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生成AIが作り出して文章から地方の魅力化問題について考える

 一般社団法人CAP高等学院の代表理事をしています佐藤裕幸です。CAP高等学院は広域性通信制高校である鹿島山北高等学校と提携しているサポート校で、高校卒業に必要な単位を所属する生徒さんに最適な形で取得をしてもらうためにサポートをする一方、時間割がないオンライン上の学校にすることで、生徒さんの情熱と才能を解き放ち、自分の在り方を考えてもらっています。
 また、一方では川俣町移住・定住相談支援センターで川俣町への移住に関心がある人たちに移住サポーターとして様々なフォローをしたり、川俣町の魅力を発信することで、川俣町に関心を持ってもらうための活動をしています。

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 今回は、今何かと話題の生成AIに【福島県伊達郡川俣町の移住者の増やし方】というタイトルでブログ記事を作成してもらった際に出力された文章から、本当の意味で町の魅力を発信するために何が必要かということについて書いてみたいと思います。


生成AIに書いてもらった記事の内容

 生成AI(Bard)に書いてもらった記事の内容は以下のようなものになります。
「先輩移住者の方々に話を聞くと、川俣町の魅力は想像以上でした。

  • 圧倒的な自然美: 四季折々の風景、澄んだ川、星空…都会では味わえない美しさに囲まれて暮らすことができます。

  • 温かくて活気のあるコミュニティ: 地元の人たちとの交流は、移住生活を豊かに彩ってくれます。伝統行事やボランティア活動など、参加したいと思う活動がたくさんあります。

  • 子育てに最適な環境: 自然の中で伸び伸びと遊ぶことができ、教育熱心な地域としても知られています。

でも、もちろん課題もありました。

  • 仕事を探す難しさ: 特に若い世代にとっては、雇用選択肢が限られているという側面も否めません。

  • 医療機関や娯楽施設の少なさ: 都会の利便性とは少し異なり、生活面での工夫が必要になります。」

 さて、どのような感想をお持ちになりましたか?これらは、別に川俣町でなくともありそうな話ですよね。だからと言って、生成AIが全く使い物にならないということを言いたいわけではありません。

どれも全て当てはまっているという恐ろしさ

 僕が問題に感じたのは、ここに挙げられている川俣町の魅力も課題も全て当てはまっているということです。つまり、

「川俣町の魅力も課題も、一般の方々からは全く特徴が見えないものなのではないか?」

ということです。
 すでにご存知のように、生成AIは、Web上にある情報から、条件に応じた内容を検索して表示するだけではなく、様々な情報を組み合わせて、新しい文章を生成することができます。
 もちろん、僕が設定するプロンプトでアウトプットの質が変わることは十分に理解していますが、それにしても、魅力や課題として提示されたものは、同様の問題を抱えている他の自治体でも当てはまりそうなものばかりです。

『シン・ニホン」でも取り上げられていた同様の課題

 僕が公式アンバサダーをしている『シン・ニホン』(安宅和人著;NewsPicksパブリッシング)でも、安宅さんは次のように書かれています。

森林の隠れた課題  
問題などないかのように見える森林にも課題が多い。写真(省略)は美しい奥会津の一風景だが、よく見ると杉とヒノキばかりの森になっている。戦後の復興期から高度成長期にかけて、天然の森の木をひたすら倒して使い、その後、これらの真っすぐ、かつ景気よく伸びる樹種ばかりを植えた結果、日本中至るところで同様の現象が起きている。

安宅和人著;『シン・ニホン』より
よく見ると確かに杉や檜が目立っている

 誰もが美しいと思っている景色でも、実は同様の景色は日本のあらゆるところに存在します。また、日本の様々な地域を紹介する番組などで、「この町の魅力は?」と地元の方にインタビューした時の回答も「空気が良い」「自然豊かで景色がいい」「地元の人たちの人柄が最高!」など、テンプレートと思われるようなものばかりが流れてきます。
 すなわち、よほど尖った特徴がない限り、本当の意味でまちの魅力を語るのは難しいということです。

将来推計人口から見る「本気で考えなくてはいけない町の存続」

 国立社会保障・人口問題研究所から発表された令和5年5年12月1日現在の『日本の地域別将来推計人口』によりますと、現在僕がお手伝いしている伊達郡川俣町の人口は、12,170人(2020年)→5,072人(2050年)と推計されています。58%以上減少します。もう少し細かく見ると、0〜4歳人口が47人、0〜34歳までの人口を集めてようやく全人口の10%、0〜74歳までの人口が全て2020年の半分以下となります。2020年よりも2050年が多い人口階級は90歳以上です。
 町を持続可能な状況にするためには、相当な覚悟を持って町全体で取り組む必要がありますし、「まだ大丈夫」と思っていたら、25年なんてあっという間に過ぎていきます。

僕たちができること

 とは言え、この推計人口に関して、他の地域でも同様の問題を抱えていることは間違いありません。したがって、他の町がしているような事例を真似したところで、所詮パイの食い合いでしかなく、根本的な解決にはなりません。そして急激な人口減少・超少子高齢化については今日明日で解決できる問題ではないことも明らかです。
 となれば、僕たちに何ができるのか?僕は教育に携わる人間ですので、教育という観点から、少し考えてみたいと思います。

自分の居場所という観点で考えてみる

 昨年12月17日にニッポン放送で「中森明菜オールタイムリクエスト」という番組が放送されました。僕は、中森明菜さんが大好きで、放送がとても楽しみでした。実際放送を聴くと、夢中になっていた頃の記憶が蘇り、懐かしい気持ちになりました。
 居場所という言葉とは少し合わないかもしれませんが、中森明菜さんの存在は、僕にとってある種の“居場所”なのかもしれないと思いました。一時的に離れたとしても、あるきっかけで戻っていけるような感覚。

飯坂温泉を居場所と感じた個人的経験

 僕の母親は長唄を教えていました。そのキャリアのひとつに福島市の飯坂温泉の芸者さんたちにお稽古をつけていました。当時は180人くらい芸者さんがいたそうです。今でもその時のことを懐かしそうに語ってくれます。
 僕がまだ3歳くらいだった頃、毎週のように飯坂温泉に連れられていきました。母がお稽古をつけている最中、僕はいろんな芸者さんにいろんなところに連れて行ってもらいました。時に夜までお稽古をつけていたこともあり、その時は、芸者さんがママをしていたスナックにまで連れていかれ、おじさんたちが楽しそうにお酒を飲んでいたことが、今でも記憶に残っています。
 これが中学くらいまで続いていたので、僕にとって飯坂温泉は大切な“居場所”のひとつでした。
 そして、福島に戻ってきてからは、よく飯坂温泉の旅館を利用し、飯坂温泉をブラブラするのが楽しみの一つになっています。

移住という選択肢の中に“Uターン”の発想を入れ込む

 自分の経験からしか言えないことかもしれませんが、もし、幼いときに自分が住んでいた町の人たちからとても良くしてもらい、「あの人にとてもよくしてもらった」という感覚がどこかにあったとしたら、仮に一度自分が生まれ育った町から出たとしても、あるきっかけでまたその町に戻ってくるのではないか?そんなことをふと考えてみました。
 2021年以降、「地域ブランド調査」を実施しているブランド総合研究所毎年発表されている「関係人口の意識調査2023」によると、福島県は全国第4位の関係人口があり、しかも第1回目では全国第1位にもなっています。しかも、応援人口は全国第3位でもあり、かなり福島県に注目してもらっていることは明らかです。
 ところが、この応援人口の中で、「将来住みたいか?」という質問に対し、何らかの移住意欲を示している方々は決して多いとは言えず、ランキング上位には入っていないという現状があります。
 つまり、東日本大震災以降、福島県のことを応援したいという気持ちはとても大きいですが、実際に住んでみたいと思ってもらえる“何か”を提供できていない、インセンティブを感じさせられていないということになります。改めて、「福島県の魅力とは?」「川俣町の魅力とは?」と考えさせられます。全国の平均を見ると、応援人口のうち、約20%が何らかの移住意欲を見せているので、せめて全国平均には近づけられる施策は欲しいところです。
 そして、その魅力として強く打ち出せたらいいのに!と思うのが、まさに“居場所づくり”なのです。

これから僕が創造していきたい“居場所づくり”

 通信制高校サポート校・CAP高等学院も、川俣町移住・定住相談支援もどちらにも共通しているのは、“居場所づくり”だと思っています。ただ、僕が「⚪︎⚪︎な場所を創ります!」と宣言しようということではなく、CAP高等学院や川俣町に関わってくれる様々な方を紹介して、その人たちこそがいろんな人たちの“居場所”になってくれればいいと思っています。居心地の良さは人それぞれあっていい、居心地の良さを選ぶのも人それぞれ、だからこそその居場所を構成する人たちのいろんな面から、「この人がいる場所なら!」と思ってもらえれば、居場所としての認知が広がると思っています。

※もしもっと具体的な話を読んでみたいと思ってもらえたのであれば、ぜひいいね!コメント!拡散!をしてみてください!もっと詳しく、もっといろんな話を私自身も書きたくなるはずです。 

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