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Saint Helens & Bicheno リトルペンギンを見せてくれたんだね
こんばんは。今日も僕はnoteでオーストラリアのタスマニアをヒッチハイクで旅した時の話をシェアしています。
小さな頃、うっすらとタスマニアデビルをテレビで見た時の事を思い出してます。なんだか、親父が動物の番組をずっと見てませんでしたか?
そんで、なんでそんなのみてんだろ。とか思ったりして。
じーっと。動物が餌を捕ってくる様子や、獲物を捕らえる所、生活模様なんかを見てた。
さて、本編がボリュームあるので、もう行きましょう。
今日はタスマニアの北東エリアを旅していたようです。地図ペタしますね。
旅の青年はもう書ききれない程の思い出と、タスマニアの大自然に包まれてお腹いっぱいです。
今回も少しだけお付き合いいただけるとありがたいです。
何もなくても満たされてる状態ってのがあるのかもしれません。
いってらっしゃい。
Saint Helens & Bicheno リトルペンギンを見せてくれたんだね
だってさ、スティーブが「セントヘレンズに行くんだ」って言うから。行っとくしかないじゃん。俺乗ってるだけだし。タスマニアの北東の方をぐるっと回ってきた。
これって昨日通った道をもっかい逆方向に通ってるよね。みたいなこと、言い合ったりして。そんでなぜか、田舎道を通ろうって言って、ちょっと平坦な道から、「丘を越えゆこうよ」、な道へ入っていったんだ。
スティーブの車は古臭くて味があってかっこよかった。古い型の車に古いおっさんが乗っててばっちり決まってた。
途中パースっていう街まで来た。えっ、って思ったのは、西オーストラリアにもパースって街があってさ、そこと同じ名前だったからなんだ。急に懐かしくなったよ。
スティーブは車を路肩に停めて、スーパーだか、郵便局だかの所へ行っちゃった。用事があったみたいなんだ。俺はその間に車を降りて、少しだけ小さな街散歩してみた。何にもなかった。タスマニアだもんなぁ。
それからまた田舎道を通っていくと、窓からは羊が見えたり、馬が道路まではみ出てたり。おもしろいことに、対向車とかがいない。
気分いい最高のドライブだったぜ。
車の中では、スティーブがずっと話しっぱなし。俺も負けじとリアクションだけはとってたけど、全然意味が分からねぇ。
あれ、このまま行くとまたローンセストン通っちゃうんじゃないかな。なんてマップを広げて確認すると、どうやらそうらしくて、そこからまた何時間か走るらしいんだけどさ、あまり選んでこなかった、同じ場所を通るって事。旅をしてる時は特にそうかも、でもいいんだ、もうきちゃってんだし。
昨日出たばっかりなのに、もう一回ウエルカムトウローンセストンの文字を見ると、なんかこんなことも起こってくるんだなぁヒッチハイクは、と思っちゃうよね。
スコッツデールっていう山間のこれまた小さな街までのらりくらりとやってきた。
俺はスティーブに大感謝している。よくぞここまで俺を全く知らない土地に招いてくれた。
僕等はスコッツデールでパンを食べてる。今日の昼飯はやけにうまい。
スティーブが買ってきてくれたんだけどさ、車のエンジンかけっぱなしで行ってさ、「俺はお前のことを信じている、だからこのまま行く」とか何とか言ってたなぁ。
いやいや俺が車盗むような奴に見えるかね。海外でそんなことする度胸なんてないよ。静かに助手席座って、窓の外の新しい街眺めてただけだぜ。
コーヒーも一緒に飲んでたんだけど、最高の気分だったね。ちょっと涼しいくらいの気候でさ、タジーのみんなもサングラスしてるのさ。
僕等は日陰にあったベンチに腰掛けてる。
食べ終わるとまた旅の続きだ。山道をくねくねと、東海岸まで向かう。
もうどのくらい走ったんだろう。スコッツデールからさらに1時間から、2時間走った。
小さな港町セントヘレンズという街に着いた。
スティーブはこの町に用があって、今日は一泊するらしい。
俺はここには用はないから先へ進むことにした。最後にお礼を言って別れた。もういくらか仲良くなってたんだけど、もう会うこともないだろうなぁ。とか言って、ありがとな。
街はずれまで歩いてヒッチハイクしようと思ってたんだけど、海を見ながらちょっと歩いただけで、もう外れてた。そうなんだ。本当に小さい町だったんだ。
空は曇って来てたから、海も少し曇って見えた。
ヒッチハイクポイントの目の前には、ポリスステーションがあった。それでもあまり気にせずにしてた。
この時はちょっとだけ年上のお姉さんが俺の事を拾ってくれた。たぶんヒッチハイクをし始めて15分くらいだったかな。
「もっといい場所があるから、そこまで連れてってあげるわ」
グーグルマップとかさ、そういうの見ると、勝手に頭の中で、現在地と、目的地を一本で繋いじゃうんだけど、みんながみんなその通りに進むとは限らないし、地元の人達とかって遠乗りあまりしないし。だから、街からもうちょっと離れちゃって、大きい道に行くと車捕まる確率も上がるってわけ。
姉さんが俺の事を殺風景なT字路に降ろして、角曲がって行っちゃった。
さて、ここからまた一人だ。車はまぁまぁ通ってる。もう街にも帰れない。どうにかなるはずだ。これが俗にいう「背水の陣」ってやつだ。
段ボールにワイングラスベイって書いた紙掲げて車に合図をし続けた。
本当のことを言うと、もうこの日にワイングラスベイに行こうなんて思ってなかった。出来るだけ距離を詰めたいと思うようになったんだ。
まだ日が暮れるまでには時間があった。
鼻歌交じりに右手をいいねのマークで挙げてると、気の良さそうなふくよかなお母さんが乗った車が減速して、路肩の砂利道に停まってくれた。
テールランプが輝いて見える。
もうママとは目が合ってるから、俺は安心してた。
やっぱまずは明るい挨拶から始めよう。
「ハロー。これからタスマニアを南に進んでいきたいんですよ」
「途中まで行くから、乗ってきな」って感じで、ゲットだぜ。嬉しかったー。ここでもそんなに待ってないんだ実は。ラッキーっしょ。
ママと話していると、なんと彼女はタスマニアのアーティストだということがわかった。静かに暮らしながら、本を書いているらしい。
俺はここに何度も書いてると思うけど、アーティストが好きだ。自分もバンドで音楽齧ってたからかも知れないっていうかそうなんだ。「本を書く」ってのにはこの頃から憧れがあった。もう書いてたけど、発表してなかったんだ。これを機に世には出したいと思っているんだ。詩も書きたい、続けていこうと思う。
海が広がってきた。僕たちは静かに話し続けてる。ここら辺にはペンギンの出る海岸があるらしい。街の名前や、どのくらい距離があるのかをママに聞く。
どうやら、ワイングラスベイよりは手前にあるらしい。なるほど、今日はその街、ビチェノに泊まって、明日ワイングラスベイを目指す方向に修正しよう。うん。そうしよう。だってワイルドペンギン見たことあるかよ。超見たいっしょ。オーケー。いきましょうそこまで。
旅は、出会う人は僕にアイデアをくれる。それがあれば気も膨れる。
山側の道と違って、海側は少し寂しい。空が曇ってるからかなぁ。
ママとは少し不思議な話をしてた。俺もバンドやってたり、本書いたこともあるとか言ってみたり、好きなものが一緒の人とは会話も静かにできる。
ママは俺を降ろして、また角を曲がって行ってしまう。
空を見上げて深呼吸を一つ。
ここは浜から約二キロくらい離れ、丘になっていて遠く海岸線が望める。その界隈にちらほら小さな建物が建ってる。
僕はまたT字路にいて車を待ってる。海から吹く風が僕を乾かせない。
タスマニアの東海岸、車の通りは少ない。遠くまで道路が見渡せるから車が来たらわかる。それまではバックパックに腰かけて休むことにした。
T字路にある看板を見ると、海へと続く道を進んでいくと何件か小さな宿のようなものがあるらしい。街から休暇で来てたりする人達がいるんだろう。
今日中にどこまで行けるのかなぁ、なんて考えてる時に、海の方から一台車が走ってくるのが見えた。うまい具合に、俺と同じ方向に行かないものか。幸いここはT字路だから、必ず減速するはずだ。その時に微笑ませてくれ。このジャパニーズスマイルでここまで来てんだ。
ドライバーの顔もはっきりわかるくらいの場所まで車が近づいてきた。
いい車に乗ってらっしゃる。これは、お金持ち。ってことは、乗っけてくれそうだ。余裕あんだべ、頼むわ。
「今、ヒッチハイクでタスマニア回ってんですよ」
「いいことしてんじゃんか。私のホテルにもジャパニーズの女の子が働いてるよ」
俺はもう車に乗ってた。ホテルを経営している人らしい。ビチェノを通ってホバートまで行くから、ちょうどいいとのことで乗っけてくれた。
話していると、なんでもおっさんの妻が日本で生活をしていたことがあるらしく、日本語も話せるらしい。おもむろに、そのおっさんが奥さんに電話をしだし、俺と日本語で話すことになった。旅をしてるとよくあるこのシチュエーション。日本語話したい人は俺も大歓迎だから、なるべくわかりやすく丁寧に対応した。もちろんナイスなパフォーマンス付きだ。
「おー。日本語うまいっすねー!」なんておもっきり真面目に言ってみたりして、車内を平和に保つのも俺の旅の話をするのも俺の勤めだ。
ロキも、そういえばペンギンが出る海岸の事を言ってたなぁ。おっさんも俺がこれから向かうビチェノの話を出したら、ペンギンのことを教えてくれた。それと、クジラの穴みたいな面白い形のブローホールって言う岩があるらしく、それも見て来いって言われた。
ヒッチハイク最高だな。ホテルもドミトリーで、飯は安く仕上げてる。これがバックパッカーって奴だろ。さまになってきてんだろ。嬉しいぜ。
タスマニアを南下して行くにつれて、天候も回復してきた。おっさん曰く、「タスマニアの東側は、あまり雨は降らないが、西側は一年の300日は雨が降る」らしい。何でもタスマニアの真ん中にクレイドル山があるから、そこで雨雲は雨を落として東に流れてくるんだって。俺は今回西側はいかなかったけど、しょっちゅう雨が降ってる所には行きたくはないなぁ。その土地の事を知るには、どんなにガイドブックを読むよりも、その土地に住む民と話した方が得るものが多い、そう思わないかい。
車はビチェノの街に入ったみたいだ、おっさんが中心地で僕を下ろしてくれて、近くのバッパーを教えてくれた。握手をして、僕等は別れた。
おっさんは店に何かを買いに、僕はバックパック背負って、チェックインするためにバッパーへ。
事前予約なんてもんはしていない。いつどこで寝るかわからないし、時期がずれれば、たいていは空いてるもんだ。
僕の好きなタイプの日当たりもよく、風通しもよさそうなバッパーだった。僕がチェックインした頃は誰も先客がいなくて、ドミトリーの部屋でも、一人でゆっくりと寛ぐことが出来た。
今日の朝起きた時は、ロスだったんだもんなぁ。濃い一日だ、なんて少し今日の出来事に浸りながらも、まだ、日は落ちていない。だんだん日が長くなってる。
この町の事が知りたい僕は、少し休んだ後、歩いてみることにした。もう、マップは手元にある。ルートもだいたい決めた。
この時点で、まだ午後の4時か、5時くらいだった。僕は地図を見ながら、まずは海の近くの山を上ってみることにした。
ビチェノの街には、海沿いを歩く人用に、遊歩道がつくられているらしかった。しばらく、山道を登って、坂を降りると、僕の目の前には真っ青な海と、ごつごつした岩浜が広がる。もう青空が見えてる。
ブローホールの事は聞いてたけど、一番最初に辿り着いた場所がまさかそことは、この時リアルタイムでは気が付かなかった。後で、写真を見返して分かったんだ。浜に打ち寄せる波が、岩に空いた隙間から、「パッシャーン」って吹きあがるから、まるでクジラが吹く潮の様だってことで、ブローホールと言われてるんだって。
浜を歩いていると、どこもかしこも岩だらけだ。海水浴には向かないけど、個性的ですごく好きだ。波が届く間際の所には苔が生えてる。僕は岩場をポンポンはねて歩いてる。
向こうの海にも岩がちょこんと出てる。ここら辺一帯が岩で出来てるらしい。すべってこけないように、慎重に岩浜を跳ねて移動する。
海水は透き通っててとても綺麗だ。目にする岩のほとんどは赤茶けた部分を含んでる。この土地独特のものなのか。なんかの成分が、海水と混ざって変色してったのか。
海岸の目の前に、ベンチが置いてある。素敵な演出だよね。そこに座って見えるものって、岩と海と空でしょ。
たまに海鳥が横切る。地元のフィッシャーマンが遠く、岩の上に立ってる。
ここら辺の海域には、たくさんの海洋生物が住んでいるらしい。そしていくつかモニュメントを越えていくと、岩のない、まさっらなビーチに辿り着いた。それでも少し沖の方には、岩がまたちらほら見えた。
ビチェノの町も小さくて、もうスーパーも閉まっていた。僕は散歩を終えると、日も傾いていたので、角に見つけたファーストフード屋でポテトと、他に簡単な揚げ物、そしてコーラを飲んで、お腹を満たした。
宿に戻ると、どこかのツアーの御一行がチェックインしていて、何とも賑やかだった。海辺で見たヨーロピアンの女の子は馴染んでたけど、僕はタイミングを逃して、一人部屋でゆっくりしていた。今日は地元の人達と、たくさん話した。もう取れ高ばっちりだ。
やっぱりみんなも夜中にペンギンを観に行くみたいだったので、僕も行くことにした。夜の8時くらいがバッチリなタイミングらしい。情報を得た僕は、また少し日記を書いて休むことにした。
夜になると街灯の明かりくらいしか光がなくなる。月も遠くでぼんやりだ。こんなに夜は暗かったのか。昼間観に行ったブローホールの辺りがポイントだというので、真っ暗な道をゆく、でも住宅街だったから怖くはないさ。
海沿いまで来ると、木陰の向こうでざわざわと何かが駆けてく音がした。最初は何かわかんなかったけど、どうやら「リトルペンギン」が陸に登って来てるって雰囲気で察した。
夜の海、夜の浜辺は恐ろしいほど暗い。遠くに人の影がスマホのライトに照らされて見えたり、カメラのフラッシュに当たって見えたりしてる。観光客がいるから危険はなさそうだけど、足場が悪い。慎重に人だかりがあるところまで歩いていく。たまに小さい生き物が動く気配を感じる。
みんなの声がする。リトルペンギンがいるらしい。
いくら真っ暗でも、目は慣れてくる。岩場によちよち歩いているペンギンを確認できた。目では見れるんだけど、暗すぎて写真には写らない美しさがここにもあった。
ワイルドなリトルペンギン超かわいい!
完璧な旅だ。大満足だ。これで、ついには明日いよいよ、目当てのワイングラスベイまで行く。朝もはよから、ヒッチハイクで行くぜー!
編集後記
リトルペンギンの写真が暗すぎて笑ってます。
見えねーじゃねーか!! 頂き、ありがとうございます。
タスマニアの民に導かれ、見ることが出来たのはリトルペンギンでした。
みなさんのおかげでようやくこうして旅が出来ました。
スペシャルサンクス。タスマニア。
なんだか陽気なビデオを見つけました。
リトルペンギン達の生活の無事を祈ってます。
さて、今日は少し長く書いてしまいました。
読んで頂きありがとうございます。
すごい濃い一日を過ごしてる。
そうだ、前説で話してた事の続き。ここまで読んでくれた方は共感してくれるかもしれません。『岸和田少年愚連隊 BOYS BE AMBITIOUS』で、チュンバの家で親父が動物の番組見てるシーンありませんでしたっけ? なんかそんな感じのイメージです。
次回も、まだまだタスマニアの大自然に抱かれた旅が続きます。
遂に、ワイングラスベイに辿り着く話をお届けします。
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よろしくお願い致します。
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