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カルガモに孤独なんて似合わない

 個体によって性格がさまざまなのは人間ばかりではない。ぼくにとっていちばんわかりやすいのは、毎朝、散歩に訪れる境川の鳥たちである。この冬までたくさんのカルガモや、北から渡ってきたのかどうかはわからないがマガモたちが数羽いた。

 マガモはオスとメスの識別が容易だ。彼らを見ていてわかったのは、オスは比較的人間を恐れず、エサをくれる人がやってくると、真っ先に飛んでくる。しかし、メスはかなり用心深い。

 カルガモはたいていカップルでいて、オスとメスの区別ができない。だが、そのうちだいたいわかってきた。エサをねだって寄ってくるのはオスで、距離をおているのはメスらしい。

 ペアのカルガモにも性格があって、2羽そろって寄ってくるヤツらもいれば、用心深いカップルもいる。

 いまや、ぼくが散歩で歩く境川の200〜300メートルのエリアには、2組のペアと1羽だけでいるカルガモしか見かけなくなってしまった。夏になっても戻ってきてくれる気配はない。

 今朝、1羽のカルガモが水の中にたたずんでいた。久しぶりのカルガモである。ときどき、上流へ飛んでいく1羽だけのカルガモを見ているが、それが写真の子かどうかはわからない。

 ときたま、1羽でいるの見たりすると、なんだか寂しげにみえてしまい、早く相手が見つかるといいねと願わずにいられなかった。

 去年、たくさん見かけたカルガモたちは、ほとんどがペアでいるか、数羽の群れで行動していた。そんなとき、1羽だけでいるヤツを見かけると、まるでオレみたいだと思って、つい、親しみを感じた。そして、1羽でいるカルガモは、すべてオスだと思い込んでいた

 だが、今朝、1羽でいたカルガモは、ぼくが近づくと逃げていく。なんとなくやさしげなのでメスかもしれない。それなのに1羽だけでいる。数が少ないと寂しい。やはり、早く相手が見つかるのを祈らずにはいられない。

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