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「結」ーphase 1~10ー

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”むしょく“のおっさんが絵描きになるまでの物語。 仕事もせずにプラプラ遊び歩く私がひょんな事から「絵を描く仕事」を依頼されて描き上げるまでを下らない文体で書いています。
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「結」 ー Phase 7 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 7 ー Uzumakism

キッシュが美味い酒場で隣に座る紳士に話しかけた。この近くに猫が屯している場所があると言う。少々猫には飽きていたのだが気休めに覗きに行ってみた。人間になってしまったら猫を見る目が変わったみたいだ。少しこの子たちでは物足りない。船に乗る前に遊んでいた猫たちは虎だったのかも知れないな。
それから数日は猫に興味を示す事もなく、港街で出会う人間たちに声を掛けては談笑し楽しい時間を過ごした。
暫く、色んな所へ

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「結」 ー Phase 8 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 8 ー Uzumakism

ふむ、女神さまは「猫をしているのが辛いにゃら、、、じゃない辛いなら、人間になってみるのも良いかもしれないですね。どう?一度人生と言うものを味わってみては如何かしら?」なんて言っていたけど、どうも人間になったのじゃなくて、人間に取り憑いているだけみたいだ。
この身体の人間の記憶を吾輩が共有出来てていると言う事は、吾輩が私を乗っ取り始めていると言う事だ。吾輩?私?ややこしいニャ〜。

人間が気に入って

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「結」 ー Phase 9 ー Uzumakism

「結」 ー Phase 9 ー Uzumakism

キッシュの美味い酒場の馬屋に繋がれた暴れ馬と仲良くなりたくて、酒場の女将に馬について色々聞いてみた。どうやらこの馬は猫が好きらしい。だけど普通の猫ではなくて“魔力”を持った猫が好きなのだとか。魔力? 何のことやら。
魔法の猫が酒場に来た時は馬が大人しくなるそうな。
「で、その魔法の猫ってどんな猫かニャ? あ、いや猫かな?」と私は尋ねた。

女将曰く誰も見た事がないから、どんな猫かは知らないらしい。

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