20250126 長く暮らしたお部屋から
気がついたら今の部屋にもう17年も暮らしている。大学に入学することが決まって部屋を探しに東京に来て、入学のための手続きを済ませたりしながら父と一緒に部屋を探した。不動産屋さんのお兄さんがとてもいい人で、いくつか候補を見せてもらった中でずば抜けていちばんよかったのが今暮らしている部屋だった。
▼不動産屋さんの車に乗せてもらっていくつかお部屋のの候補を見せてもらっている間、父がいかにも田舎者の話し方をするのがなんだか恥ずかしくて仕方がなかった。18歳だった私なりに、これからこの首都・東京で暮らすのだという気負いもあって、地方出身者であるということを隠してなるべく都会的に見えるように、自分にできる限りの「社交的な感じ」で背伸びして一日中振る舞っていた。なんだかそんなことも思い返すと父にも申し訳ないし、かなり気恥ずかしい。
▼引っ越しの時も「もう子どもじゃないんだから！」「一人で暮らしていけるから！」と、せっかく東京まで来てくれた両親に邪険に振る舞ってしまったことを今でも申し訳なく思っている。「自分は大丈夫」と強く思い込もうとしていたけど、大学1年の5月くらいまで、しっかりとホームシックになっていた。新居のアパートの匂いになじめなくて、なんだかずっと嫌だった。初めての一人暮らしで右も左もさっぱりわからずに、慣れない街で不安で不安で仕方がなかった。
▼当時まだ4、5歳くらいだった大家さん（同じ敷地に暮らしている）のお孫さんも小学校に入学して、気がつくと大学生になり、今はもう大学も卒業して社会人になったりされている。時が経つのはあっという間だな、と他人事みたいに思う。私は私でその間に演劇を本格的に始めて、そんなにお金もないことや何しろ居心地がいいことから甘えに甘えて今の部屋に留まり続けてしまった。あまりに長すぎるくらい、この部屋にお世話になった。
▼いろいろあって、たぶんこの春に引っ越しをすることになりそうである。流石にワンルームでこれから先の生活を送り続けることは限界だな、と納得できる時期が来たのだと思う。オードリーの春日さんの長く暮らし続けたむつみ荘のように、愛着しかない大切な部屋ではあるけど、そろそろ次に進まなければならない。そうしなければ一生ワンルーム暮らしかも、と思うと流石にちょっと怖くなったのだった。
▼これまで慣れ親しんだ場所から出て、新しい場所での生活を考え始める時の腰の重たさを感じながら、前へ進んでいかないと自分の活動もこれ以上よくなっていかないし、という少しの危機感も感じている。だからこの引っ越しは出世のための引っ越しである（？）。コンフォーテブルゾーンから抜け出して、より良い新生活を迎えられるよう頑張らなければ、と思う。小学生の頃に見たドラマ『人にやさしく』みたいな、ゆるやかで明るくて楽しい共同生活になってくれたらいいなと思っている。春を迎えるのがすこし楽しみである。
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◆2024年の年末に『桜の園』ソロ・こごえという作品を上演しました。
◆毎週水曜日に西早稲田近辺で舞台俳優のためのファンダメンタル（基礎トレーニング）を実施しています。
◆2024年5月にはじめての野外劇を上演しました。
平泳ぎ本店／Hiraoyogi Co. 第8回公演
戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
2024年 5月17日（金）ー19日（日）
於：戸山公園（箱根山地区）陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡
【公演詳細】
◆2024年5月、上記公演の実施にあたって平泳ぎ本店は戸山公園で野外劇を上演するための所作台（舞台床面）を製作するための資金調達に取り組み、日本全国の73名の方々から535,000円の応援をいただき無事に成功しました。ありがとうございました！
【平泳ぎ本店 クラウドファンディングについて】
「一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。」
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◆私が主宰する劇団、平泳ぎ本店／Hiraoyogi Co . では向こう10年の目標を支えて頂くためのメンバーシップ「かえるのおたま」(月額500円)をはじめました。
メンバーシップ限定のコンテンツも多数お届け予定です。ワンコインでぜひ、新宿から世界へと繋がる私たちの演劇活動を応援していただければ幸いです。
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平泳ぎ本店／Hiraoyogi Co. 第9回公演
『（タイトル近日発表予定）』
2025年 初夏
続報をお待ちください！
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