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「感謝」にすがる00年代

2008年あたりから、
震災のあった2011年くらいまで、
意を決して、本当にドロップアウト。

東京の安アパート借りて、
バイトして、バンドして、酒飲んで。
この楽しさがルーティンに感じて飽きてきた。
井の頭公園でも、代々木公園でも
タイコを叩いて歌っていると、
「音楽禁止!」と警備員に注意される
息苦しさも手伝って、
アパートを引き払い、

歩いてどこまで行けるか旅したり、
自転車ママチャリにテント、寝袋、
ウクレレ、タイコを積んで、
東京のアパートを引き払い、
「身の程ツアー」と、こっそり命名して
西へ西へと旅したりしていた。

名古屋で知り合った写真家さんに撮ってもらう

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からの続きです。

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行き当たりバッチリ。
道すがら、いろんな人のお世話になった。

「旅」も、
最初は新鮮でキラキラしていたが、
「旅」が「暮らし」となってゆくと、
だんだんといろんな歪みが生じる。

まぁ、それが様々な学びだった。

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その後出会った(本人とじゃないよ)、
野口整体の創始者、野口晴哉氏の言う
経巡へめぐり」の概念も
すーっと理解できた。

全ての事象は
「敏感」「炎症」「排泄」「弛緩」
これか螺旋の輪のように
繰り返される。

最初の出会いは
「驚き」と「喜び」と「興奮」。
そして、今まで慣れ親しんだ
現実との差異との歪みで炎症を起こす。
「怒り」「発熱」。
そして、
泣き、汗をかき、デトックス。「哀」。
楽な気持ちで現実が入ってきて、
弛緩して、俯瞰して今を受け入れられるようになる。
「すげ〜!」という歓喜とは違った
安寧と共に。

そしてまた出逢い、
繰り返す。

「喜怒哀楽」。

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「人様に迷惑をかけてはいけません」と、
親なのか、社会なのか、
誰かからずっと言われ続けてきた感じがする。
そんな世代。

いろんな人のお世話になり、
迷惑をかけ、
時には、現実を受け入れられず、
トラブルや諍いも起こしてしまった。

誰かに迷惑をかけて初めて
自分も「迷惑な人」を
受け入れられると知った。

あの頃の謝罪がしたい。
恩返しがしたい。
恩送りをしたい。

何より、
あの頃のような自分を
許し、認め、
今ある現実を
受け入れていたい。

「迷惑だけど、いいよ。大丈夫だよ。
僕も君も同じだよ」って。

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「旅をする」とは
見た目、かっこいい。
頑張ってる。いろんな経験をする。
憧れる。
ってのがあったけど、

言い方変えれば
・・・迷ってるんだな。

迷ってる期間なんだよ。

やってみたかったらやればいいし、
長くてもいいし、短くてもいい。
遠くてもいいし、実際は近くてもいい。

どこへも行かなくてもいい。

オーストラリアまで行って、
メルボルンの路上で演奏して、
似たような仲間と出逢って、
どこへ行っても同じだな。と
安心感を覚え、
言い方変えれば、
「僕と知り合うような人としか
知り合えていない現実」に
愕然とした。

どこか遠くへ行くことより、
「ここ」で自身を変えた方が、
多様な出逢いが待っているような
仕組みを感じ取った。

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そして、
2010年頃、
僕が出逢う界隈で
まことしやかに言われていたように
僕は感じて、
ちょっと抵抗感じながらも
受け入れていた概念。

「お金はありがとうの対価」
「お金は投票」

ここらへんの言葉。
お世話になった旅先の
お宅のトイレとかに
書いてあった。

僕が出会うような界隈の人達だけ
かもしれないけど。

2000年頃より、
少し、みんな世の中の捉え方を
見直そうとしていた時代に感じる。

「使った分だけ、入ってくるよ」から、
「使った分だけ、もらった人にお金が入るよ」

ちょっと視野が広がった感じ?
僕だけかな?

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でも、それぞれの年代の
時代感を思い出してみると
面白いね。

で、今はどうだろう?

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感謝の苦手な僕にとって、
良いと思える物や活動に対して、
「がんばってください」と、
応援する気持ちを自分自身で探りながら
支払う気持ちは
正直、めんどくさかった。

「この服は安いけど、
東南アジアの低賃金労働の実態に
加担することになるんだなぁ」

なんて高い意識は
自分自身の低収入の前では
絵空事だった。

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〜2010年あたり、
僕が30代にさしかかり、
僕より少し若い20代の若い人たちが
なんか、やたら「感謝」している態度が
気に食わなかった。

「歌わせてもらってます」
「働かせてもらってます」
「生かしてもらってます」・・・。

今、40代になった彼らに
あの頃のことを聞くと、
「自己防衛だった」
と言っていた。

まぁ、1人の
あれから色々あった
10年来の友人と
話しただけだけど・・・。

つづく



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ウクレレ平魚泳
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