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映画・ドラマ・小説の感想

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観たり、読んだりした感想を書きます。
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#毎日note

私たちの頭の中で感情と記憶はどうなっている?!:映画「インサイド・ヘッド」レビュー

 「インサイド・ヘッド」、面白かった!  ピクサーのアニメなんですが、感情が擬人化されて脳内を大冒険する映画です!脳内での記憶の扱いや困難を乗り越える際に起こる脳内の混乱が、ドラマになっています。  見始めたときは、この映画、面白いんだろうか、、、大丈夫かなあと見ていて不安になりましたが、杞憂でした。脳内の記憶や感情の働きを描きつつ、しっかり冒険物語になっていて、「え~っ、どうなっちゃうの~?!」と最後まで興味を失うことなく見終わりました。  自分の子供の頃を思い出して、少

全シリーズ、ヒロインが・・・:実写映画「探偵はBARにいる」シリーズ1~3を見た感想

 大泉洋さんが探偵役を演じるハードボイルド作品。松田龍平さん演じる相棒兼運転手とコンビを組んで、依頼人を守ります。原作は小説「ススキノ探偵シリーズ」。  以下、少々ネタばれが含まれますので、ご注意ください。  原作小説を読んだことが無かったので、どういう雰囲気の作品かも知らずに見始めました。  大泉さんが主演なので、全体を通してコメディータッチ。吉本新喜劇が好きな私は、この映画シリーズのそういう側面はとても楽しめました。  特に松田さん演じる高田のひょうひょうとした感じが

罪×パンデミックな小説「ツミデミック」読書感想

 一穂ミチさんの文章は、とても読みやすい。そして本作においては、「罪」がテーマの1つでつらい描写もあるのだけれど、どこかさらっとしていて、私のページをめくる手が重くなかった。あっという間に、1日で読了した。  第171回直木賞受賞作の短編集。  1話目の「違う羽の鳥」、途中までは最高に好奇心が刺激された。不思議で、ちょっぴり怖くて、予想を覆すストーリー展開。オチだけ、ちょっと肩透かしをくらった気がしましたが、それ以外はミステリ的なお話でとても楽しめました。  5話目の「祝

実写映画「KINGDAM」シリーズ1と2を見た感想

 この映画のシリーズ1と2は「見る人」が「夢を持ってあきらめずにがんばっている人」だと、心を打たれるんじゃないかなあというのが、主な感想です。戦闘シーンも迫力満点ですが、主人公、信が成長してゆく様や、戦場で戦う様々なキャラクターたちの秘めている想いも描かれています。それらに励まされたり、自分と重ねてみたり。胸が熱くなるシーンがいくつもありました。人気の理由が分かった気がします。 https://amzn.to/3WDdBQb  「キングダム」は、原泰久さんによる漫画作品で

マトリックス レザレクションズは、公式の壮大な2次創作だった?!

 「マトリックス レザレクションズ」、やっとAmazon prime videoで見ました。  「マトリックス」の3部作は全て見ていたので、とっても楽しんで観ることができました。  「マトリックス」3部作の主要な登場人物たち、あの戦いの後、どうなっちゃったんだろう。そんなことをついつい考えてしまうファンに、公式から答えが出た。そんな内容でした。    私の正直な感想。それは、ネオとトリニティのハッピーエンディングを公式が作っちゃう、壮大な2次創作を見ているみたいな作品だっ

 ドラマ「エイミー教授のミステリー講座」の第一話を見た

 日曜日に「エイミー教授のミステリー講座」というドラマを見つけました。「ミステリー文学を愛する大学教授が、刑事とともに難事件に挑む!」というドラマです。  設定が面白そう!と思い、早速見始めました。まだ第一話を見終わったところです。  一話が2時間ほどあり、ミステリーを楽しみました。が、第一話のオチは私的には少し物足りませんでした。最近は小説を書く勉強もしているので、犯人も「この人かなぁ」と予測出来てしまいました。ちょっぴり自分の成長も、感じることができたのでした😅

一冊で多くの異世界を旅する:「遠い野ばらの村」読書感想

 誕生日に友人が贈ってくれた「遠いのばらの村」という童話の短編集を読みました。この本には九つの不思議な物語が収録されていて、どのお話も主人公が異世界と現実を行き来するか、主人公のもとで動物が話す物語が描かれています。楽しい世界である一方で、時には怖い、切ない、あるいは悲しい場面もあるのが特徴的だと思え、面白かったです。  友人が特にすすめてくれたのは、「初雪の降る日」という話でした。  小さな女の子が道に石けりの輪を見つけて遊んでいるうちに、雪を降らせる白ウサギたちによって

老いない時間を過ごし続けたら、どんなことを感じ、思うようになるだろう:ケン・リュウ「アーク(円弧)」読書感想

 ケン・リュウ著「紙の動物園」という短編集の中にある「アーク(円弧)」という作品を再読した。  この物語は、新しい命、つまり自分の子供と向き合うことを放棄した女性が主人公だ。彼女は自分が生きるために、死体を扱う仕事をした。その後、遺伝子に対する治療などを通して、永遠の命を持つことになる。  老いることがなくなった彼女が、長い長い時間の中で命についてどのように関わってきたのかを描いている。そして彼女が生きること、命について最終的に出した結論はどんなものだったのか。  初回に

作家の晩年と人生哲学を探る:「死をポケットに入れて」ブコウスキー読書感想

 作家、チャールズ・ブコウスキーの「死をポケットに入れて」を読んだ。  ブコウスキーが亡くなったのは1994年3月9日。この作品は、1991年8月28日から1993年2月27日までの間に書かれた33日分の彼の日記である。しかし、実際は日記というよりもエッセイのようだと訳者あとがきには書かれている。確かに読んでいると、書くことについてやこれまでの人生について振り返っていたり、短編小説を読んでいるような面白いエピソードもいくつか書かれている。  文庫本としては、薄い230ペー

ペット愛と社会問題が交差するミステリー:「ロスト・ドッグ」読書感想

 ロスト・ドッグ(酒本歩 著)を読みました。  この物語は主人公、太一の愛犬、ポメラニアンのモコが僧帽弁閉鎖不全症だと判明し、延命するには手術が必要だと分かるところから始まります。手術代は200万円。太一のwebライターとしての収入だけでは、手術代をすぐに用意するのは困難です。愛犬を助けたい太一は、手術代をどうやって工面するのかと悩みます。  一方、太一はひょんなことから犬の「引き取り屋」という問題を取材することになりました。引き取り屋はペットショップで売れ残ったり、事情で

緻密さとエンタメ性と深淵が交錯する古典ミステリー:『グリーン家殺人事件』レビュー

 作家、中山七里先生がおさえておきたい古典ミステリー10選の中に選ばれた1冊「グリーン家殺人事件」を読んだのでレビューしたいと思う。  ちなみに、おさえておきたい古典ミステリー10選は、「中山七里のミステリーの書き方」(ポッドキャスト)の第一回で紹介されている。  「グリーン家殺人事件」は古典ミステリーとはいえ、読んでいて古臭さを感じさせない一作だった。  物語の舞台は、仲違いしている金持ち家族が住む館。そこで家族が一人ずつ殺されていく連続殺人が起こる。使用人も含めて、全

AIは人間を超えることが出来るかを面白い視点で描く:SFドラマ「自動工場Autofac」レビュー

 最近見たドラマで面白かったのは、『フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ』の中にあるいくつかの話だ。これは、作家フィリップ・K・ディックの短編に基づいた一話完結型のSFドラマ・シリーズである。ディックは、映画『ブレードランナー』の原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を書いたことで知られている、SFジャンルにおける先駆者である。まだ全話を見終わってはいないけれど、前半では"Real Life (真生活)"と"Autofac (自動工場)"という話が私には面