ワンルーム叙事詩
友人からおすすめされた本について書きたいなぁと。
書評とかではなく感想程度のものですが、お時間がある方は読んでいってくれたら嬉しいです。
※ネタバレ含みます。
***
『人生最後の日にガッツポーズして死ねるたったひとつの生き方』
著:ひすいこたろう
■心と魂
「心は安心、安定を求めますが、魂は違う。
魂は成長を求めています。
魂は進化を求めています。
いまこそ進化が問われている激動の時代です。」(同書, p.23)
なんとなくすごく印象に残った言葉です。
僕はあまり心が強い方ではないので、油断するとつい楽な方へ向かってしまうんです。
でも、逃げてしまった時は必ず何かがひっかかる。
最近は就活も始まって、将来を考えるようになってよりそれを感じるようになりました。
僕は凡人で、安定も魅力的だけど、それで本当にいいのかなと。
なんとなくだけど、成長という言葉に惹かれるのです。
心と魂は別物。
心とは違うどこかに魂は存在しているのかもしれない…
■何のために生きるのか|吉田松陰
「君は、何のために学ぶのか?」(同書, p.37)
吉田松陰は、門下生達に常に問うていたそうです。
何のために。
日々を無駄使いしないためにも、盲目にならないためにも大事なことだなぁと感じました。
■ココロザシ|高杉晋作
「おもしろき こともなき世を おもしろく
(すみなすものは 心なりけり)」(同書, p.134)
高杉晋作がこの世を去る時に詠んだ句だそうです。
僕は、この本の著者である、ひすい氏の訳がすごい好きです。
「僕はおもしろく生ききったぜ。君はどうだい?」(同書, p.135)
■心は自分次第|野村望東尼
両親のすすめで結婚→自分の使用人と旦那が浮気→離婚→結婚→出産
→生まれた子が翌日に死亡→出産→生まれた子が翌日に死亡
→子どもの頃から憧れていた和歌の道へ
→二ヶ月後、当時は不治の病だった結核に→生涯、結核と付き合うことに
→出産→すぐに赤子が死亡→出産→生まれた子が翌日に死亡
→最愛の夫が死神に奪われる
(同書, pp.141~148)
壮絶すぎて絶句しました。
えぐいですよね…
そんな人がこう言ってます。
「どんなことが起きたって、心は私次第なんだ。」(同書, p.149)
そして、絶望に屈しなかった望東尼は、本名○○の谷梅之助の覚悟を芽生えさせるきっかけに後になったそう。
(○○としたのは、皆さんが本を読む時に感動が大きいかなと思ったので。
僕はここらへんでめちゃ感動しました笑)
心は自分次第。
絶望を経験した人だからこそ、説得力がすごい…
■フレームの一歩外へ|ジョン万次郎
僕は高校の時に日本史を選択してなかったので、ジョン万次郎は名前を聞いたことがあるけど…誰か分からん状態でした。
でも、この本を読んで、えっ、ジョンマンめちゃくちゃ重要人物じゃんってなりました。
革命が起きる際には、3つの「者」が必要になるんです。
それが、若者、馬鹿者、よそ者です。
んで、ジョン万次郎はなんと、当時唯一の"よそ者"だったんです。
彼がいなければ日本は植民地になっていたかも。
感謝ですね、ほんとに。
そして、ひすい氏は、
「フレームの外に、勇気を持って一歩踏み出すのです。(中略)
いつもと違う場所で、いつもと違う未来の兆しと出会えます。」
(同書, p.202)
と日常に革命を起こすためのアドバイスをしてくれています。
僕も、一歩踏み出す勇気くらいは常に持っておきたいなと思いました。
■大芝居|坂本龍馬
命がけの活動を記した坂本龍馬の手紙にこう書いてあったそうです。
「大芝居」
…
…どういうこと笑
僕は当初さっぱり分からなかったのですが、ひすい氏が解説してくれていました。
ココロザシ×トキメキ=リョーマ。
「心は『子どものトキメキ』で、頭は『大人のココロザシ(叡智)』で
現実という夢幻の舞台で大芝居を演じるのです」(同書, p.267)
なんだかこれまで紹介してきた4人の想いの集大成のような感じがします。
「人生はバトンタッチリレー」(同書, p.268)
この言葉の通り、吉田松陰から始まった「日本の夜明けを目指す」という
ココロザシが坂本龍馬に受け継がれている、そう感じさせられました。
■最後に|日本の夜明け
「この本は、何も歴史を知ってもらうための本ではありません」
本の帯にこう書いてあったのですが、日本史を高校の時に選択しなかった僕でも思わず没頭してしまうような本でした。
幕末が一気に好きになりました。笑
坂本龍馬、かっこいい…
そして勝手ながら、ひすい氏と吉田松陰に親近感を覚えていました。
というのも、ひすい氏が僕の好きなamazarashiの「ワンルーム叙事詩」を聞きながら吉田松陰の章を読んでほしい、と書いていたからです。
なんでだろうと思って解説を読んだら、「確かに!うわ、すごいな」と思うほど「ワンルーム叙事詩」の歌詞と吉田松陰の想いが重なっていたんです。
『ワンルーム叙事詩』
雨にも負けて 風にも負けて 雪にも夏の暑さにも負けて
それでも人生って奴には 負けるわけにはいかない
一人立ち尽くす そこはまるで焼け野原
吉田松陰も一人立ち尽くして処刑されました。
でも、彼の想いは人生に負けなかった。
高杉晋作や坂本龍馬に受け継がれていったんです。
そして、タイトルも重なります。
吉田松陰が口火となった日本の夜明けは、牢獄という名のワンルームから始まったからです。
この解説をあとがきで見た時は、
僕も八畳一間のワンルームから何か成し遂げられる人になれる!
…かもしれない
って思いました笑
長くなりましたが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
最後に、ひすい氏がエピローグで披露していた人生観がとてもステキだったので、それを皆さんに紹介して終わりにしたいなと思います。
「いまこそ、
本当にあなたが大切にしたいものに、
清々しく大和魂をかけて生きるときです。
僕らは、100年の休暇をとって、
この星に遊びにきたんだから。
人生最後の日、ガッツポーズして
『やりきった!』といって、
この星とお別れしよう」(同書, p.277)
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