武田邦彦氏の“反党的行為”
先日の参政党の記者会見や神谷宗幣代表による詳細な説明、さらに神谷代表に対する武田邦彦氏の誹謗中傷とも捉えられかねない動画を拝聴して参政党の“内紛”の輪郭がかなりはっきりしてきた。参政党の”内紛”の主因は参政党の前ボードメンバーで外部アドバイザーの武田邦彦氏が長年の友人で盟友とも言える河村たかし名古屋市長(兼「減税日本」代表)を参政党の共同代表にしようと画策したが神谷代表に拒絶されたことにある。
この動きの背後に参政党の分断を図る勢力の存在があったのか否かは現時点では分からないが、武田氏の言動は“反党的行為”と捉えられても仕方がない行為である。この件があって以降、神谷代表はそれまで実の父親のように慕っていた武田氏の言動をかなり警戒するようになったようだ。武田氏は河村氏を参政党の共同代表にする画策に失敗した後、利用価値が無くなった(?)参政党を見限り、事もあろうに日本保守党に急接近していく。そして最終的に河村市長は参政党ではなく日本保守党の共同代表に収まり日本保守党と地域政党「減税日本」は特別な友党関係を結んだ。
武田氏は参政党の党勢拡大に多大なる貢献をした一人である。それにもかかわらず、結果的に参政党と袂を分つことになってしまったのは極めて残念だが、参政党は党員が主体となって政治活動を行う政党であり、一部の特権的メンバーが党の方向性を決定することは党員が主役の参政党の方針に反する。武田氏は近代型政党を志向する参政党の基本方針を全く理解していなかったと言わざるを得ない。
武田氏が「本部事務局が自分のことを”認知症“呼ばわりしている」と激しく非難しているが、もしそれが事実ならひょっとして「武田氏は認知症」などと吹聴することで”反党的行為“という極めて不名誉な対応をとらなくても済むように一部の党関係者が意図的にある種の温情を図ろうと試みたと思えなくもない(武田氏にとってはどちらも不名誉なことだが…)。武田氏は非常に有能かつ博識な科学者であることは疑いようがないが、最近は「ダークマター、ダークエネルギー」を「ブラックマター、ブラックエネルギー」と繰り返したり、他にも科学者として本来あり得ないような言い間違いが目立っていることも否定できない(もちろん単なる年齢相応の言い間違いとも言えるが…)。
そういえば7月の松田代表の突然の代表辞任はどうにも解せなかったが、参政党が分断されて崩壊する可能性を危惧した神谷氏が現在の危機的状況を乗り切るには自分が代表権も握って強力なリーダーシップで乗り切るしかないと判断したからではないか。参政党創設メンバーであり神谷氏の盟友でもある松田氏は神谷氏の内心を察知して理不尽な辞任を快く受諾したのだろう。博覧強記で松田プランの提唱者でもある松田氏が参政党に踏み止まってくれたことの重要性は計り知れない。
今回の武田氏の言動には大きな衝撃を受けたが、河村名古屋市長にしても反グローバリズムを掲げる参政党がダメなら手のひらを返して日本保守党の共同代表に就任するというのは青天の霹靂であり全く理解に苦しむ。日本保守党の百田尚樹代表も有本香事務総長もウクライナ戦争の背後でうごめく存在(ネオコンや軍産複合体)に全く無関心で「一方的にロシアが悪い」と繰り返し、結果的にグローバリズム勢力に加担しているとしか思えない人物だからだ。武田氏および河村氏にとって「グローバリズムvs反グローバリズム」という対立軸は考慮に値しないということなのだろうか。