「おもかげ」浅田次郎さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)
すばらしい、浅田さん。
主人公、竹脇正一(まざかず)は、
定年(65才)の送別会の帰り、
地下鉄で倒れて意識不明。
昭和26年生まれだから、うちのは母と
同世代。
のちのちわかるのだが、
母・峰子(15才)は、
生まれたばかりの正一を
地下鉄に置き去りにする。
孤児院育ちの正一は
節子という、両親が離婚した
女性と結婚。
春哉(4才で死亡)と茜が
生まれる。
孤児院からの魂の片割れ、トオル、
茜の婿、タケシ、
病院の隣のベッドで死んだ
榊原のかっちゃん。
かっちゃんが戦後、闇市で
生き抜いてきたときのボスが峰子。
体は動かなくても、
声がこんなに聞こえるなら、
父の最期の晩に、徹夜で
妹と付き添い、いろんな思い出話が
できたのは、よかったな、と思った。
正一が意識不明の中、
峰子は、80才の姿で、マダム・ネージュ、
60才の姿で入江静、
35才の姿で峰子として、
15才年下の息子に会いに来る。
地下鉄のクリスマス(正一が
捨てられて時の)
Holy Night ぶりはすごい圧巻。
迎えに来た春哉と別れて
正一は生き返ったのだろうか。