平間朋洋

UIデザイン。哲学とお菓子。哲学的視点からデザインの独自の考え方を語ります。お菓子理論…

平間朋洋

UIデザイン。哲学とお菓子。哲学的視点からデザインの独自の考え方を語ります。お菓子理論についても語っていきたいです。

最近の記事

アイコンの意味をデザインしよう

ほとんどアイコン 「赤いりんご」を見ると、美味しそうだな、食べたいなと思う。 「人のいないベンチ」を見ると、疲れたな、座ろうかなと思う。 「三本線が入ったシューズ」を見ると、おしゃれだなと思う。 「佐藤さん」を見ると、あ、何か話そうかなと思う。 こう無意識に考えていませんか? これは「」のものをアイコンとしてみている反応と言って良いと思います。ゴミ箱アイコン→捨てる場所だな、バツアイコン→閉じるのだなと思う、これと同じで日常生活のほとんどはアイコンのようなものということで

    • 使えるスキューモーフィックデザイン

      スキューモーフィックデザインを適切に分析してみたら、使えるスキューモーフィックデザインを見つけられた!というお話です。 スキューモーフィックデザインとはスキューモーフィックデザインを簡単に振り返っておきましょう。wikipediaには次のようにあります。 スキューモーフィズム(英: skeuomorphism)またはリッチデザイン(英: Rich Design)とは、他の物質に似せるために行うデザインや装飾を指す用語である。たとえば、紙製のカレンダーのような外見に似せたカ

      • 哲学から得られるものは

        哲学が趣味だと言うと、よく質問を受けます。 「哲学って何に活かせるの?」 哲学は直接に活きるものではない「哲学は何かに“直接”活きるものではない」と思っておくべきです。 では、何に活きるのか。 「物事の捉え方や思索の基礎になる広い視野と深い洞察」ではないでしょうか。すぐに直接活きるものではありません。 しかし、哲学から学べるものは多い哲学で示されてきた思想や議論は、現代の知識から見れば、とても合意できないものが多いことは事実でしょう。(”イデア”をあなたは信じられますか?

        • 会話概念のUIが必要な時代へ

          前回は道具概念のUIと会話概念のUIを紹介しました。この記事では、それぞれのUIを具体的に紹介します。 道具概念原始的な道具を使用するシーンを想像してください。馴染んだ道具を手にすれば、道具を意識することなく使用できます。いわゆる、道具が身体の延長となっている状態です。 GUIでは、道具の機能が直接的に配置されているものになります。文や絵をかく道具では、キャンバスに鉛筆やペンや消しゴムなどの書く機能が配されます。 (この例では、機能=道具メタファーになっていますが、必ずしも

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          道具概念のUI、会話概念のUI

          前回の記事でOOUI(Object Oriented UI)は道具概念のUI、IUI(Inductive UI)は会話概念のUIと言えることを述べました。 本記事では、道具概念のUI、会話概念のUIとはどのようなものか解説します。 理想のイメージまずは、理想のイメージを考えてみましょう。 (理想のイメージを考えることについて。理想のイメージは極端なものになりますので、現実とは少しズレが生じてしまうこともあります。しかし、極端な例を考えることは概念を捉えやすくなる利点がありま

          道具概念のUI、会話概念のUI

          OOUIとIUIの決定的な差

          本記事ではOOUIとIUIという二つのUI概念と、哲学を学んだからこそ得られた内容を共有したいと思います。 OOUIとIUIはじめに、OOUIとIUIという二つのUI概念を簡単に紹介します。 OOUI(Object Oriented UI) 「ユーザーの関心対象をユーザーの目の前に提示し、ユーザーに自由に操作してもらうUI」OOUIのエッセンスを私なりに抜き出すとこのような感じです。現実世界との関係やプログラム言語との関係など特筆すべきことは他にもあるのですが、今回の記事

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          美の4象限 美しさを考える

          デザイナーは美を提供することが一つの役割でしょう。 では、その美、美しさとはなんでしょうか。 ある人は美しいと言うが、別の人はそうではない。絶対的な美しさは存在するのでしょうか。 美を追い詰める手がかりになると考えた要素が、「所在」と「基準」です。それらについて考えてみましょう。 美しさの所在まず、所在について。 美しさがあるのは、以下の二つのいずれかではないでしょうか。 ・ある対象が持つ性質である ・ある対象を捉える人が得る感覚である 性質であれば、その対象に美を宿ら

          美の4象限 美しさを考える

          使いやすさを原初状態から考える(3)

          みなさん、こんにちは。 平間です。 前回の振り返り 前回、前々回と、道具の種類と道具インタラクションの仮説について書いてきました。 【道具の種類】 1.形=機能の原始的な道具 2.機械的なトリガーで動作する形=機能の道具 3.機械的なトリガーで動作するブラックボックス化した道具 4.画面を介したトリガーで動作するブラックボックス化した道具 【道具インタラクションの仮説】 人間が世界と適切にインタラクションできるのは、この世界における「経験」を積み続けたからです。 つまり

          使いやすさを原初状態から考える(3)

          使いやすさを原初状態から考える(2)

          みなさん、こんにちは。 平間です。 前回の振り返り前回、道具には以下の種類があると書きました。 1.形=機能の原始的な道具 2.機械的なトリガーで動作する形=機能の道具 3.機械的なトリガーで動作するブラックボックス化した道具 4.画面を介したトリガーで動作するブラックボックス化した道具 1におけるユーザーインターフェイスは世界とのかかわりそのままですが、2・3・4のユーザーインターフェイスは、人間が人間のために作り出したものであり、ユーザーにとって本質的でない可能性が

          使いやすさを原初状態から考える(2)

          使いやすさを原初状態から考える(1)

          みなさん、こんにちは。 平間です。 なぜ、使いにくいユーザーインターフェイスが多いのでしょうか? 議論を活性化するために、ユーザーインターフェイスの原初状態を考え、そこから現代の道具まで進んでみましょう。 ユーザーインターフェイスの原初状態から現代までの分析はじめの道具は機能=形そのものでした。棒が武器であり、くぼみが器などが象徴的に語られることが多いですね。続いて簡易な機構を備えた道具です。あるトリガーにより何かが動作することが特徴ですが、形は機能と結びついていること

          使いやすさを原初状態から考える(1)

          要素の客観より、全体の主観

          みなさん、こんにちは。 平間です。 何かを議論するとき、デザインを議論するとき、あなたの意見のより所はなんでしょうか? 例えば、以下のようなものがあると思います。 1.あなたの感覚 2.他人の意見を取り入れる 3.客観的な数値 数字が大きくなるほど、すべてに通じるものだと一般的には言えるでしょう。 例えば、ボタンサイズが議論されるとき、上に当てはめるならこうなるでしょう。 1は「このボタンは小さいと感じるので、変えたほうが良いと思います」 2は「上司がこのボタンサイズ

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          世界はインタラクションだから、

          みなさん、初めまして。 平間です。 あなたが何かをするとき、あなたは様々なモノと触れ合っています。 何もしていないときだってそうです。あなたの身体は常にあらゆるモノからの影響を受けているはずです。 誤解を恐れずに言えば、あなたと様々なモノが“ある”のではない。 あなたと様々なモノの関係があるから、あなたが感じられる世界がある。 そう考えてみても良いはずです。 世界をそう捉えれば、世界はインタラクションになります。 必然的に、世界を動かしているのはユーザーインターフェイス

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