塾のトップセールスになぜなれたか。私なりに考えたその秘訣とは?(2)
こんにち、私が確信していることがある。
これからは、(今まで以上に)個別指導の時代になる、ということである。
個別指導というのは一対一を指す。
一対二とか一対三のことは、私は個別指導とは言わない。
そういう意味で、受験勉強においても、一対一の授業が最も素晴らしいと
心から思っているから、私はそれを売り物にしていたし、自分の仕事と自分の存在に誇りを持っていた。
だから、私が素でしゃべれば、勝手に商品である授業は売れていくのである。
あるとき、うちの塾で物理と化学だけ受講している高3女子がいた。
あることがきっかけで、その生徒の担任社員が、他の者から、私に変わることになった。
そして、初めての父との面談。
その生徒は父子家庭で一人っ子。父は社会保険労務士の個人事務所を営んでいた。
彼女は、英語と数学は他塾で学んでいた。
父と面談する前にしばし考えた。
本人は医学部にどうしても行きたいと言っているが、物理と化学の成績状況を見ても、かなり厳しい状態である。
英語と数学については他塾に通っているからつぶさにはわからないが、楽観視できる状況にあるとは思えない。
私が横について英文解釈をさせても、ちんぷんかんぷんな解釈をすることが
ままある。
このままではまずいことは言うまでもない。
父との面談が始まった。
入試において、物理や化学よりも、英語や数学が重要なのは議論の余地がない。
何をどう話したのか、細かいことはまったく覚えていない。
伝えたいくつかのポイントは、
・現状では医学部合格はとても厳しいこと
・うちの塾で受けている物理化学よりも、英語や数学のほうが重要であること。
・受験に勝つ勝利の方程式というものは、資源(時間的、精神的、経済的)を今年一年にすべて賭けること
などだ。自分で書いてみても、大したことは言っていない。
90分程度の面談を終え、そしてその面談の後半には本人にも加わってもらって話しをした。
結果として、うちの塾でやっている物理と化学を1コマずつから2コマずつに倍増。
英語と数学もうちの塾で各2コマ授業を入れていくことになった。
物化→英英数数物物化化
一気に4倍増である。月謝は約19万円→約76万円に。
ひとつの背景として、英語と数学で通っている塾に対して、
父親は不満と不信感を抱いていた、というのは確かにあった。
父親は
「あなただけは信頼できる」
というお言葉をくださった。
私にとっても誇り高い言葉だった。つづく
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