見出し画像

急にひとりで出かけたい。ノープラン箱根日帰り旅のすすめ



思い立って行ける場所としての箱根


忙しく日々を過ごしていると、突然息が詰まるときがある。いまは大丈夫だけど、そろそろ「こなせなくなる」予感が訪れるのだ。

それは一見タスクを順調に終わらせた時ほどやってくる。終わらせても終わらせても新たにやってくるなだらかな丘を上り下りし続けていると、ふっと「がんばれない瞬間」がやってくるのだ。

今回は土曜に、バレエレッスン、休日出勤8時間、同人誌の取材、取材の構成、公式メンバーシップ開設を済ませたときに「それ」が来た。一日が32時間あるかのような活動ぶりで、この日は「自分よくやったなー!」と充実感に満ちていたのだが、夜ベッドに入ったら「明日…なんもやりたくない気がする…」と気づいてしまった。本当は、日曜に部屋の片付けと依頼された原稿を終えて、月曜に彼氏と久しぶりに会うというスケジュールを予定していたのだが、片付けも原稿も手をつけられない予感がした。なんだろう、「やだやだやりたくない」という感じではなくて、「あー、やらないとなー」と頭にモノローグは浮かんでいるけれどモチベーションが伴ってなくて、たぶんやれないなあという感じ。ちょっと離人的というのでしょうか。2ヶ月に一回くらい起こります。

こういうときにはリフレッシュが必要です。そういえば、夏にインタビュー取材したときにもらった、ポーラ美術館の招待券があった。ポーラ美術館だいすきで絶対行きたいと思っていたのに、タスクに追われていたら、もう会期が1ヶ月しか残っていない。これは行くしかない。そして明日は丸一日空いている。いや、やらなきゃいけないことはあるけど。でもこのまま明日に突入しても絶対ちゃんとやらないと思うから、先に気分転換したほうがいい。
家で寝てれば?と思う人もいるかもしれません。ただ一人1K暮らしで、会社員業・文筆業・食事・生活・就寝をすべて同じ部屋でやっており、家にいても気分転換にならねえ〜〜〜んですよ。四方を壁に囲まれていない場所に行った方がリフレッシュできる。箱根とか。

箱根、特にポーラ美術館は大好きで、ここ数年、年に一度は必ず行っていました。しかし、いままで泊まりがけで行っていたのですが、最近インバウンド需要で宿代がぐんぐん上がっている! 忙しいだけでなく、宿の高騰が、招待券を使えずにいた理由でした。しかしよく考えたら別に、日帰りでも行けるな? 「金がなければ日帰りすればいいじゃない?」と脳内のマリーアントワネットがささやいてきます(かなりまともな経済感覚のマリーアントワネット)。

そんなわけでもう日付の回った深夜2時に思い立ち、箱根日帰り旅を決行したのでした。

当日も意外と座席あるよ・ロマンスカー

都内から箱根(湯本)に行くルートは大きく2つ。東海道線で小田原に行ってから箱根登山鉄道やバスに乗るか、新宿からロマンスカーに乗って直通で行くかです。

我が家の立地的には東海道線がサジェストされるのですが、個人的には「旅行感」を味わいたい!と思い、今回もロマンスカーにしました。

ただ、朝8時にチケットをとろうとしたら、もう10時20分の座席しかない……。条件を変えて検索した結果、9時40分小田原行きは空いていた。小田原までロマンスカーで行き、そこからバスに乗ることにしました。

夜の時点では9時前後の箱根湯本行きも座席があったので、そのときにとっておけばよかった。でもまあ、こういう不自由さも、突発旅の醍醐味ですね。あと、あまりにも「前もって予定を決めて忠実に旅程を実行する」と、効率よく回れて楽しい反面、結局「タスク思考」を捨てられないんだよなー。

映える&ぼーっとできる空間・ポーラ美術館

さて、小田原についたらバスに乗り、ポーラ美術館へと向かいます。新宿小田原間は1時間20分くらいなのですが、小田原-ポーラ美術館間も実はそれくらいかかる。持ってきた本を読みながらバスに揺られます。いわゆる「つづらおり」の山道を登っていく区間があり、結構しんどいな。優雅な読書旅にはあまり向いていなかった。本はサクッと読み終えて、スマホでnoteを執筆するほうに切り替えました。

ポーラ美術館についたのは、12時半ごろ。

ここから先は

4,007字 / 10画像
この記事のみ ¥ 300

いつもありがとうございます。より良い浪費に使います。