生きると言うこと
人の命だけでなく、
花の命、鳥の命、たくさんの生き物の命について考える。
皆はなぜ今ここに命を持って生きているのか。
……
昨日、徳島のあいちゃんから紅花の花が送られてきた。
うちは種まきが遅かったのでまだ花芽が出てきたかもくらいにしか育ってない。
この花の命を考えた時。
植物の命を考えた時。
そして、癌のステージ4と言われた母の命を考える時。
私たちは生きることをどう考えたらいいのかと思うのだ。
……
紅花で染色をする。
こんなことを考えた人たちがいたんだよね。
こんな黄色の色から赤を引っ張り出してくるなんてこと、なんで気がついたんだろう。
私たちの何代もの前の人たちが、多分偶然の何かで気がつき、試行錯誤をして、その技術を身につけた。
その技術を次の世代その次の世代と伝えていって、今の時代がある。
その技術や試行錯誤したことは
ほんの少し前までは、その地域では当たり前にみんなが伝えてもらっていたことだった。
だけど、今、お金があればなんでもできると思ってしまって、伝えることができなくなっていることがたくさんあるのではないかと思っている。
学びを効率化するために、学校という巨大な仕組みができ、その仕組みの中で、生きるということは何かって、伝えられてない。
……
母が父との二人の生活に限界を感じ、
いろんなトラブルが多発した2年前。
なんとか福祉に繋がり、
母は、在宅で頑張って生きていこうとしていた。
ところが父は、経済的に自立できていることだけに価値観を置いて、人との繋がり、社会との繋がりに意味を見出せないままに、認知症が進んでしまっていて、母を支配することが生きることであると勘違いしていた。
母はその支配から逃れるために、施設入居を決心した。
……
その母が昨年から貧血が続き、薬を変えてもドンドン数値が下がる。
さらに腫瘍マーカーの値も大きくなり、
便には潜血が混ざる。
検査を受けるかどうかについてすらも、母本人で意思決定できない。
父が隣にいて、嫌がってるからやめろとか、いろんな文句をDr.にいうらしい。
なんとか胃カメラ検査はできた。
大腸カメラは母本人の意思というよりも、父が強く反対するものだから、
辞めることにしたらしい。
娘の私がクリニックの看護師さんと話をしてCTで検査をしてもらった。
大腸がん…肺に遠隔転移
ステージ4
との診断が出た。
……
母のこれからの検査や治療について考える時、母の命や人生ってなんだろうと思うのだ。
自分で判断できず、
でもあたかも自分で考えているつもりになっている。
そして、次の世代である私や妹に何を伝えたのか。
実は伝えたいことがたくさんあったはず、だけど、父に支配されることで、
経済的に豊かであることが全てだとすり替えさせられていたのではないか。
……
父や母が悪いのではなく、
戦中戦後、高度成長期…
日本社会がものすごい勢いの中で変わっていった。
そこに巻き込まれてしまって、
生きるということは何かわからないままに認知症になってしまい、
その食生活の激変の中で、
身体が悪くなっていった。
……
私は生きることで、何かを伝えたい。
次の世代に残せることは、お金ではなく、生きる中での知恵と学び。
街の中で輝いている命と学びを
人とひととの繋がり中で、伝えていくことをしたい。
そんなことを老いていく日々の中で、
丁寧に生きていこう。
……
私たちの次の世代が惑っているこの時代に、自分の人生を生きて、生き抜くことを小さな声で発信していく。