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豚汁を作った話
※写真は別の日に作った肉じゃが
ここ暫くの間、台湾に行ったり各国の料理を食べたりしていて、なんとなく和食が恋しく思えてきた。特に、なぜだかわからないけれど牛蒡を食べたい思いが強くなった。
あと豆腐。海外の豆料理の多彩さや素晴らしさに触れて、深く理解していくと、同時に豆腐の凄さも分かってくる。日本に豆腐があることが、どれだけ幸せか。なんだかそれだけで延々と語れてしまいそうではある。
さて牛蒡と豆腐ときたら、これは豚汁かけんちん汁だろう。そう思いながらスーパーに行ったら豚の薄切り肉が安かったので勢いで豚汁に。
豚汁って、豚肉と玉ねぎと豆腐があれば要素としては満たしているように思うのだけれど、ここはもっといろいろと取り入れて豪勢というかにぎやかな感じで楽しみたい。というわけで、人参、こんにゃく、油揚げも入れてみようと。
油はひかずに豚肉を炒めて、その脂身が出てくるのを待つ。玉ねぎと人参を加えて、豚の脂で軽く炒めたらお湯をいれて、浮いてきたアクをとる。ささがきにした牛蒡、短冊切りの油揚げ、スプーンでちぎったこんにゃくも加えて味噌も加えてしまって、煮えてきたらその中へ軽く水切りした豆腐をそっと加える。
あとは待つだけ。
別の作業に取り掛かってもいいのだけれど、コトコト言っている鍋を見ているのも、それはそれで楽しい。
煮えたら火を止めて少し落ち着かせて、あとはよそって食べるだけ。こういう豚汁はたっぷりと食べたいので、使うのはうどんを食べるための大きな丼ぶり。黒地の器に味噌の色とごぼうや人参の姿が映えていて、綺麗、というよりは落ち着く風景。
香りは甘やか。麹が多めの味噌とたまねぎ、豚の油も甘いにおいに繋がっているかも。
汁をひとくち。豚肉と味噌の旨味、たまねぎの甘味があふれる中、牛蒡の苦味がいいアクセント。
ああ、これだ。
この味、懐かしさも感じる。
牛蒡は直径が5cmくらいあるようなかなり太めのものだったのだけれど、かなり柔らかくて味もマイルドだ。こんにゃくは、今回初めてかもしれない、こんにゃく芋が原材料に書かれているものを使ってみたのだけれど、確かにこれはいつものこんにゃくとは違って美味しい。ぷりっとした食感が強くて、味に透明感がある。ワンランク上の感覚がする。こんにゃくは滅多に買わないので、使うときはせっかくなので良いもの買ったほうが幸せになれそうだ。
途中で少し七味をかけたり、柚子胡椒をつけてみたり。それぞれに風味を味わって楽しむ。意外とごはんは進まない。合間に白菜の新香だけあれば良く、ごはんが入り込む余地が無い。
ふだんは米派なのだけれど、こういうときは〆のうどん的に、汁部分だけ残して後でうどんを入れる方が良いかもしれない。いや、もっと合いそうなのは「はっと」みたいな感じか。うどんみたいに麺である必要もない。箸でそれぞれの具材をつまんで食べる、という行為で統一したい気持ちが強い。
食べた後は、からだが中から温まっている。寒い冬はこれが良い。