相談に役立つ心理学
こんにちは! 説明兄さんのひろです。皆さんは普段の生活の中で、失敗することはありますか。僕は失敗とまではいきませんが、しょっちゅう考えさせられることがあります。
「どうやったら失敗、間違いを防げるのか?」
これは多くの方が抱える問題だと思います。小さなミス、失敗をなくすことで物事を効率よく行う。より良い人生を送りたい。この願いは誰もが持っていることかもしれませんね。
今回はそんなあなたにオススメの方法をご用意しました。人に伝えたくなる心理学。今回のテーマは、
「教訓帰納(きょうくんきのう)」
です。以前お伝えしたメタ認知とも深く関わりのある言葉なので、心理学に興味のある方はぜひご覧ください。
◯教訓帰納とは?
教訓という言葉は知っている方がほとんどだと思います。辞書で意味を調べると「教えさとすこと」という言葉が出てきます。これだと分かりづらいので、いったん文章にしてみましょう。
「今回の学びを人生の教訓にする」
どうでしょう。ニュアンスは伝わるでしょうか。
「良いことであれ、悪いことであれ、今後の糧として経験を活かすこと」
これが皆さんの知る教訓の意味だと思います。そしてもう一つ「帰納」という言葉。辞書で調べると、
「個々の具体的な事例から一般に通用するような原理・法則を見出すこと」
とあります。この2つの言葉を合わせると、
「教訓帰納」
になります。意味は、
「ある問題を解いた後に、この問題をやってみたことによって何が分かったかという教訓を引き出すことである」
ちょっと分かりづらいかもしれないので、例を挙げます。
例)
あなたが以前受けた算数のテスト。先生による答え合わせが終わって、答案用紙が返ってきました。あなたが記入した答えには、いくつかの間違いがありました。
16+15=
という単純な計算式。正解は31になるはずですが、
16+15=21
という答えが書いてありました。なぜ21になったのか。あなたは不思議に思います。では、この問題から教訓を引き出すにはどうすればいいでしょうか。
16
+15
=21
こうして見ると原因が分かりやすくなるかもしれません。あなたは計算を行った際、一の位を繰り上げることを忘れていました。
「そうか、自分は一の位の繰り上げを忘れてしまうことがあるのか!」
これを理解した時。あなたの今後のミスは減るのではないのでしょうか。今後は問題を解く前に「一の位の繰り上げを忘れないように」と意識して問題を解いたとしたら。かなりのミスを防げるのではないでしょうか。
つまり教訓帰納とは、
「自分が問題を間違えてしまった時に、どうして間違ったのか。という原因を考えて、どうすれば間違えないようになるのか。という対処法を考える」
という事なんです。
◯教訓帰納とメタ認知
皆さんはメタ認知を覚えていますでしょうか。以前お伝えしたメタ認知を簡単に説明すると、
「自分が認知している状態を認知すること。自分を客観的に見ること」
です。先程の問題の例でお伝えすると、
16+15=31
のはずなのに、なぜか答えを間違えてしまった。原因を調べてみると、一の位の繰り上げを計算にいれてないことに気づいた。これは、自分が計算をしている過程を客観的に見ることで生まれた考え方です。
テストで問題を解いている最中、人はこの客観的な視点で物事を見ることができません。では、どんな場面で客観的視点。メタ認知が行えるのか。それは、問題を全部解き終わって見直している時です。
皆さんはテストの見直しをしている時に間違いを見つけ、得点が上がった経験はありませんか。これは多くの方が経験していることだと思います。一度行った行動が、メタ認知を行うことでさらなる成果を上げることができる。メタ認知には人を成長させる可能性があるんですよね。
さて、面白いのはここからです。自分の間違いに気づくのはテストの時だけではありません。人生においてもそうなんですよね。皆さんは両親に、
「勉強しなさい!」
と言われた経験はありませんか。子どもの頃、遊びたい時期に勉強の話をする親をうっとおしく思ったのは僕だけじゃないと思います(笑)。しかし、大人になって振り返ってみると、
「勉強しておけばよかったな」
と思う時があるんです。幼い頃は気づかなかった、勉強をしないという間違い。これに気づくのは大人になってからだったんですよね。もし、僕が子どもの頃からメタ認知に気づいていれば、人生は変わっていたかもしれません。
それぐらい、教訓帰納とメタ認知は大切なものなんです。
◯教訓帰納とメタ認知の有効な使い方
最初の例でご紹介したように、テストには必ず答えが存在するので間違いに気づくことができます。では、人生はどうでしょうか。例えば、就職のお話。
「安定が一番だよ」
そう言われて選んだ公務員という職業。実際に給料とボーナスは必ず一定額支給され、生活は最低限できている。ただ、仕事に全くやりがいを感じられない。という相談を、僕は以前受けたことがあります。
彼にとって、この選択は間違いだったのか。答えられる人はだれもいません。ではこんな時、彼にどんな言葉を伝えるのが正解なんでしょうか。
「安定した職業が一番ですよ」
「公務員になれなくて困ってる人もいるんですよ」
「職についているだけでも幸せですよ」
こんな言葉をかけるのが正解だと思っている方もいるかもしれません。では、彼自身に聞いてみましょう。
Q.あなたがこの仕事について一番うれしかったことはなんですか?
A.困っている人の助けになれたことです。
Q.あなたがこの仕事について一番悲しかったことはなんですか?
A.業務的な対応しかできないことです。マニュアル通りの対応なので、自分で判断して行動することができないのがつらいです。
Q.あなたは何をしている時が楽しいと感じられますか?
A.人と話している時。その人に合った提案、可能性の話をしている時。
・あなたは何をしている時がつらいと感じますか?
A.ずっと同じ作業を繰り返すこと。
彼が答えた質問を客観的に眺めてもらい、
「あなたがやってみたいことは何ですか?」
とたずねてみると、彼の中で少しずつ答えがあふれてきました。自分を客観的に見る、メタ認知するにはこういうやり方もあるんですよね。多くの方が同じように悩みを相談された経験があると思います。あなたはその時、どんな行動をとりましたか?
・相手の意思を本当に確認して相談に乗っていましたか?
・自分の歩んできた人生、考えたことが正解だと思って助言していませんでしたか?
・自分が相談した時、人に価値観を押し付けられて嫌な思いをしませんでしたか?
ここで自分の意見ばかり人に押し付けていた。そう気付けた方は、メタ認知を得ることができました。後は、教訓帰納を使って新しい自分に出会うだけです。
自分をメタ認知して、教訓帰納を行っていく。
これは人が成長していく上で、最も重要なことかもしれませんね。
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