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積極的に議論することだけを望む違和感

 広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院,代表の佐藤です.

 8月28日,0:00よりクラウドファンディングが公開されました.今回は今年の3月まで6年間,教員としてのキャリアを歩んでいた私が,なぜ広域性通信制高校サポート校・CAP高等学院を始めようと思ったのかを書いてみようと思います.

公開中のクラウドファンディングはこちら↓
https://camp-fire.jp/projects/view/310836

オンラインワークショップで見えたもの

 8月25日(火)に高校生向けのオンラインワークショップを開催しました.
タイトルは「NewsPicks金融ジャーナリストと学ぶ『ニュースの読み方』」です.

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 経済ニュースメディアNewsPicksの金融ジャーナリストOh Tesun(呉太淳)さんをお招きしました.そして,NewsPicksオリジナル記事https://newspicks.com/news/4942706/body/?ref=search
を解説してもらった後,「大戸屋 VS コロワイド あなたが株主ならどちらを支持する?」というテーマで高校生たちには途中グループディスカッションしてもらい,様々な意見を共有するという形で進めました.

 途中のグループディスカッションでは,ワークショップで初めて出会う高校生も多いので,うまく議論が機能するかが心配でしたが,各グループを覗きにいくと,心配も杞憂に終わり,それぞれ楽しそうにディスカッションをしていました.

 しかしそれは,ディスカッションが盛り上がっていたからというのとはちょっと違います.本当の意味での多様性を受け入れる体勢を作りながら,話していたことにあります.

ずっとマイクがミュートの高校生

 あるグループのディスカッションを覗きに行ったとき,ずっとビデオもオフ,マイクもミュートになっている高校生がいました.その高校生は,他の学校の高校生と一緒に行うディスカッションが初めてだったようでした.

 私がグループに入ったとき,チャットで「ディスカッションに入れる?」と投げかけたところ,「難しいです」と返答がありました.しかしその後に,「今日はみんなの話を聞いているだけですが,次からは積極的に話せるようになりたいです」とチャットに書き込んでくれました.

 大人が仕切ると,“ファシリテート”することを役割だと思ってしまい,均等に発言するよう求めて場を回すようにしますが,そのグループの高校生たちはいち早くそれぞれの状況を把握し,見学で参加している高校生の居心地を良くするように場を作っていました.

少しだけ心配なこと

 これまでの教育が批判的に見られ,講義型の授業からの脱却が叫ばれ,「主体的・対話的で深い学び」が推進されるようになりました.そのこと自体を否定する気は全くないのですが,推進することでまた見えなくなるものがあるのでは?と少し心配になっています.

 それは“多様性”に大きく関係しています.例えば,人の話を本気で聞いて理解しようとしている生徒は見た目では,対話をしているようには見えません.しかしインプットをしながら,様々な疑問を持ち,授業が終わった後にいろいろぐぐったり,図書室に行って調べたり,自分なりの考えをまとめたりしているかもしれません.授業内での評価は難しいかもしれませんが,その生徒は確実に主体的に学んでいることになります.

 「これからの教員には“teaching”から“coaching”や“facilitation能力”が求められる」というフレーズが色々なところで言われますが,授業中に限られてしまうことが少し心配です.

 生徒たちは,大人が思っている以上に多様性を受け入れる力があります.その場で議論に参加していなくとも,それをダメだとは思っていません.そういう個性も受け入れながら,場を作っていきます.大人が技術論に走って結果的に場を仕切ることなく,自由な場をいかに提供できるようにしていくのか?いつの間にか大人の価値観を押し付けている環境だけにはならないように心がけたいものです.

最後に

ワークショップに参加してくれた高校生たちのコメントを掲載します.

"大戸屋とコロワイドというテーマから投資という面にフォーカスしていってビジネスのあり方やお金儲けだけでない投資の新たな一面を知ることができました。
経済利益と社会においての役割について深く考えることのできた非常に面白い時間でした。"

"このような普段学校ではあまり話題にすることのないことを、聞くことができて良かったです。また、このように学校外でも議論を深めることがすごく大切なことだと思いました。株式投資については興味があったものの、学習についてはあまり取り組むことがなかったので、これを機にしっかりと調べていきたいと思いました。"

“初めは株の話は難しく感じましたが、何に投資をするのか人それぞれ違っていて面白かったです。普段学校では触れないような話題についてディスカッションができ、良い経験になりました。”

“自動車のAI機能やコロワイドの問題について普段知れないことをたくさん教えていただいてとても貴重な体験になりました。ありがとうございます。様々な話題についてディスカッションできていろんな意見や考え方、価値観を知り、学びが深まりました。楽しかったです。”

“投資について詳しく学べたのがとてもためになりました。しかし知識が全くない状態で参加したので、途中途中わからないことがあり、理解するのに時間がかかってしまいました。”
“普段何気なく見ているようなニュースの中に深く掘り下げられる要素が多く含まれていることを再認識できた。”

“投資という分野において、まだまだ知らないことの多い参加者に対して分かりやすく話をしてくれた点”

“いろいろなお話を聞いたことによってこれからもっと学ばないといけないと思いました。そして株のことについてももっと学んでいきたいと思いました。”

“また参加したいと思いました。今回参加し、意見を聞くことが多く、自分から発言というのがまだできていないので、これから少しずつ発言の機会を増やしていけたらと感じました。”

※CAP高等学院では,CAP生に限らず,様々な高校生に,普段の授業では学べない話題についてのワークショップを開催します.次回は9月15日(火)20:00〜22:00で実施します.お申し込みは↓
https://forms.gle/tgR6qx7egB38fgAi8
ご参加お待ちしております.

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