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使いやすさを原初状態から考える(1)

みなさん、こんにちは。
平間です。

なぜ、使いにくいユーザーインターフェイスが多いのでしょうか?

議論を活性化するために、ユーザーインターフェイスの原初状態を考え、そこから現代の道具まで進んでみましょう。

ユーザーインターフェイスの原初状態から現代までの分析

はじめの道具は機能=形そのものでした。棒が武器であり、くぼみが器などが象徴的に語られることが多いですね。続いて簡易な機構を備えた道具です。あるトリガーにより何かが動作することが特徴ですが、形は機能と結びついていることがほとんどです。弓矢などがそれにあたります。
そして複雑で隠された機械的な仕組みを備えた道具が生まれます。内部はユーザーから隠され、トリガーのみが表に出ているものです。ミシンとか車とかでしょうか。これに電気的な仕組みが加わっても影響はありません。ユーザーには隠されているから内部の仕組みは関係ないのです。
最後にソフトウェアによる操作画面を備えた道具です。内部はユーザーから隠されていることは前述のものと同様ですが、トリガーが画面を介したものであることが特徴になります。パソコンや操作画面のついた家電などがこれにあたります。

他にも音声のみで操作するスマートスピーカーなどもありますが、議論が複雑になるため、今回は除外しておきます。

ここで、まとめておくと、次のようになります。

1. 形=機能の原始的な道具
2. 機械的なトリガーで動作する形=機能の道具
3. 機械的なトリガーで動作するブラックボックス化した道具
4. 画面を介したトリガーで動作するブラックボックス化した道具

これらを使いやすさ順に並べたら、どうなるでしょうか。
1が一番使いやすく、4が難しいと感じるのではないでしょうか?

ここで、僕が注目したいことは「現在、僕らが2、3、4において使用しているユーザーインターフェイスは人間にとって本質的でない可能性がある」ということです。

つまり、こういうことです。

世界との関わりそのままのユーザーインターフェイス

1におけるユーザーインターフェイスは、世界との関わりそのままです。
何かを砕きたいと思った時に、それが拳であろうと、石であろうと、ハンマーであろうと、それを対象に向けてぶつければ良いのです。
何かを掬いたいと思った時に、それが手のひらであろうと、くぼんだ木であろうと、水筒であろうと、それに対象を入れれば良いのです。
原始、僕らが生活していたそのままのことをしているだけです。

人間が、人間のために作り出したユーザーインターフェイス

ところが、2、3、4はそうではありません。
人間が、人間のために作り出したユーザーインターフェイスを使わなければなりません。
弓や銃は投げてはいけません。弓矢を弓に引っ掛けて放ったり、銃に弾丸を込めて放ってください。
ラジオは耳を澄ましても近づけても聞こえません。ボタンを押してダイヤルを回さなければなりません。
画面では四角に塗りつぶされた箇所を押さなければなりません。そもそも画面と呼ばれる絵と向き合わなければなりません。
この例からもわかるように、4の画面には特筆すべき「画面」という特徴があります。


と、まだまだ書くことがあるのですが、長くなる予定のため、次回に続きます。
次回では、以下の仮説との繋がりも説明できればなぁ、と思います。

人間が世界とうまくインタラクションできるのは、この世界における経験を積み続けたからである。つまり、人間の生物的特性とこの世界で積んだ経験を合わせたからこそ、自然に道具を使えるのです。

というわけで、またお会いしましょう!

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