見出し画像

オーガニック(有機JAS認証)は何を保証しているのか?

1.はじめに…

元来のオーガニック(Organic)という言葉が、割と幅が広いニュアンスを持っています。ここでは条件を絞るため、狭義の「有機JAS認証」をオーガニックと設定します。
実は、私の実家は、有機JAS認証の柑橘生産者でした(現在は引退しています)。私自身は、現在有機JAS認証農産物のバイヤーでもありますので、前提知識として広まれば幸いです。

2.有機JAS認証とは

有機JASは、有機食品(農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品)について農林水産大臣が定める国家規格です。有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。

有機JASマークがない農産物、畜産物、加工食品に、「有機」「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。

有機JAS認証マーク


3.有機JAS認証は何を保証しているのか?

「オーガニック」=「体に良い・健康・安全安心」という刷り込みが日本人にはあるのではないでしょうか?
実は、上記の「有機JAS認証」は安全・健康を保証しているわけではないのです。

【有機農産物JAS規格】では、こう書かれています。

 農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産されること。(採取場(自生している農産物を採取する場所をいう。以下同じ。)において、採取場の生態系の維持に支障を生じない方法により採取されること。
参照https://www.maff.go.jp/j/council/sizai/tokutei_noyaku/02/pdf/refdata1.pdf

そうです。
「健康」には全く触れていません。

有機JAS認証は、「環境へ与える負荷の少ない農法で育てられた農産物」であることを保証しています。これは、消費者が「オーガニック」に対して持つイメージとは、多少異なっているように思います。


4.誤解はどこから?

 「オーガニック健康刷り込み(誤解)」はどこからきたのか?
 実は、すこし思い当たる節がありますので、次回、深堀しようかと思います。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最終目的は「オーガニック給食の闇」です。
そこまであと、3回ぐらいの投稿でたどり着けると思いますが、お付き合いいただけると幸いです。


いいなと思ったら応援しよう!