見出し画像

20240717 わたし、畑じゃない

「水曜どうでしょう」の伝説の企画でかつて料理をつくろうといって、畑で野菜をつくるところから始めた企画があった。大泉洋さんはかなり参っていたが(「パイ喰わねえか」)考えようによっては面白い話だなと思う。

▼調理から始めるのではなくて、その材料を栽培する畑を開墾するところから始める。無茶苦茶時間はかかるけれども、それは同時にものすごく贅沢な話でもある。

▼舞台をつくることと料理をつくることを迂闊に引き比べることもできないとは思うけれども、スーパーや市場で材料を買って調達するのと、畑からそれを自分でつくるのとでは根本的に掛けることになる時間が違う。

▼舞台にたとえるなら、たとえば舞台に立つ俳優からつくりはじめるということになるだろうか。オーディションやイージーなキャスティングで集まるどこにでもいる有象無象(暴言)ではなくて、自分の作品作りに必要な技術やメンタルを備えたより抜きの俳優を手づから育てるということ。

▼そう考えると創作のための集団というのは畑みたいなものだなと思う。つくりたい料理に耐えうるだけの質を備えた作物をつくるための土壌である。草があればむしり、大きな石があれば拾って捨て、虫に食われていないかチェックをしてしかるべきタイミングで収穫する。手をかけていないとそれはあっという間に荒れ地に還っていく。

▼どれだけ時間をかけて丹精した作物であっても不味かったら仕方がない。美味しくて高品質で、どこに出しても恥ずかしくないものに育てばそれが一番いいような気もするけれど、たとえ作物として多少まずくてもその野菜がどうしても必要な料理というものもあったりする。野菜だってなんでもいいわけではない。俳優だってそれは、誰でもいいわけではない。

*****
◆日本全国の73名の方々から535,000円の応援をいただき、資金調達が無事に成功しました。ありがとうございました!!
【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】
「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」

◆本日もご清覧頂きありがとうございます。もしなにかしら興味深く感じていただけたら、ハートをタップして頂けると毎日書き続けるはげみになります!
◆私が主宰する劇団、平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co . では向こう10年の目標を支えて頂くためのメンバーシップ「かえるのおたま」(月額500円)をはじめました。
メンバーシップ限定のコンテンツも多数お届け予定です。ワンコインでぜひ、新宿から世界へと繋がる私たちの演劇活動を応援していただければ幸いです。
→詳しくはこちらから。https://note.com/hiraoyogihonten/n/n04f50b3d02ce
◆コメント欄も開放しています。気になることやご感想、ご質問などありましたらお気軽にコメント頂けると、とても励みになります。どうぞご自由にご利用ください。

平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
各日18時30分開演(17時45分受付開始・開場)
※雨天決行
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【チケット】
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02czx9t72zj31.html
【公演詳細】

ここから先は

0字

かえるのおたま

¥500 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?