オンボーディングにおけるデータ活用の壁
本内容は『【nest】データ活用 Advent Calendar 2022』12/17分の記事です。
11月の今頃、”そろそろ nest Advent Calendarの時期かなぁ”なんて呟いていたらあっという間に1ヵ月。早いっすねぇ。毎年日跨り公開になるので、今日こそは17日中に記事を書く!(という既に21時半)
本記事の読者には「nest」をご存じない方もいらっしゃると存じますので、ざっと紹介すると「ウイングアーク1st 社の製品・サービスをご利用頂いている皆様の成功を支援するユーザー主導型コミュニティ」です!
詳しくは下図のリンクから覗いてみてください。
今年のテーマは
「私たちの挫折&乗り越えストーリー」と題し、データ活用に携わっている皆様の苦労や壁の乗り越え方、壁超え挑戦中の共有が、【nest】データ活用 Advent Calendarのテーマです。
とはいえ、冒頭のTwitterの通り、現在私はBIやデータ活用主軸に携わっていません。私自身、カスタマーサクセス(以下CS)部門でオンボーディングをメインにお客様の立ち上げ支援を行ってます。本記事はCSでのデータ活用観点(ツール・サービスを提供し支援する側)で記載したいと思います。
こんな人に向けて
・ツールやサービスをお客様または社内メンバーにご支援されている方
・これから支援を行おうとされている方
・支援するにあたってデータ活用悩みポイントを知りたい方
オンボーディングにおけるデータ活用
お客様(支援先)ご利用状態の把握(①プロダクト利用 ②お客様属性)
オンボーディングメンバーの能力値と適正
本日は上記の前者について記載します。
本記事の”オンボーディング”はお客様の立ち上げ支援、ゴールは”お客様自ら運用開始出来る事”と定義します。
オンボーディングにも人手の支援(CSではハイタッチと言う)とコンテンツ(Webサイトや動画・資料)や1:Nのウェビナー等の支援(CSではテックタッチ・ロータッチ等と言う)があり、お客様によって適切な支援を選ぶ必要があります。
それには、お客様の今のご利用状態を把握しなければいけません。
1つはプロダクトをどの程度ご利用頂けているか、もう1つはお客様自身の属性や状態などの把握です。
①プロダクト利用ログ収集の難しさ
利用ツールがクラウドベースのサービスであれば、ツール内にログが蓄積されるはずです。ですが、そのログがそもそもダウンロード取得できるのか、また、取得できたとして利用状況を把握できる形式になっているかというと、往々にしてそう綺麗にはなっていません。
また、オンプレベースとなるとまた別の難しさがあります。
例えば、お客様環境にインストールされたオンプレ利用状況を知りたいとしても、セキュリティ関連で外のN/Wに繋がってない事もあり、取得できません。お客様からすると勝手にみられても困るでしょうし。(なお、クラウドの場合、約款でデータ利用について記載があるはずです)
いま私の所属部門ではクラウドのお客様のみ対象としていますが、オンプレもサブスクリプション化の流れがあり、将来上記のような課題をクリアーする必要がありそうです。(今後の検討)
そもそも、ログは大量であり、やたらめったら取得してもデータ活用に困るだけになります。
お客様のマチュリティカーブ(成熟度曲線)を定義する
お客様の利用状態を把握するには基準が必要です。”どんな機能を””どの程度利用されているのか”等、いまどのステージにいるかが解れば、適切な支援を選択できそうです。
例えば、私が支援している「invoiceAgent」では多機能な為、Web配信機能だけ切り出し下図のように定義してみました。
ヘルススコアボードで可視化する為の”当たり”付の難しさ
次に、どうやって把握していくかは「ヘルススコア」ボード等を作成し可視化していきます。例えば、プロダクトログを「Dr.Sum Cloud」で収集・成形し「MotionBoard」で可視化する等です。(上図参考)
必要ログの収集にはプロダクトチーム(他部署)との折衝も必要です。
また、必要と思われる情報(ステージを判断出来る項目)に”当たり”を付けることが結構『カベ』でした。正直まだ仮説段階です。
というのも、マチュリティカーブでステージ定義したものの、提供ツールが多機能すぎて、お客様規模や利用用途によって異なる為、”当たり”を付ける事が困難でした。
ですが、何らか数値化しない事には状態を把握できません。出来るところ、簡単に取得できそうなところから小さく始めてます。
現状、此れを見ながら運用できているかというと、そこまで出来ていない実情です。今後の課題です。
現在、CS Ops(シーエスオプス)的な新組織が作られ、更にパワーアップしてます。組織的に専任のメンバーが良いのを作ってくれました。
2年前のボードイメージは下記noteで絵を張り付けてますのでご参考まで。
②お客様属性を把握する難しさ
本記事冒頭では、オンボーディングにもハイタッチとテックタッチ・ロータッチの支援手段があると記載しました。
お客様の属性や感情状態(パーセプション)をどうやって把握するんだろう、というのは常日頃の悩みです。私の結論は「難しい」です。
すべてハイタッチ支援であればミーティングの会話を何回か重ねれば”何となく”解ってきます。ですが、お客様担当も異動等で替わるケース、CS担当が替わるケースなどもあり、そのタイミングはお客様との関係性にもよります。
テックタッチ・ロータッチ支援では更に難しいところです。例えば、ログで利用状況が解ったとして、メールで支援したとして”本当にこの情報がこのタイミングで必要なんだろうか"と思ってしまいます。
ハイタッチ支援のクロージング状態を把握する
どうやって把握していったかと言うと、ご支援クロージング時点(お客様での運用スタート)でのヒアリング情報をかき集め、カテゴライズしました。
ヒアリングも今まではメンバー個々で属人的に実施していたものを項目をテンプレート化し新しいメンバーでも実施・収集できるようにしました。
下記フォームも新しいCSメンバーにて作って戴き、MS formsとPower Automateでslack連携まで実施頂きました。
※本当は「DEJIREN」というチャットツールに連携したいところ。
カテゴライズすることで、お客様のお困り事のパターンを少しづつ見えてきます。これも地道な作業です。
またハイタッチ支援でも”本当にお客様の成功に寄与しているのか?”も日々考えてます。更に、ネックはハイタッチ支援できていないお客様の情報を把握すること、これには現状NPSおよび付随アンケートを検討しています。
勿論アンケートで全て把握できるわけではありません。あと「星野リゾート」さんでも3割の回答率まで上げる為、努力されているそうです。
少しでも定性情報を収集して適切な支援を実施できればと「カベ」を乗り越えていこうと考えてます。
纏め「出来るところからやっていこう」
「カベ」にぶつかっても、地道に出来るところ実施していくしかないと思ってます。特に数人体制で別の案件を実施していると、データ活用まで頭が回らなくなってきます。
それには一緒に進めて頂けるメンバーが必要です。我々も4月にニューメンバーが増えました!正直、だいぶ有り難いです。
去年の今頃のoutlookを見ると、1日6案件(しかも当時はMotionBoard側の支援もマルチで実施)、これが続くと結構大変で。「データ活用」の施策を考える余裕がなくなります。
ちょっとまじめな話、重い「挫折」は精神的に堪えます。私も今年は、「案件が思うように進まなく結局別メンバーに交代」や「案件支援と別スキームでコンテンツジャーニープロジェクト参画していたが脱退」等、個人的な挫折はありました。実力が無かっただけです。
そんな時は「適度に楽をして休む」に限ります。
美味しいもの食べて、マッサージ受けて、鍼受けてそして寝る。これに限りますね。
回復した後は「逃げたら一つ、進めば二つ」で!
本記事で書いていることも、「nest」メンバーでも支援側の方々がいらっしゃると思いますので、相談してみてはいかがでしょうか。
結局0時超えての公開、来年こそはちゃんと当日公開しよう!(宣言)
参考:CSオペレーション
おまけ
挫折じゃないけど、今年の情報処理試験、1週間間違えて会場に足運んだことは記憶に新しいです。テンパっているとこういうミスも起きるので、ご注意を。
個人的に「小論文がいつまでたってもクリアできない壁」なんとかしなきゃです。
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