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カルシウムは脳にも必要!

はじめに

 皆さまは、日々、牛乳を飲んでいますか。カルシウムが骨や歯以外にも必要なのをご存じでしょうか。なぜ必要なのかは追って説明します。自分は、カルシウムの役割についてほとんど無知でした。

カルシウム

 カルシウムは、骨や歯を強くする、血液凝固、神経伝達に関係すると言われています[1]。日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、国民栄養調査の摂取量、腸管からの吸収率、骨代謝(骨吸収と骨形成のバランス)、尿中排泄を考慮し、1日の推奨量を18~29歳男性で800㎎、30~74歳男性で750㎎、75歳以上の男性で700㎎、18~74歳女性で650㎎、75歳以上の女性で600㎎必要とされています。男性と女性で量に違いがあるのは、身長と体重、骨の重量による違いでしょうか。
 歯がカルシウムでできているのはよく知られていますが、血液凝固にカルシウムが関与しているのは意外かもしれません。血液が凝固するのは、血管が傷ついたときに血小板がその部分をふさいで修復しようとするためです。次に、「フィブリン」という物質が血小板と絡み合って血液を固めます。この過程を「凝固系」と呼びます。カルシウムイオンがないとこのファブリンが作られません。
 神経伝達の何に使われているのでしょうか。カルシウムオンが電荷として何かを伝えているのかも。想像はますます膨らみます。

カルシウムの吸収

 カルシウムは胃酸で消化してカルシウムイオンになり腸で吸収されます。
成人の体には1kgのカルシウムが存在します。骨と歯にその99%があるそうです。カルシウム摂取量が多くても排出されますが、少ない場合は骨から溶出されます。でも、体内に1kgしかないとは軽すぎませんか。
 カルシウムは牛乳からとるのがいいようです。コップ一杯の牛乳、学校給食では毎日飲みましたが、今はほとんど飲んでいません。
それから、カルシウムは
・豆腐
・ピーナッツ
・まいたけ
・キウイ
・サツマイモ
等の食物と一緒に、すなわちマグネシウム、ビタミンD、ビタミンCと一緒に食べることで吸収率を上げることができます[3]。

カルシウムの不思議な力

 カルシウムは、脳で神経伝達物質を放出するのを助け、シナプスの可塑性(神経接続の変化しやすさ)を保ち、神経細胞が死ぬきっかけになります。また、脳内のグリア細胞(損傷した脳細胞の除去やシナプスの点検を行う細胞)の働きを調整するためにも必要です。さらに、カルシウムイオンは細胞内の信号伝達(セカンドメッセンジャー)にも使われており、小胞体とミトコンドリアがカルシウムを貯蔵する場所となっています[4,5]。

 カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムが溶け出し、それが脳の海馬(記憶を司る部分)にたまります。カルシウムが海馬の細胞に多くたまると、一時的に記憶障害が起こり、さらに増えると海馬の細胞が死んでしまい、認知症などの原因になります[6]。

 痴呆症にならないためにも、カルシウムは人々にとって欠かせない存在です。カルシウムを骨から溶出させないためにも、必要なカルシムを食物からとりたいと思います。

参考資料

[1]1日に必要なカルシウム量について 医療都市まつど|松戸市 (city.matsudo.chiba.jp)

[2]カルシウムはどのように体に吸収され、どうやって体から出ていくのですか。/千葉県 (chiba.lg.jp)

[3]管理栄養士が教えるカルシウムの必要量と吸収率 ~意外と知らない食べ物の「へぇ~」~ – 医療法人社団倫生会 みどり病院 | 神戸市西区 (midori-hp.or.jp)

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E7%B4%B0%E8%83%9E%E5%86%85%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2

[4]https://bsd.neuroinf.jp/wiki/カルシウム
[5]細胞内カルシウムストア - 脳科学辞典 (neuroinf.jp)

[6]アルツハイマー型痴呆とカルシウム、マグネシウムの関係 | 渋谷セントラルクリニック アンチエイジング・個別化医療 (doctors-gym.com)

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