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【飛鸞 森酒造場の2024年を杜氏と振り返る】酒造りの裏話や新商品への想い

2024年も飛鸞をご愛玩いただきありがとうございました。
今回のnoteでは、飛鸞を手掛ける森酒造場の蔵元杜氏、森雄太郎氏と一緒に2024年の酒造りを振り返っていきます。

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2024年を振り返って

ーーー早速ですが、今年の飛鸞にとってどんな年だったのでしょうか?

森:飛鸞は「毎年変わっているので、『何が大きく変わったか』と聞かれると難しいんですが、多くの新商品に挑戦した年でしたね。特に『輪廻転生』や『HIRAN’s Mile』のように、長く楽しみにしていただける飛鸞シリーズが生まれた年だと思います。自分としては、"先を見据えた商品設計"に力を入れた年になりました。

『輪廻転生』は干支ラベルとしても12年かけて描いていく商品ですし、『HIRAN’s Mile』も飛鸞というブランドの"マイルストーン"を作りたいという思いから誕生した商品なので継続的に発売していく予定です。

飛鸞では、これまでも思いついたアイデアを形にしていくことに力を注いできましたが今年は、地盤が少し整ったと感じられたことで、より未来を見据えられる段階に入ったのかなと思います。

ーーー挑戦の1年の中でも、特に印象に残った出来事や新商品開発のエピソードはありますか?

森:『ビクトリア』でこれまでにない価格帯の高級酒にチャレンジしたことが一番印象に残っています。

一本3万円以上の高級酒という新たな領域に踏み出すことは、酒づくりはもちろん、商品の梱包までいつも以上に気を使いましたね。リッチな化粧箱やデザインの設計をしたり、瓶に指紋がつかないようにスタッフ自身も手袋をして検品を行なったり、細かい部分まで徹底的にこだわり時間をかけて送り出した商品でした。

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ーーー社内外の反響はいかがでしたか?

森:正直、最初は"売れるのかな?"という意見もありましたね。経営陣からの心配もありましたし、酒販店からも不安の声があがりましたが、自分としては"やってみないと気が済まない"タイプなので発売を決めました。

結果として、飛鸞の新しい挑戦に対する期待の声をいただけたり、購入いただいたお客様には"開けた瞬間のワクワクする体験"を楽しんでいただけたかなと思っています。

とはいえ、今後リリースするとしたら同じものを繰り返すのではなく、"アップデート"が必要だと思っています。例えば、iPhoneだって新機能が追加されて進化しているからこそ、高くても買いたくなると思うので、酒造りにおいても、良い部分を残しつつ新しい要素を加えていくことが大事だと考えています。

酒造りについて

ーーー今年の酒造りで特に大変だったなと出来事をあげるとしたらいかがですか?

森:細かい話になりますが、今年は絞り機を薮田(やぶた)に変えました。シーズン途中での導入かつ、設備が大きく変わったことで予想外のことも起こり、メンバーも大変だったと思います。

あとは、ビール酵母を使った取り組みですね。これには2年かかりました。例えるなら、"ナックルボール"のような、味わいがどう転ぶかわからない、まさに変化球な取り組みですね。プロセス自体も含めて、自分自身もお客様にも楽しんでいただけるような酒造りになりました。

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ーーー多くの挑戦をされてきていますが、メンバー体制にも変化があったのでしょうか?

森:今年は新しいメンバーも入ってきましたし、チームとして成長できるような1年になったと思います。特に"権限移譲"を意識するようになりましたね。

私自身も酒造りが好きですし午前中は現場が忙しいので、毎日確認するようにしていますが、リスクヘッジの観点でも、すべて自分がやるのではなく、メンバーに任せ、考えさせるような環境を作ることが大切だと感じています。

それぞれの商品に対する思い

ーーー森さんの中で、今年リリースした商品で特に満足しているお酒はありますか?

森:実は、自分の中で"一番満足しているお酒"というのはないんです。満足してしまった瞬間に、酒造りとしての成長が止まってしまうので、現時点ではどのお酒にも満足していないし、あえて選ぶことができないんです。

ただ、お客様からの声で『今年の飛鸞はよかった!』や、逆に『昨年に比べると少し物足りなかった…』などの感想をいただくこともあり、そういったリアルな声も受け止めて常にブラッシュアップしています。

飛鸞のエースとも言える看板商品"にこまる"が品評会でも高い評価をいただけたことは、外からの評価として嬉しかったですね。

実は、特に嬉しいのは『HIRAN’s Mile』に対する評価です。あれは飛鸞の一番最初のレシピでつくったお酒なので、私たちにとっても原点とも言えるお酒なんです。原点の部分を評価してもらえることは、飛鸞の歩みを認めてもらえたような気がします。

今年のイベント・蔵開きについて

ーーー今年度も、平戸での蔵開きや各地で開催されるイベントに沢山参加されたかと思いますが特に心に残ったものは何ですか?

森:特に今年の蔵開きは印象に残っています。平戸で開催している蔵開きや遠方のイベントに足を運んでくださる方が増えているのは、本当に嬉しいことですね。

平戸は決してアクセスが良いとは言えない立地ですが、それでも県外からわざわざ来てくださる方が年々増えているんです。日本各地に飛鸞を楽しんでいただける方がいるのは、酒造りをしていて何よりの励みになりますね。

今後は、蔵開きでさらに楽しんでもらえるような取り組みとして、歩行者天国のような催しや、"ガス感のあるビール酵母のスパークリング"など、蔵開き限定のお酒を用意していきたいと考えています。

杜氏からのメッセージ

ーーー最後に、飛鸞ファンの方へメッセージをお願いします。

森:5BYのお酒は多くの新商品をリリースさせていただき、イベントだったりご自宅だったり、さまざまな形で楽しんでいただけたのではないかと思っています。中には、全種類飲んでくださった方ももしかしたらいらっしゃるかもしれないですね。本当に日々感謝しています。

飛鸞は、1年を通して楽しんでいただけるような酒造りを心がけています。2024年しか出会えない飛鸞を味わいながら、日本酒の魅力に触れ、新しい和が広がるきっかけになったら嬉しいです。

そして2025年も、飛鸞は挑戦し続けますのでその年にしか生まれない一期一会の飛鸞を楽しんでいただけたら嬉しいです。引き続き飛鸞をよろしくお願いします!

飛鸞をつくる蔵人を募集しております!

飛鸞は、国内だけではなく世界に羽ばたいていくブランドを目指しております。そのため、今まさに『人の力』がより重要になる段階に差し掛かっています。

私たちの目標は、モノづくりを楽しみながら、飛鸞というブランドを成長させていくことです。10年後、20年後には、より素晴らしい景色を皆さんと共に見たいと考えております。

飛鸞を通じて、日本酒の価値を高め、業界の常識を変えていけるような酒造りを実現できればと思います。そのために、私たちと一緒に新しい挑戦を楽しみ、共に成長していける方をお待ちしております。ぜひ、奮ってご応募ください。

応募に関して

下記の選考プロセスを経て採用とさせていただきますので、ご興味のある方はまず、こちらの飛鸞 / 森酒造場 採用フォームより書類選考にお進みください。

ご質問等がございましたら、Google Form内にある「備考欄」にご記入ください。

それでは皆様のご応募お待ちしております。

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