読書は 気楽なタイムマシン~2023年6月に読んだ本から
読んだ本を忘れないため、毎月、読んだ本の中から 印象に残った本 を 記事にしている。6月は、3冊。
1 ワンダーランドに卒業はない 中島京子
「くまのプーさん」「点子ちゃんとアントン」「秘密の花園」「宝島」・・中島京子さんが、子どものころ愛読した児童文学18作品についてのエッセイ。
その本に対する思い入れだけじゃなく、本を読むことの楽しさも たくさんちりばめられている。
あ!そういえば、「クマのプーさん」は、未読だった。読まなくては。
2 空をこえて七星のかなた 加納朋子
突然パパと一緒に南の島・石垣島に行くことになった七星(「南の十字に会いに行く」)
小学4年で片目に怪我をした美星。(「星は、すばる」)
廃部の危機にさらされた3つの部に提案されたのは、集まって1つの部になること。(「箱庭に降る星は」)
星や宇宙にかかわる短編、全7話。
時代も舞台も全然違う短編集・・それにしては、同じ子・七星が、何回か出てくるなと思っていたら・・・最後の一編を読んで、「おおおおおおお!」とびっくり。
あわてて、元にもどって、読み直す。
ああ、この子はあの子で、あのエピソードはこんな意味があったのかと、発見のおもしろさよ。
7つの中では、目を怪我してしまう美星の話「星は、すばる」がお気に入り。
あっ!宇宙船事故からコールドスリープで脱出する「孤舟よ星の海を征け」も、思いがけない結末だったので、印象深かった。
(余談になるが、この本を読んでいる最中、「空をこえて~ラララ~星の」と あの有名なメロディーが 頭の中で無限ループしていた。)
3 27000冊ガーデン 大崎梢
舞台は高校の図書館。
「飾ったばかりのディスプレイが めちゃくちゃになっていた。図書館の鍵は かかっていたのに」
「連続遺失物事件。発見場所のそばには、なぜか必ず一冊の本が置かれている。」
次々とおこる 図書館や本にまつわる事件を、学校司書の星川駒子が、出入りの書店員・針谷敬斗や 生徒たちと協力して解決していく連作短編集。
「高校の図書館が舞台で、作者は大崎梢さん」ときたら、絶対 私の好みのお話だと確信して読み始めた。
「春雨づくしの料理が出てくる本」を探す「空を見上げて」と、以前の勤務校の高校生が成長し、大工になって駒子を訪ねてくるエピソードが好き。
「真夜中のパン屋さん」「雲を紡ぐ」「お探し物は図書室まで」「蜜蜂と遠雷」「三月は深き紅の淵を」「六番目の小夜子」「火車」「ぼんくら」・・と、作品名がたくさん出てくるし、何よりも、本を愛する気持ちを あちこちに感じられる作品。
続編希望!
先日、札幌の大型書店へ行った。札幌に買い物に行くのは実に3年5ヶ月ぶり。
やっと、やっと行くことが出来た(涙)
前を見ても本、右を見ても本、左を見ても本。
「本屋だ!本屋だ!」
あまりの感激と、あまりの久しぶりさで、どちらに行けばいいかわからず、最初の何分かは、無駄にうろうろしてしまった怪しいおばさんの私。
児童書のコーナーが目に入る。
「ああ、こんなにたくさん絵本が。」
「福音館だけで、ひとつの棚が作られているよ。」
「わっ!この本、欲しかったんだ。」
「やっぱり、今、この作家さんが売れすじなのね。」
と、右目と左目がちがう本を見ているのではないかと思うくらい、たくさんの本がいっぺんに私の中になだれこんできた。
残念ながら、時間と体力がなく、長く滞在することはできなかったが、本屋の空気を思い切りすって幸せいっぱいの気分で帰路についた。
また近いうちに、絶対来よう! 待っててね本屋さん。
読んでいただき ありがとうございました。