに、ジャストプロのお二人には今後も注目していきたいですね!

麻倉由衣

さて、こんな感じで書いてまいりました「このVTuberがすごい!2019前半戦」。最後を飾るのはこちらの方。

上の動画を見ていただくとわかると思いますが、明らかに常人の粋を超えた3Dコンテンツクオリティの高さとネタ元のチョイス、初手でオリジナル曲をDigitalリリース、プロモーション展開の破天荒さ、ソーシャルでの立ち回りの極端さ、そして「借金3千万抱えてます」というダメ押し。ここまで「狙ってます感」を一貫して実践し続けているのが、非常に清々しく写ります。

すでに「企業勢とのコラボ収録を終えた」とツイートしているところを見ると、結構チームとしてのフットワークは予想以上に良さそう。あとはどこまで突き抜けられるかが鍵になるんじゃないかと思います。

(追記)ああ、これですね。

あとインサイドちゃんの番組にも出演が決定しておりまして、なかなかココらへんの立ち回りが活発。この方も、今後が非常に気になる存在です。


以上! 7月4日段階での「このVTuberがすごい!2019上半期版」でした。一応これで打ち止めとします。
見たことのない方がいたら、ぜひ一度どうぞ。また半年後に!