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「娼年(しょうねん)」石田衣良さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)
すごいねー、衣良さん。
テレビでよく拝見するけど、
こんなに女性に詳しいとは。
主人公、リョウ(20歳)が、
大学生をしながら、
ひと夏、娼夫として、
過ごすストーリー。
そこには、いつも
40代半ばの女性たちの
悲しみや性癖が
絶妙に描かれていて、
変態でも誰も文句言えない・・・
彼女たちの背負ってきた
過去や重荷。
それをそっと抱きしめて
(もしくは激しくSEXして)
なぐさめてあげれる
大きな心と、審美眼の両方を、
主人公のリョウは持っている。
母親が、若い頃、
なぞの死をとげたことで、
その年代の女性にあこがれと
悲しみを抱いている。
御堂静香(リョウの雇い主)と
いう中年女、その娘、
咲良(サクラ・口のきけない
セックス・マシーン)。
でも、真実の母娘愛は、
そこにある。
そしてアズマという
なぞの娼夫。
リョウに小指の骨を
折ってもらって、
快感におぼれる、美少年。
すごい人間模様。
衣良さん、ブラボー。