ジェフ・ポーカロの全セッションワークをプレイリスト化してみた!
8月5日の稀代の名ドラマー、ジェフ・ポーカロの命日を機に2冊の書籍〜「ジェフ・ポーカロ イッツ・アバウト・タイム 伝説のセッション・ワークをめぐる真実のストーリー」「ジェフ・ポーカロ全仕事」を元にジェフのドラミングを改めて聴き直してみました。そして時系列的にジェフのドラミングがどう変化していくのか順番に並べてみるとするとプレイの変化やポップスシーンのリズムの変化に対するヒントになるかなと思いSpotifyでプレイリスト化してみました。並べて改めて聴いてみると面白い発見がいくつかありました!
きっかけとなったジェフ・ポーカロに関する記事はこちら。
ジェフ・ポーカロのプロ・ドラマーとしてのキャリアは17歳の1972年の当時の超一流ポップアーティストだった夫婦デュオ、ソニー&シェールのバックバンドからスタート、そこから1992年の8月5日に殺虫剤を散布後にアレルギーで心臓発作を起こし急逝するまでの約20年間のセッションワークをプレイリストです。選曲ルールとしてはTOTOでのナンバーは一部アルバム未収録曲を覗いて除外、アルバム全曲参加の場合でも最大3曲まで、曲順は基本的にリリース順、一部死後発掘されたものも収録時期に合わせています。プレイリスト自体はSpotifyでの再生回数も少し加味しプレイリストとして聴きやすい楽しみやすいものになるように務めました。
JEFF PORCARO Sessions History 70's
ジェフ・ポーカロ最初期からプレイスタイルを形成してゆく70年代、1974年のスティーリー・ダンへの参加からすでにジェフのスタイルは予言されていた!トミー・ボーリン、シールズ&クロフツ、ボズ・スキャッグス、レオ・セイヤー、ポインター・シスターズ、ラリー・カールトンなど初期の名演がズラリ。
JEFF PORCARO Sessions History 80-85
TOTOでの成功からジェフの名声が上がり、次々と大ヒットアルバムのセッションに呼ばれるジェフ、ある意味ジェフ・ポーカロ・スタイルの全盛期とも言える時期、日本制作音源も増えてきます。一方でジェフ・ポーカロという名前が欲しかったのか「それジェフである必要ありますか?」と思うトラックも出始める80年代前半の作品群。
JEFF PORCARO Sessions History 85~90's
デジタルドラム、ドラムマシーン、サンプリングも登場し、ジェフでさえもマシーンライクなプレイを要求される受難の時期。相変わらずのヒットアルバムへのコールも続きますがジェフのルーツや古くからの友人への客演も目立ちます。日本制作音源にも意外なプレイが。そして再び人間の叩くドラムフィールが重視される90年代へ、ジェフの次の表現に向かうはずだった晩年期の穏やかな作品も興味深いです。
それぞれ150曲以上、10時間以上のプレイリストになりますが楽しんでいただけたらと思います。ジェフの名演と言われているものでもSpotifyでは公開されていないもの〜ボビー・コールドウェルやペイジズの1stなど〜もけっこうあったので収めきれていないものがあります(もしこれもジェフの演奏だよ!というのがありましたらご指摘いただけますと有り難いです)。このプレイリストの元になったジェフ・ポーカロに関する2冊の書籍についてDUブックスさんのnoteで紹介されておりこのプレイリストへの理解が深まる一助になるかと思います。
私は改めてこのプレイリストを聴いているうちに米国ポップシーンのリズムの変化とある一つの流れがあることに気づくことが出来ました。それについてはまたいずれの機会に書いてみたいと思います。