「合わせる」から「合う」へ。自分に素直に。
曲に合わせない、曲を聴く。
相手に合わせない、相手を感じる。
私はダンスを踊る際に「合わせる」という表現を使いません。もちろん生徒さんに教える時にも使いません。
なぜなら、「合わせる」をすると自分が失くなるからです。
昔はよく相手に合わせようと思いながら練習をしていました。相手の顔色を伺うように相手をリードし、相手が気分良くなるようにタイミングを合わせる。
自分が最良の手を打てば相手は必ず素晴らしいパフォーマンスをしてくれる。そんな気持ちを持ちながら相手に合わせるダンスをしていました。
しかし、それが実を結ぶことはありませんでした。
まず自分の踊りがなくなってしまいました。周囲の人から「踊りがこじんまりしてきたね」とか「最近元気がないんじゃないの?」などと言われるようになりました。自分では全力で踊っていたつもりが、外から見て全くそう見えなかったのです。
更には、ダンスの相手からも「ちゃんと踊ってよ」と言われるようになりました。自分が踊りのために試行錯誤してきた相手から言われたのです。正直、頭の中がぐるぐる回りどうしたら良いのか全くわからなくなってしまいました。
それ以降は相手と踊ることが怖くなってしまいました。ダンスも楽しくなくなってしまいました。辞めようとまで思いました。
そんなモヤモヤが解消するまで約3年ほどかかりました。今思うと、本当によく辞めなかったなと思います。
私が辞めなかった理由は、パートナーと踊るダンスは怖くてできませんでしたが、生徒さんとのレッスンは楽しく続けることができたからです。
生徒さんとのレッスンでは自分がやりたいダンスを生徒さんと一緒に行ってきました。生徒さんも私を信頼してくれていたのでしょう、何も言わず自分のやり方についてきてくれました。本当に感謝の一言です。
そのお陰で色々なことに気づきました。
①「合わせる」ということは自分を殺してしまう。更には周囲から迷いがあるように見えてしまう。
②自分がのびのび踊ると相手も前向きに踊ってくれる。合わせなくても合う方向に持っていける。
③「合わせなければいけない」は「合わせたくない」と同じ。この言葉が出たら無理に合わせてはいけない。
④「合わせる」のではなく「合ってくる」のである。「合ったら嬉しいな」の気持ちで焦らず続けることが大事である。
「合う」というのは事実ではなくお互いの捉え方なのです。そう考えると絶対的な正解はありませんよね。これがわかって心のモヤモヤが取れました。
「自分を素直に出してこの人と合うようになると嬉しい、だからテクニックを使って工夫をする」
私が出した結論です。
人間関係はとても難しい、ですが人間関係を悪くしたい人なんていませんよね。怖さもありますが、良い人間関係を築こうと思っていれば自ずと必要なことがわかってきます。
「合わせる」という言葉を使わず、都合の良い言葉に置き換えてやり取りを続ければ、必ず「合う」ようになると信じています。
今日が素敵な1日になりますように。