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生命という壮大なあそび。
今、目の前にある僕がジャムと紅茶をつくったうちの庭のストロベリーグァバの樹には、無数の葉があって、その枝に他の樹の蔦が絡まり、その枝に鳥が留まり、その向こうにはピンクのブーゲンビリアの周りを旋回する小さな虫たちがみえる。
さらに先には椰子の木が揺れ、その後ろには小さないくつもの雲が流れている。雲の中にも微生物がいるかも知れない。
地面には芝生の間に白い花を咲かせる何かが無数に生えていて、昨晩遥か上空の水蒸気が水滴となり空中のバクテリアをたくさんその水の中に取り込みながら落ちてきて、今、その白い花の雫となって、土のなかに染み込んだ。
僕が今あずきバーを食べている口の中には、一兆近い数の菌が住んでいて、僕の身体は僕のものだと思っているのは僕のこの意識だけで、ひとつ動物は数えきれないさらに小さなさまざまな動物や菌類や生命と非生命の混合によって構成されている。
僕は僕である、とiPhoneでこの文字を打つこの意識すらも、腸内フローラの菌の影響を大きく受けていて、喜怒哀楽の思考は小腸による脳の分泌物によってその感情トリガーが発生している。
体内にある無数の菌は、昨日赤い頭の鳥が運んできたものかもしれないし、数万キロ先から500世代を経て引き継がれてきた何かかもしれない。
そもそもこの星の生命すら、真っ赤な火の玉が冷めた頃に隕石で落ちてきたものかもしれなくて、木星に寄り添うエウロパの中には広大で真っ黒な海で満たされていて、そこには信じられないほど多くの生命ボールになっているかもしれない。
もしかしたらこの星に落ちた隕石すらも、数億年前の高度な文明が生み出した生命の種であることも否定できない。
とにかくこの星には無限の生命で溢れていて、人類だけでももうすぐ70億になる。この70億人はさまざまな言葉と社会を持っていて、お互いに意思疎通を図ることができる。その精度は必ずしも高くないけど、それでもこの星をピチピチに満たして、今日も70億種類の可能性を追求してる。
やがてこの星も太陽に呑み込まれ、銀河系も他の銀河と衝突して形を変えて、やがて宇宙全体のエネルギーが消えて、長い長い時間をかけて無に帰っていく。
そのときまで生命は何の意味もなく、ずっとずっとピチピチにはち切れながら、この世界を満たして、可能性を追求していく。
そのゴールは、特にない。
最後は無に帰るだけ。
だからこれは、生命の可能性を追求すると言う「壮大なあそび」なのだ。
そこに意味などない。
ただこの生を遊び、ひとりひとりの可能性を追求することだけが、唯一僕らがやるべきこと。
これまで生まれて生きた人類は、1080億人。全員合わせて1150億種類の可能性が試されていて、わたしもあなたもこれまでの1080億種類の可能性を何らかの形で受け継いで、いま、ここにいる。
その一つ一つの個体に影響を与えた他の個体、ウイルス、菌類、あらゆる関係に思いを馳せたとき、それら全てがたったひとつの目的=可能性と多様性にあると気づいた時、中老の男はこう言った。
「人生なんてこんなもんなもんは、すべてが遊びだよ(笑)」
さあ、遊ぼう!
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