「光」三浦しをんさん(読書感想文)(*ネタばれ注意)
美浜島という
東京の離れ島を
大津波が襲い、
生き残った子供、
信之、美花、輔(たすく)。
何がすごいって、これが
書かれたのは、東北地震(2011年)
より以前の2006年。
島での最後の夜、
信之は美花を守るために
美花に襲いかかる男を殺す。
それから20年。
東京へ移って成人した信之は
南海子(みなこ)という妻と
椿(5才)という娘と暮らしているが
愛情は、美花に残したまま。
美花は女優になり、
輔は、貧しい工場労働者となっている。
輔は子供の頃から、父親に
虐待されていた。
(父親は津波で生き残る)
そして、昔から、信之にしか
自分を救えないと思っている。
が、信之も、かなり精神的に
歪んでいる。
島での、信之と美花の
殺人の過去をあばこうとした
輔は、信之に殺され、
美花は、信之を捨てる。
しをんさんにしては暗い話。
遊びの部分が全然なくて、
シビアな物語だった。