変形性股関節症の筋トレ、エクササイズ
変形性股関節症とは?
まずは変形性股関節症とは何か?を知る必要があります。
変形性股関節症とは股関節の軟骨が摩耗し、関節内のクッションが減ります。それにより骨と骨の隙間が減少していきます。
これにより、腫れ、痛み、股関節の可動域減少が起きます。
米国では約5400万人、日本では約500万人が変形性股関節症を患っています。
変形性股関節症の原因は何ですか?
単一のものが原因になるとは限りませんが、主に下記のものが発症する可能性が高くなると言われています。
変形性股関節症はどこが痛くなりますか?
主に足の付け根の痛み(股関節痛)が多い。
他には
変形性股関節症の症状は何ですか?
変形性股関節症の症状は以下が挙げられます。
また、医学的所見はこれらの症状がみられます。
変形性股関節症における診断、検査
変形性股関節症における診断、検査は
があります。
レントゲンでは関節が狭くなっていましたが大丈夫ですか?
変形性股関節症はレントゲン写真で軟骨の厚さ、関節の隙間の広さ、骨の位置関係や変形具合を確認します。
しかしこのような論文もあります。
Kim et alらによるとアメリカの50歳以上約1000人を対象にした研究で19.6%がX線写真、変形性股関節症であったが、症候性(症状を認めた)変形性股関節症はわずか4.2%であったと報告しています。
Kim et alらによるもう一つの研究によると「X線検査で変形性股関節症が認められた多くの股関節では痛みが認められず、痛みを伴う股関節の多くではX線検査で変形性股関節症が認められないことを示した」とまとめられています。
要約すると…
ということになります。
変形性股関節症の筋トレ、エクササイズ
はい!運動は股関節周囲の筋肉を鍛えるためにも推奨されています。
French et alらが2015年に行った研究では、変形性関節症の専門家51人と変形性関節症の患者9人を集め、"変形性膝関節症や変形性股関節症の人は何を知るべきか?"というディスカッションを行いました。
彼らが特定した21の重要なメッセージのうち、100%同意が得られたのは1つで「個人に合わせた運動は、変形性関節症のすべての人にとって治療の不可欠な要素」と結論づけました。
どんな運動をすればいいですか?
大切なのは、我慢できる範囲であれば、どんな運動も禁止されているわけではないということが重要です。趣味のテニス、水泳、散歩など。運動中のわずかな不快感が必ず股関節の損傷や悪化を招くものではありません。
2020年のZampognaらは65歳以上の変形性関節症患者の「積極的な運動やスポーツは、変形性関節症の高齢者の痛みや身体機能を改善するのに有効」と述べています。
以下に私がおススメする股関節のエクササイズを紹介します。
痛みがない範囲、10回×3セットできるエクササイズを毎日続けてみてください。
体重を減らすことは変形性股関節症に効果的ですか?
2022年のSalisらによると
減量のためには健康的な食事、十分な睡眠、運動が必要になり、これらが痛みを軽減させ、筋力を向上させる結果、減量にもつながると考えています。
サプリメントは摂取する必要がありますか?
2018年のLiuらによるれレビューでは
サプリメントに頼りすぎることよりも、長期的には運動を通して「動ける体」に努める方がいいかもしれません。
変形性股関節症における治療
変形性股関節症における治療は
などが挙げられます。
注射や手術に関しては個人差があるため、専門のDrやかかりつけの先生にアドバイスを頂き、実行してください。
以下は注射、手術に関する最新のエビデンスを提示します。
注射は効果がありますか?
2021年にGazendamらによって行われたシステマティックレビューでは
全ての注射は同等の効果があったと結論づけています。
手術する必要はありますか?
2010年のSansomらによると、人工関節手術に至るのは耐えられなくなり受診する人、悪化する前に先手を打って受診する人に分かれます。
これは患者の治療に対する必要性、重要度が影響しています。
臨床医と患者の必要性の認識が異なる場合、患者の不安や無力感が継続する恐れがあります。
つまり、手術に関しては十分に専門医と相談して決定する必要があります。
2016年にNeuprezらが行った研究で術後1年で満足度が高い人は術前の期待スコアが高い人でした。
まとめ
・変形性股関節症とは股関節の軟骨が摩耗し、関節内のクッションが減ります。それにより骨と骨の隙間が減少することです。
・X線検査で骨と骨がくっついているように見えても症状がほとんどない人もいるし、痛みがない人でもX線検査をすれば変形性股関節症の人もいます。
・変形性股関節症の方に運動は推奨されています。
・治療は外科手術、保存療法などがあり、手術をする場合は緊急度、重要度を専門のDrと十分に話し合う必要があります。
免責事項
情報の正確性: このウェブサイトや動画は一般情報提供のみを目的としており、診断や治療の代替として使用すべきではありません。個別の健康状態に関する情報は、専門医や理学療法士からの助言に代わるものではありません。健康に関する重要な決定を下す際には、近くの医療専門家との協力をお勧めします。
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