どちらにしても覚悟を決めて一歩を踏み出す〜共通テスト1ヶ月前に思うこと
一般社団法人CAP高等学院の代表理事をしています佐藤裕幸です。CAP高等学院は広域性通信制高校である鹿島山北高等学校と提携しているサポート校で、高校卒業に必要な単位を所属する生徒さんに最適な形で取得をしてもらうためにサポートをする一方、時間割がないオンライン上の学校にすることで、生徒さんの情熱と才能を解き放ち、自分の在り方を考えてもらっています。
そのCAP高等学院を運営しながら、他には増進堂・受験研究社の客員研究員として問題集の作問や編集などをしたり、青山学院大学地球社会共生学部の松永エリックゼミで、アドバイザーをしたりもしています。昨年は4月に刊行された『生徒一人ひとりのSDGs社会論』や10月に刊行された『学びとビーイング〜学校内の場づくり、外とつながる場づくり』に寄稿しました。また、今年度から東京にある上野学園中学・高等学校や岡山にある岡山理科大学附属高等学校など複数の中学・高校で「自分丸わかりチャレンジ」という講座をすることになりました。
そして、11月18日からは広島県福山市にある英数学館で久々の現場復帰もすることとなりました。
そろそろ最後の模擬試験も終わり、あとはいかにして追い込み切れるかという時期に来ました。
普段は、偏差値や得点で評価することに関してあまり肯定的ではありませんが、一般型選抜で志望校合格を目指す人にとっては、1点でも多く取るためにどうしたら良いかで悪戦苦闘しているところでしょうから、1ヶ月後に実施される共通テストのことを踏まえて、僕が思うことを書いていきます。
あと1ヶ月後に迫った共通テストへ向けて今はどんな心境ですか?
この時期になると、友人や知人の成績が気になり、自分の勉強法への不安を抱える生徒も少なくありません。「このやり方で本当に大丈夫なのだろうか」と悩む声をよく耳にします。しかし、ここで立ち止まって悩むことは、むしろ逆効果になりかねません。
2つの選択肢の提示
この時期まで来ると、個人的には以下の2つの選択肢で決断する必要があると思っています。
1つ目は、「これまでのやり方は間違っていない」と信じ切る決断です。悩むことと考えることは本質的に異なります。悩みは行動を止めてしまいますが、考えることは前に進むためのステップとなります。この時期まで来たのであれば、自分を信じ切って突き進むという覚悟も一つの選択です。
2つ目は、「今までの方法では限界がある」と判断し、残り1か月で学習方法を大きく変える決断です。一見すればリスクが高いように思えるかもしれません。しかし、これまでの方法に成果が見られないのであれば、そのまま継続することにも同様もしくはそれ以上のリスクが伴います。信頼できる人に相談し、より効果的な方法に切り替えるという選択肢も十分にありえます。
大胆に学習方法を切り替える例
例えば、英単語学習の見直しを考えてみましょう。「あと1か月で3000語」という目標があったとして、1日あたり100個ずつ覚える必要があると考えます。1語を10回ずつ書いて覚えるとなれば、毎日1000個もの単語を書くことになります。これは現実的とは言えません。むしろ共通テストでは単語の意味が分かれば良いと割り切り、毎日800語を声に出しながら1回ずつそら書きをし、運動神経を活発にしながら、意味を確認します。これを1週間繰り返し、最後は音声で確認するという方法に切り替えることで、より効率的な学習が可能になります。
過去問演習についても同様です。同じ問題が出題されることはないのですから、これまでの模擬試験の復習に重点を置き、理解できていなかった単元を徹底的に深掘りします。過去問は時間配分の確認程度に留め、傾向分析などは問題集やAIツールを活用します。これにより、限られた時間を本質的な学習に充てることができます。
ちなみに…
生成AIのひとつであるPerplexityに共通テストの数学1・Aについて「日本の大学共通テストの過去の出題から数学1・Aの傾向を分析することはできますか?」と質問してみました。以下が質問に対する回答です。
日本の大学入学共通テストの数学I・Aの出題傾向を過去の問題から分析することは可能です。以下に主な傾向をまとめます。
全体的な構成
大問は5題構成で、第1問と第2問が必答問題、第3問〜第5問から2題を選択する形式が続いています。
試験時間は70分、満点は100点です。
出題分野第1問:数と式、図形と計量
第2問:2次関数、データの分析
第3問:場合の数と確率
第4問:整数の性質
第5問:図形の性質
ただし、2025年度からは「整数の性質」が出題されなくなる予定です。
特徴的な傾向
実社会の文脈を用いた問題
共通テストでは、日常生活や社会の事象を題材にした問題が多く出題されています。長文問題の増加
センター試験と比較して、問題文の量が増加しています。思考力を問う問題
単なる計算力だけでなく、与えられた情報から必要な部分を抽出し、適切な解法を考える力が求められています。丁寧な誘導
難度の高い問題でも、段階的な誘導がついていることが多いです。融合問題の出題
複数の分野の知識を組み合わせて解く問題が増えています。
難易度の変動
過去数年の平均点を見ると、年によって難易度に変動がありますが、最近は安定傾向にあります。
|年度|2023|2022|2021|2020|2019|
|--|--|--|--|--|
|平均点|55.65|37.96|57.68|51.88|59.7|
対策のポイント
基本的な知識と計算力の習得
長文問題に慣れるため、過去問演習を重視
実社会の文脈を数学的に解釈する練習
時間配分の管理能力の向上
複数の分野を横断する思考力の養成
共通テストの数学I・Aは、基礎的な知識を実践的に応用する力を問う傾向が強いため、単なる暗記や機械的な計算練習だけでなく、幅広い視点から数学を捉える学習が重要です。
さらに、「上記の傾向からあと1ヶ月でできる対策を各分野ごとに教えてくれますか?」と質問してみると、数学1・Aだけでなく、2・Bまで潰瘍してくれました。
共通テスト数学の各分野における1ヶ月での効果的な対策を以下にまとめます。
数学I・A
数と式
多項式の展開・因数分解の公式を再確認し、素早く計算できるよう練習する[1]
無理数の計算や評価に関する問題を重点的に演習する[5]
絶対値を含む方程式・不等式の解法を復習する[5]
図形と計量
三角比の基本的な性質と公式を再確認する[1]
様々な図形の面積・体積を求める問題を演習する[5]
2次関数
グラフの特徴(頂点、軸、平行移動など)を素早く把握する練習をする[5]
最大値・最小値問題を重点的に演習する[5]
データの分析
平均値、分散、標準偏差、相関係数などの基本的な統計量の計算方法を確実にする[5]
データの傾向を読み取る練習をする[5]
場合の数と確率
基本的な数え上げの原則(順列・組合せ)を再確認する[5]
確率の基本法則(加法定理・乗法定理)を使いこなせるよう練習する[5]
図形の性質
三角形の重要な性質(内心・外心・重心など)を復習する[5]
円に関する性質(接線・弦・方べきの定理など)を確認する[5]
数学II・B
三角関数
基本的な公式(加法定理、2倍角・半角の公式など)を確実に使えるようにする[7]
グラフの特徴を素早く把握する練習をする[7]
指数関数・対数関数
グラフの特徴を理解し、方程式・不等式への応用を練習する[7]
指数法則・対数法則を確実に使えるようにする[7]
微分法・積分法
導関数の公式を再確認し、素早く微分できるよう練習する[7]
極大値・極小値、増減表の作成を重点的に演習する[7]
面積・体積を求める問題を演習する[7]
数列
等差数列・等比数列の公式を確実に使えるようにする[7]
Σ記号を用いた計算に慣れる[7]
漸化式の解法を復習する[7]
ベクトル
基本的な演算(和・差・内積)を素早く行えるよう練習する[7]
図形問題へのベクトルの応用を演習する[7]
全体的な対策
基本的な公式や定義を再確認し、素早く適用できるよう練習する[9]
過去問や予想問題を時間を計って解き、本番の時間配分に慣れる[6][9]
解けなかった問題や苦手な分野を重点的に復習する[10]
実社会の文脈を用いた問題に慣れるため、様々な応用問題を解く[1]
複数の分野を横断する融合問題にも取り組む[1]
これらの対策を通じて、基礎力を固めつつ共通テスト特有の問題形式に慣れることで、高得点を目指しましょう。
みなさんどうですか?結構しっかりと分析してくれていると思いませんか?
この傾向と対策が正しいかどうかはわかりませんが、これらを信じるか信じないかも結局、受験生次第です。決断する覚悟を持てるか持てないか?決断したら、その決断を信じて、試験当日までやり切ることが重要なことは間違いありません。
重要なことは…
重要なのは、どちらの選択をするにせよ、その決断に迷いがないことです。これまでの方法を継続すると決めたのなら、他の方法を考えることは時間の無駄になります。新しい方法に切り替えると決めたのなら、過去の方法を引きずることは進歩の妨げとなります。
この時期に求められるのは、覚悟を決めて一歩を踏み出す勇気です。悩んで立ち止まることは、残された貴重な時間を無駄にするだけです。どちらの道を選ぶにせよ、自分の決断を信じ切って前に進んでいただきたいと思います。
受験生一人ひとりが、自分の選んだ道を信じ、最後まで全力で駆け抜け、望み通りの結果が出ることを心から願っています。