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20240726 世を忍んでいる場合でなく

そういえば近所の公共の施設の、個人的にというか団体でよく使っていた施設が長い改修工事に入ってしまって、なにかしらみんなで集まって身体を動かしたい、といったときにパッと使える場所がなくなってしまった。

▼そうして使っていた場所も本来演劇の用途での使用はあまり歓迎されておらず、表立って演劇の稽古とは言えないので団体の名前も変え、「体力づくり」とか「健康増進」みたいな名目で借りていた。そうはいっても結構な頻度で借りていたので、向こうの方でも心得ていて「まさか演劇やってないですよね…?」「ああもう、全然やってないです。トレーニングです!」みたいな、きわめて表層的なやりとりをしていた。

▼人間が大きい声で喋るということは、それだけで迷惑なのだった。防音設備もないところで、900人くらい入る大劇場が会場となって上演する作品を全力で稽古していたりしたので、それはもううるさかったと思う。申し訳なかったが予算もなかったし、そこで稽古するよりほかなかったのだった。

▼それに加えてうちの劇団では身体もそれなりに動かすので、そのことに対する苦情も来たりする。大きな音といっても、音楽フェスみたいにどでかいスピーカーを鳴らしたり重機を使ったり爆竹を鳴らしたりしているわけではなくただ人間が身体を動かしているだけなのだけれど、施設の人が血相を変えて飛んできて「どうかそれはお控えください…!」ということになったりする。

▼周りの苦情などを気にせず大きな音や声を出したり、時間を気にせず使えたり、道具や荷物を置きっぱなしにできる稽古場があったらいいなぁ、と思う。理想的な稽古場というのが、東京では正直なかなか見つけづらい。都内各所の公民館をジプシーするのも悪くはないけれど、もうちょっとマシなやり方を見つけないと埒が明かないな、とも思う。

▼まあそう考えると早晩「東京でつくらなければいい」という話になる。必ずなる。東京以外の場所でなら、もうちょっと時間も場所も融通を効かせながら理想的な創作ができる場所があったりする。いつまでも世を忍ぶ仮の姿で演劇をつくりつづけるわけにはいかない。自分たちが本当の姿で演劇をつくれるようになる場所を、真剣に探し始めないといけない。

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「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」

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平泳ぎ本店/Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日(金)ー19日(日)
各日18時30分開演(17時45分受付開始・開場)
※雨天決行
於:戸山公園(箱根山地区)陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
https://g.co/kgs/Ksc4VNJ
【チケット】
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【公演詳細】

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