赤茶色で描き始める理由
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24・10・17
絵について
赤茶色で描き始める理由
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(※こちらの記事に関しまして、更新が遅くなり最新記事と同時の投稿となりました。大変申し訳ございません。)
ブラインドの隙間から入る反射光で日焼けしそうなヒロです(日光まぶしい)(画面見えない)
僕の師匠は油絵出身ですし、僕自身も油絵のいわゆる厚塗りといわれるようなこってりと色が乗った絵が大好きです。
僕はほぼデジタルですが、油絵などのアナログ絵の具で絵を描く時に、赤茶系の絵の具で下描きをして、その上に色をのせていくのをよく見かけます。
https://x.gd/nVRCI
理由もわからず真似をしているのですが、この描き方をした時はうまくいきやすいので、うまくいく理由を具体的にしてみようと思います。
昔から使われている技法には歴史性があって、それを知ることで応用してデジタルにも活かすことができるので、何か役立てばなと思います。
▼バリューを正確に。下地の色として。そして「乾燥」。持続可能性へ。
僕は画家をそんなに多く知っているわけではないですが、油絵画家でもRichard Schmidの絵は柔らかい雰囲気で、絵の具で絵を描く喜びを絵からとっても感じる画家です。
https://youtu.be/iQHyXQ61Vvo?si=V3xUTColPIapC0T2
この動画の中の絵でも見られますが、赤茶色系の色で下描きをしてその上に色をのせているように見えます。
デジタルであれ、この方法で絵を描くとうまくいきやすい実感がありますし、理由はシンプルにいくつか思い付きます。
例えばバリュー(明暗)の正確性。
絵において明暗を正確に捉えるのは基礎でありいつまでも重要なことです。人間の目は明度を捉える機能がベースになっていて、例えば極端な薄目をして周りを見渡すと細かい明度と色はわからなくなりますが、黒い部分だけはどれだけ薄目をしてもはっきりと黒とわかるはずです。
2階調で描かれた絵であっても写真的に見える絵があるのですが、それくらい明度、特に暗い箇所をブロッキング(Blocking in:範囲分け) することは絵にとってとても重要です。
https://www.youtube.com/live/nfhlGJTQ2gM?si=e4wiGD7WUNvGDdM2&t=596
この動画の中でも始めに暗い部分を赤茶系の色で描いてから他の色を乗せていますが、暗い部分を始めにブロッキングをすることでバリューの正確性を担保していて、バリューが合っていればある程度の色の違いがあっても視覚的に絵として成立します。
この明度コントロールがとても大きな要素ではありますが、他にも「下地の色として」というのもあって、赤茶系色は下地の色として肌や自然物の色に奥行きを与えるので複雑性を獲得でき、そして絵を見た時に「あたたかみ」を感じやすくなります。
下地の色として効果的なんだと思います。
そしてこれがおもしろいと思ったのですが、デジタルになくてアナログ絵の具にあるもの、「乾かす時間」です。
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ゴキンジョマガジン『絵について、仕事について / 長砂ヒロ』
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