いろんな人がいる②
昼休み、
体育館でバドミントンをしていると、
大きな声のクラスで1軍の
桜井くん(仮名)がやって来て、
「お〜い、みんな、ドッジボールしようぜ!」
と、声をかける。
すると、みんな集まって
ドッジボールを始める。
一緒にバドミントンしてた友達も(いたのかな?)
みんなドッジボールに参加する。
体育館、全面を使われて
居場所を失った息子のとしお(仮名)は
教室に戻って、
本を読んだり、
学校で支給されたiPadをして
時間をつぶしてるらしい。
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そんな桜井くんに対する愚痴を
息子から聞くと、
まだまだ話してくれる幼さを愛でつつ、
あぁ・・・人生、始まったね♪
と、彼、彼らの成長と、
相変わらずの人類の進歩の無さ加減に
胸がキュッと締めつけられる。
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桜井くんは、
保育園の卒園の時に、
ちょっと僕としても
警戒心が芽生えた。
卒園する桜井くんが、
1つ下のとしおに向けた
保育園を通してのメッセージに
「としおくんは〇〇だから
〇〇した方がいいよ」と。
いや、幼いながら、すげーキャラだな。
と思った。
まぁ、そういう人なんだろう。
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噂には聴いていたけど、
彼は剣道が強いらしい。
隣町での集まりに、
とあるご縁で参加した時、
偶然、その桜井くんが、
本当に、県で優勝するくらいの
すごい実力者なんだと聞いた。
中学校も、
剣道のために、
地元ではない、隣町の中学校に
進学するらしい。
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こういう人って、いるよね。
大人でもいるよね。
そんな彼らは、
人気もあるんだ。
人気のあるポジションしか知らないから、
そのポジションにいられるんだろうな。
とも想う。
他にももっとたくさんの
星の数ほどの人生が、綾なしながら
この世界には在る。
先日の選挙では、
僕の暮らす選挙区から
僕は絶対、投票することのない
今回、外務大臣になった人が
当選してしまった。
文武両道。バンカラなエリート。
気さくで人懐っこい感じ。
僕に代わって代表してくれる人とは
思い難い人だ。
1軍の代表もいれば、補欠や、2軍、3軍の代表
ってのもあってほしいね。
僕は一応、比例はれいわ、
3人の候補者の中からは共産党の人を選びました。
ま、代わりに表してくれる人を選ぶなら
僕の所属意識的には
ここら辺のタイプの人です。僕は。
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としおは
「みんな、桜井くんのこと
本当は嫌ってるんだよ」
と言う。
その言葉を僕ら大人が口にしないのは
「バカって言ったやつがバカなんだよ!」
と同じことだから。
言った言葉は
どうせ自分に返ってくるから
言わない。
でも、やっぱり、
大きな声で生きる人が
大きな顔して
世の中で活躍してるな・・・
とは想う。
それはそれで、
覚悟があるのなら、
「裸の王様」として
カッコいいとも見れる。
丸腰で、無様な姿を晒して、
堂々と、本気で、
王として振る舞う姿。
それはそれでカッコいい人も
いる。
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僕の息子が
クラスの1軍には馴染めずに、
地味でも、折り紙やポケカで
それなりに今を楽しんでいる姿を見て、
ちょっとホッとしている。
としおはとしおの人生だけど、
僕の息子が・・・ねぇ(笑)
そんな桜井くんや、
サッカークラブに入っている、
運動好きの子供達から、
としおもサッカークラブに誘われて、
「仲の良い友達はサッカーをやっている」
でも「自分はそんなに興味ない」
という瀬戸際で揺れてたけど、
やらなくてよかったと思ってる。
本人がやる気だったら、
まぁ、親も大変になるけど、
僕もがんばるよ。
でも、
我が家は、僕は、
「習い事」なんて必要ない。
と思ってる。
まぁ、必要と感じた時には
習うといいけどね。
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大人になって、
あの頃の「先生」と
同じくらいの歳になって、
今の「先生」とも
同じくらいの歳になって、
僕も場合によっては「先生」という
立場になり得る時もあって。
教えることなんて、何もない。
どうすればいいのか教えてほしいくらいだ。
何かを「教えられる」と誇示する「先生」に
欺瞞を感じる。
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「先生」として立たせてほしがる人もいれば
目立つことを嫌がる人もいる。
いろんな人がいる。
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他人の気持ちがわかる人。
自分の気持ちがわかる人。
他人の気持ちをわかりたい人。
本当の自分の気持ちは
多様に変化するものだと、
せっかくだから
生まれて、
生きる豊かさを
味わえるだけ味わっていきたい。
それは
正直に
自分の心を感じること。
そんな心を通して、
どんな世界が映されているのか。
別の「心」を
創り出して試してみるのもいい。
与えられ、
出会える世界は限られている。
日本にいる今、アフリカにいることは
出来ない。
大人になった今、
子どもとして世界に触れることは出来ない。
受動的であれ、能動的であれ、
「今」しか生きることが出来ない。
「今」を生きることなら出来る。
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こんな僕が
ささやかながら歌っていこうと
心に決めている詩を
ここに貼っておきます。
息子と僕の人生は違うし、
いろんな経験も
時代や場所や個性によって
違うものだろう。
僕は、こんな「僕」で
これからも生きていこうと想う。
こんな「僕」で触れて
出会う「みんな」と
大切に生きていきたいんだ。
いろんな人がいる①