政治に学ぶ「伝わる」しくみ
とても勿体ないと思うこと。
それは、的を得た提案・指摘なのに、それが相手の目に「攻撃」「敵」と映り、その内容にまで関心を得られていないこと。
責任感、正義感が強い人は、物事を正しく見極めようと懸命になり、そして、見つけた答えを周囲に発信する。そのような人がいて、行動を起こしてくださることは、とても有り難いことです。会社や、社会、日本の政治にインパクトを与えているからです。
しかし、その正義感が未来をより良く創造するためだけに活かされていれば良いのですが、目の前の相手や組織を、「こらしめよう」「打撃を与えよう」「ミスに気付かせよう」という、何のプラスも生まない意識によって使われると、その人の発信・言葉・存在は、単なる「インパクト」で終わってしまいます。
未来をより良く創造するためには、残念ながら使われていません。
正義感を「相手」に向ける人達が持つ視点が「高くない」ということを、多くの人々は感じ取るからです。
正義感・責任感を「未来へ向ける」視点で当たり前に動いている人に、多くの人々は、任せたい。信頼したい。
こういう考えもあるかもしれません。
相手の体制を崩さなければ、自分たちの出番がないのだから、必要な手順なのだ、と。
しかしもう、その発想では結果を生めなくなると思います。
自分たちの仕事が本当に人々への大きな貢献に繋がると思っているのであれば、遠回りをしてはいけません。勿体ない。
いかにスムーズに貢献への道を歩むかを考えた時、主張が反する相手に意識は向かないはずです。
グローバル人財教育におけるグローバル組織創りで、重要と位置づけているものが、ここです。
良い発信は、伝わらなければ意味がないのです。伝わるためには、土台が必要です。
「何を言っているか」より、「誰が言っているか」です。
信頼が厚く、人として持つ豊かさが周囲を照らしている人財が発する言葉であれば、それが例え、周囲が戸惑う内容であったとしても、周囲がアジャストしようとします。
「日本の信号を5色にしよう!そうすれば経済が成長する!」と、ハテナな発信を受けても、それが信頼する人の言葉であれば、周囲の人は、”5色の信号と経済がどう結びつくのか”を考えようとします。
しかし、「相手を批判することで自分達のポジションを主張する人々」
=「視点低く活動している人」
=「信頼することができない人」
が同じ発信をしても、周囲の人々は、「また何か言ってる」と受け流します。
なぜなら、彼らの主張の終着点は、「相手を負かすこと」にあることを知っているからです。
周囲の人にとっては、「自分たちにはメリットのない人達の主張」に分類されているのです。
周囲の人にとって、「自分たちの未来を創造する流れ」にあると想像できる話題であれば、人は興味をもち、耳を傾けます。
周囲の人たちは、正義感強く働いてくれる人たちに対して、「自分たちの未来を想像する可能性がある人」だと認識はしています。感謝もします。期待もします。
でも、「委ねられない」のです。
「その視点がどこにあるか」、そこが明確に見えるまで。
つまり、心から信頼できるまで。
視点を上げる。
これまでのやり方を疑う。
そして、視点を定める。適切に、定める。
ビジョン設定です。
Leadership qualities. Have a nice day!
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