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市場価値を問うてみる

 広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院,代表の佐藤です.

 8月28日,0:00よりクラウドファンディングが公開されました.今回は今年の3月まで6年間教員としてのキャリアを歩んでいた私が,なぜ広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院を始めようと思ったのかを書きてみようと思います.

一昨年度の末くらいから漠然とモヤモヤしていた

「自分がやりたいと思うことが本当にできているのだろうか?」

 50歳を過ぎた大人が,もしかして思うことではないのかもしれません.勤務校で任される内容も,かなり責任を持ってやらなければならないことでしたし,実際にやりがいも感じていました.中高一貫クラスの担任でもあり,そのクラスの生徒たちは,翌年度受験生なので,生徒たちにとっても重要なことは十分わかっていました.ですから,1年間は本気で突っ走ろうと思っていました.実際,昨年度は本気で生徒たちには向き合っていた自負もあります.

 しかし,その生徒たちが卒業した後のことを考えると,このままだと自分がやりたいと思うことから確実に離れていきそうな気持ちになっていました.

 「教員という仕事はとてもやりがいがあり,誇れる仕事であることは間違いない.だから教員そのものを否定したいとは,全く思わないし,教員として尊敬できる方はたくさんいる.だからこそ,自分がやりたいことをもう一度真剣に考えよう」と思い,2019年度をスタートさせました.

ある一言が,一歩を踏み出すきっかけとなった...

 7月に行われた教育系のイベントに参加するために,東京に出かけました.教育系の出版社に勤務する友人が主催者として関わるイベントでしたので,とても楽しみしにしていました.AIを活用したアプリの開発者の思いなども聞けて,とても有意義な時間でした.

 イベント終了後,その友人に誘われ打ち上げに参加しました.打ち上げで話していた内容は正直今はほぼ覚えていませんが,参加されていた一人の方に言われた言葉が衝撃的でした.

「佐藤先生は,自分の市場価値をもっと理解すべきです.あなたは自分が感じている以上に価値が高い人であることを自覚した方がいい.」

 いくつもの会社を起業し,他の方の起業のお手伝いもされているその方は,恐らく私にその言葉を言ったことすら覚えていないかもしれません.もしかしたら,これまで出会う様々な方に同じようなことを仰っているかもしれません.しかし,これまで感謝をされたり,喜ばれることはあったものの,自分自身のことを“市場価値”という言葉で表現されたことのなかった私には,とても刺激的で,驚きでした.

自分は何者であるかを問う機会

 8月になり,あるワークショップに参加しました.経済産業省実証事業「未来の教室」の参加企画一つであるHeroMakersです.

 ワークショップでは,自分が課題を感じていることを,自分の喜怒哀楽の感情を一つひとつ深掘りしながら,英語でアウトプットしていきました.流暢に英語を話すというところから程遠い私にとって,かなり高いハードルではありましたが,「自分は一体何者なのか?」がはっきりと見えてきた大きな機会であったことは間違いありません.

私が今最もしたいこと,それは

「生徒と社会をつなぐコミュニティーを作ること」

ということでした.

自分の原体験は温泉芸者

 私の母親は,福島市にある飯坂温泉の芸者さんたちに長唄を教えていました.母親の師匠が東京の方だったので,師匠のお稽古の助手的なことをし,また師匠が来られないときは代わりにお稽古をつけていました.

 幼稚園〜小学校低学年まで,稽古場まで何度も連れて行かれました.しかしお稽古をつけている間,母は私と弟の面倒は当然見られません.そんなときに私たちの相手をしてくれていたのは,芸者さんたちでした.洋服を買いに連れ出してくれることがあり,飯坂温泉に来た時と帰りの時で服装が違っていたということが度々あったそうです.また,芸者さんたちの職場の一つ,“スナック”にも連れて行かれました.階段を降りて入る地下の店の薄暗い雰囲気は今でも鮮明に思い出されます.

 幼い頃からたくさんの大人の中で育てられた私は,同じ年頃の子供とは比べ物にならない経験をしていたと思います.「大人と繋がり社会を感じる」という原体験がまさにここにあり,私の一つのアイデンティティーが育てられた環境と実感しています.

新たな仲間と歩み出す

 8月に参加した“HeroMakers”では,高校生2人と大学生1人のプロジェクトを一緒に進めてくれる新しい仲間と出会いました.チーム名は“KAKINE BREAKER”.

高校生と社会の間にある様々な垣根を壊し,新しいコミュニティーを作る!

という想いのもと,プロジェクトを進めていきました.

 これまで高校生との付き合いは,勤務している学校の生徒以外とは全くなく,とても新鮮で刺激的なものでした.高校生から“佐藤さん”と呼ばれるのも,新鮮で何故だか少し恥ずかしさと嬉しさを感じていました.

 また,これまでの高校生との関わりは,“生徒と先生”の関係が強過ぎて,どうしても“教える”という感覚に支配されていましたが,今回のプロジェクトでは全く“対等”無関係で,思ったことをガンガン言い合えるのが,とても心地よく感じました.

 そして,プロジェクトが進むに連れて,自分自身の本当の気持ちに向き合う決心が固まりました.

「私が今作りたいコミュニティーを発信して,自分自身の“市場価値”を問いたい!」

担任をしているクラスの生徒たちが卒業するときに,私も新たな一歩を踏み出そう!と決意しました.

様々な出会いが自分が何者かを問うきっかけになる

 一緒にプロジェクトを進めてくれた(今も一緒に進めてくれている)大学生は,私の取り組みをいつも本気で理解しようとしてくれて,ときには本気でダメ出しをしてくれます.私にはない視点を示し,私の思考の幅を広げてくれます.

 一緒のプロジェクトを進めてくれた高校生は,さらに自分がしたいことを見つけ,新しいコミュニティを作りました.今も精力的に活動していて,お互いに刺激を与え合っています.

 “HeroMakers”の主催者・白川寧々氏が私に言ってくれた言葉は,いつも自分の背中を押してくれると同時に戒めも示してくれました.

「あなたには人を巻き込んで楽しいことをしてくれそうと思わせる何かがある.今一番足りないのは,それを誰もが納得する言葉で語るメソッド.だからあなたはそれを身につければいい」

 “KAKINE BREAKER”として,発表する機会が何度かありました.発表聞いてくれていたある方が,とても興味を示してくれました.その方は,通信制高校のサポート校を運営していて,

「もしかしたら力になれるかもしれないので,今度お話ししませんか?」

と私にメッセージを送ってくれました.

 年末も年末,12月23日に新宿でお会いし,いろいろ話しをしたところ,

「佐藤さんこそ絶対に通信制高校サポート校をするべき人だ」

と,すぐにその場で通信制高校の広報を担当している方を紹介してくれました.

 翌々日の12月25日,ZOOMで紹介された広報の方とお話をし,通信制高校サポート校として,「高校生と社会の間にある様々な垣根を壊し,高校生と社会をつなぐ新しい学びの場を構築する」プロジェクトを実装することになりました.

 いくら自分が思っていても,実社会が私の想いに共感してくれるかはわかりません.自分自身の思いを様々な人に話していく中で,経済ニュースメディア・NewsPicksのコミュニティー・チームの阿部由佳さんという方が,

「もしよかったら,うちのスタジオで実証実験的なことしてみませんか?協力しますよ!」

と声をかけてくれました.

 昨年の12月1日,「究極のオフライン“才能と才能の物々交換”」というイベントをNewsPicks本社スタジオで開催することができました.

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 参加してくれた15名の高校生はもちろん,高校生の話に耳を傾けるために参加してくれた10名の社会人の方々も非常に満足してくれました.

そして,社会人こそ、「高校生を支援する学びの場」を欲していると実感しました。

市場価値を問うてみるということ

 今回クラウドファンディングという形で,私の市場価値を問うことになりました.こういう文章は,成功した後に書いた方がもしかしたらいいのかもしれません.失敗したとき,もしかしたらとても恥ずかしい気持ちになるかもしれませんしね.

 しかし,私が出会う高校生の中には,失敗するのを恐れて一歩を踏み出せないでいる人もたくさんいます.だからこそそういう思いを普段から感じてしまっている高校生に,

「恥ずかしげもなくこんなことをしている大人もいるよ」

という思いが届いてくれたらいいなとも思っています.

「社会としっかりつながっていれば,世の中は思っている以上に自分のことを支えてくれる.だからときには思い切って最初の一歩を踏み出して欲しい!」

 CAP高等学院は,自分の思いをなかなか伝えられていない高校生のお手伝いができればと考えています.個別相談会を随時開催していますので,自分の思いを話したいと思った方は,

info@caphighschool.com

まで,お問い合わせくださいね!

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