パリ買付け旅日記③パリにあって、ロンドンにないもの
1月3日から12日まで、恒例のパリ買付け旅に行ってまいりました。その記録と共に現地で考えたこと、気付いたことを日記形式でまとめております。何かのヒントや何となく面白いと思って頂けたらしめたもの、通勤通学の暇つぶしにでもして頂ければ幸いです。マガジン形式にしておりますので、バックナンバーなどはこちらからどうぞ。
本日は3日目。この日は1日ロンドン弾丸ツアーをしてきました。ロンドン、というかイギリスは初上陸。1回くらいロンドンも見ておこうかというお勉強ですね。ちょうどパリのデモが毎週土曜日開催ということで、たまたま逃げることが出来ました。開催だと楽しそうな雰囲気だな。開幕。これも違う。出走。凱旋門賞か。
ユーロスターが8時頃の発車ということで、朝6時過ぎにパリ北駅に。閑散としてちょっと怖い。オブジェも心なしかバイオハザードな感じに見えます。
ユーロスターは出発地側で入出国手続を両方やってしまうシステムということで、早朝にも関わらず長蛇の列。構内は一切暖房が入ってないのですごく寒い。逆にデパートはバカみたいに暑いとかバランス考えてほしいぞ。
長い長い行列が終わり、ようやくホームへ。この薄暗さといい長さといい上野駅の特急ホームっぽい。日本人的には私はあなたから旅立ちますな景色です。
車内は結構快適で、成田エクスプレスの乗り心地と似てました。今海底通ってまっせなお知らせも流れたり、モニターを活用してサービス告知やらお洒落にされておりました。
2時間ちょい揺られて、ようやくロンドン・セントパンクラス駅に到着。パリが薄暗かったこともありますが、明るさと華やかさにちょっとビックリ。
もうちょっとレトロというか重厚感のあるイメージかなと思っていたので、いい意味で新鮮な感覚を受けました。
さて、今回は効率よく回るために現地在住の方にご案内をお願いしました。そのおかげで大変時間を有効活用できたと感謝しております。まずは一緒に朝食を。
あとでチェーン店だと知ったのですが、マフィンが美味い。日本だと結構当たり外れがありますが、きっとどこで食べても美味しいのでしょう。反対にショコラはパリのと違って全然甘くなくてスパイスと量多め。この中間のをくれ。
腹ごしらえを終えて、まずは名所を回りつつ中心街の方へ。
ノッティングヒル周辺は高級住宅地になっていて、世界のセレブも住んでたりするそうで。この辺りはベッカムが住んでたらしいです。本当に綺麗な作り。個人的には映画「ノッティングヒルの恋人」で初めて知った地名でした。
一方、観光客や地元の人が集まる通りも。
お土産やさんなども大盛況。イギリスの有名人(エリザベス女王やハリーポッター)がコースターになったシリーズの見本にフレディマーキュリーがあったので「フレディが欲しいんだけど?」と聞いたら「1番人気で売り切れなのよ!」とすまなそうな店員さん。ボヘミアンラプソディの影響大きそう。早く見に行かなきゃ。
5ポンドショップなんてのもありました。今だと700円くらい?一応覗いて見ましたが、まぁロク…遊びで買うようなものしかありませんでした♪誤魔化すの下手ですみません。
イギリスの門構えは本当に素敵なお家が多くて。つい写真撮りたくなってしまいますよね。
まるで何かのセットのような景色が続きます。これは塗ってから建て売りなんだろうか?住民が自由に塗っていいのか?なんて余計なこと考えたりして。
ここは地元では有名な休日市場だそうです。本当にすごい人出で色んなアンティークグッズが販売されていました。結構な年配の店主がカードリーダーで手際よくクレジット決済するギャップがカッコよかったなぁ。
気付いたらもう午後だったので、休憩を兼ねてランチを。レディガガも頻繁に訪れるというフッシュ&チップスの人気店をご紹介頂きました。
本場ともなると、タラでも数種類、サーモンとか色々魚を選べるんですね。今回は1番ノーマルなcodという魚をオーダー。まさに外はサクッと中はフワッとなサクフワ食感で美味しかった!ポテトもパリに比べて油が少なくヘルシーな感じ。やっぱりご当地料理はご当地で食べるべし。
帰りは20時発ということで、ご飯もそこそこにリスタート。一応名所もということでやってみましたよ↓
アビィロードといえば誰もが浮かぶ場所ですが、実際に行ってみると本当に普通の道。観光客が溜まってなかったらまず気付きません。興奮してる観光客にシレッと渡っていく住民の対比が面白かったけど。相当勇気出して撮りました。
その後はタワーブリッジに
セントポール大聖堂
バッキンガム宮殿などを回りました。旗が上がってる時は女王陛下が居て、たまにお顔を見せてくれるそうです。粘ったら謁見できた?
そしてメインの市内視察へ。まずはリバティ百貨店へ。老舗のデパートですが、日本では「リバティプリント」として小花柄の生地でも有名ですね。
クリスマス時期とあって店内は活気に溢れています。店頭でいきなりドリスヴァンノッテンのバッグをセールする大胆さはパリにないなぁ。
置いてあるアイテムもまたパリと違って、華やかな色のドレスなんかが多かったですね。分かりやすい特徴のものが好まれている感じ。
リバティだけあって自前のコーナーも充実。現地だともう高級ブランドとしてポジショニングされている印象です。ゆえに我々にとってはちょっと感覚として高い。よくユニクロとコラボしたな。
その足で今度は高級デパート、セルフリッジへ。
ここがとにかく大きい!数時間ないと周り切れません。もう少し時間取ればよかった。
ビックリしたのが、1階に青山フラワーマーケットが入ってたこと。どこかで見たロゴだなと思ったら。でも違和感はなかったですね。
日本のブランドで今最も勢いがあると言って過言でないsacaiもしっかりスペースを確保。日本流の大人かわいさとヨーロッパ的な立体感のミックスがウケている理由だと思います。
ひと回りして、ロンドンでご飯を食べて帰ろうと思っていたんですが、残念ながらここでタイムアップ。逆に時間ギリギリでユーロスターに飛び乗ってパリへ戻ることになりました。やっぱり初めての土地は時間が読めないや。
*
帰りの列車の中で色々と振り返ってみたんですが、僕的には
「ロンドンは陰影が薄いな」
と感じたんです。
行く前に「ロンドンは東京みたいな感じ」なんてことを聞いたんですが、まさにその通りでした。中心街は丸の内や銀座を歩いているようだったし、コンビニ的なお店もたくさんあって、住むなら100%ロンドンの方が快適でしょう。聞こえてくるのが英語だからフランス語に比べて聴き慣れてて安心感あるし、少ない時間だったけど接した人々もフランクですぐ好きになった。
でも、整備されすぎてるんですね。異国に来た感が薄い。
そして、僕には明るく華やかすぎた。
この辺は好き嫌いが分かれるところと思いますが、夜でも街は明るいし店内も強い光で照らされている。もちろん街歩きはロンドンの方が安心だし華やかさが悪いわけじゃないけど、ちょっと疲れてしまう感覚があったんです。例えるなら蛍光灯とオイルランプの明かりみたいなもの。
ファッションでもディスプレイや陳列が分かりやすくされていましたが、ともすれば分かりやす過ぎて奥行きがなくなることにもなり得る。
あくまで個人の感想ですが、クリエイションの総本山はパリと言われる所以が分かったような気がします。同時に、今ロンドンコレクションが盛り上がっている理由も分かりました。
”分かりやすいもの”を好むロンドンと、”潜んでいる感覚”を大事にするパリ。
今は分かりやすさが好まれる時代であることが、ロンドンの台頭とリンクしている。そんな対比を肌で感じられただけでも、行った価値はあったなと思います。
パリにあってロンドンにないもの。
それは、陰影でした。
またじっくり回ったら違った一面が見えてくるのかも知れません。いつか再訪したいと思います。その時にはサッカー・プレミアリーグの試合も観たいなぁ。
ー翌日に続きますー
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