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創作小説

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小説を書いてみました。 不定期更新です。
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記事一覧

エターナルライフ第24話 エピローグ 1990年春

康輔、あなたと出会った季節が巡ってきたよ。 落葉樹達は薄緑の葉っぱを競って太陽に向けて広…

池本ヒロ
7か月前
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エターナルライフ第23話 新しい神話 美里

救急車で病院に運ばれた時には話もできた。 犯人は直ぐに捕まって、パスポートも髪留めも戻っ…

池本ヒロ
7か月前
19

エターナルライフ第22話 バタフライ効果 康輔

ホテルのすぐ側のマーケットで買ってきたワインとチーズ。若い頃に気に入って飲んでいた同じ銘…

池本ヒロ
7か月前
16

エターナルライフ第21話 リオデジャネイロ 美里

私にとって初めての海外旅行、しかも飛行機に乗るのも初めてで、緊張しまくっていた。 真夏の…

池本ヒロ
7か月前
19

エターナルライフ第20話 光 康輔

彼女を浴槽に立たせ、手すりに上体を預けさせた。 そして、掲げられた尻から静かに埋めていっ…

池本ヒロ
7か月前
19

エターナルライフ第19話 Sol 美里

素敵なお部屋だった。 居間と寝室は別になっていてバルコニーには海を一望できる露天風呂が設…

池本ヒロ
7か月前
19

エターナルライフ第18話 婚約 康輔

「それで、いつ日本に帰ってきたの?」 「十年前だ」 「私のお父さんとお母さんが亡くなって、おばあちゃんと暮らしていた頃だ」 「そしておばあちゃんも亡くなって、君はひとりで生きてきた」 「そう。でもこうしてあなたと出会えた」 「でもまたすぐ、ひとりにしてしまうかも知れない」 「大丈夫。あなたと会えて私は強くなれた。あなたは子供の頃からずっとひとりで生きてきたんだものね。さみしくなかったの?」 「まあ、ブラジルに渡ってからは農園で働く連中が家族みたいなものだったからね。それに、ゲ

エターナルライフ第17話 1977年~1979年

そこは国際赤十字が運営している野戦病院だった。康輔はそこで彼の人生を変えた恩人に出会った…

池本ヒロ
7か月前
18

エターナルライフ第16話 Luna 美里

昨日の天気が嘘みたいにピッカピカの快晴になった。朝の太陽が一面の銀世界をキラキラと輝かせ…

池本ヒロ
7か月前
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エターナルライフ第15話 告白 康輔

「驚いたろう。俺は君の思っているような男では無いんだ」 俺はグラスに酒を満たすと一気に飲…

池本ヒロ
7か月前
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エターナルライフ第14話 1960年~1977年

ブラジルに渡った康輔はサンパウロ郊外にある農園で働いた。 農園経営に成功した日本人の元で…

池本ヒロ
7か月前
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エターナルライフ第13話 冬 美里

昨日の晩から強い北風が吹いて大気が入れ替わった。窓を開けて外に出てみると、かすかに冬の匂…

池本ヒロ
7か月前
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エターナルライフ第12話 秋 康輔

夢を見ていた。母が亡くなったことを聞いたとき、ユキの胸の中で泣きじゃくったあの夜。 何故…

池本ヒロ
7か月前
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エターナルライフ第11話 秋 美里

秋は急にやってきて山を塗り替えた。 落葉樹達は木の葉を赤や黄やセピアに変え、それらはやがて地面に落ちてふかふかの絨毯になった。 彼が通院で留守の時、ひとりで散歩に出た。二キロほど西へ歩くと一面ススキの原っぱがある。そこを目指した。 サクサクと落ち葉を踏みしめて森を歩いて行く。赤い実をたくさん付けた木の上を、パンパンに頬を膨らませたリスが渡っていく。キノコもよく見るけど、どれが食べられるものか、私にはよく分からない。 森を抜けると見晴らしのいい高台に出た。 秋の短い陽は既に