見出し画像

ヒラマサが2022年7月に読んだ本

ご挨拶

どうもどうも。学校期でいう1-2期末を迎えたヒラマサです。みなさんいかがお過ごしでしょうか。僕がいるところでは1-1期の方が忙しいとされています。それはそうだった気がしますが、講義で忙殺されていた分が空いたら他のタスクが入ってくるわけで、1-2期もそれなりに忙しく過ごしていました。とくにM1のこの時期はインターンシップの時期でもあるため、大量の書類書きと旅程の調整でてんてこまい。こちらからアプライするものだけでなく、ありがたいことにご招待いただく場合もあり、最適化に苦心しています。とはいえ、まだ多くの予定が確定しておらず、また、感染症の状況もあるため、祈りながら各地を飛び回る夏になりそうです。

7月に読んだ本


さて、そんな7月は9冊の本を読んだようです。時系列に振り返ろうと思います。


トヨタ式生産方式

先月から数冊トヨタ関係の書籍を読んでいますが、ある意味原典ともいえる大野耐一本も読了。トヨタは「日本人の知能による発明」というナショナリズムに満ちたモチベーションから、特許のライセンス収入を得るという、知識産業的なルーツをもち、私が所属する知識科学研究系の観点からも興味深いものです。トヨタ式の解説書は多数ありますが、発案者の手記なので熱量が高い一方で、メソッドはやや読みにくくなっているようにも思いました。トヨタ式の特徴であるジャストインタイム、自働化という2本柱についてのみでない様々な工夫があるのですが、通底するルーツと思想がふんだんに盛り込まれており、読みごたえがあり腹落ちする1冊です。

オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資

日本株の累進配当株を、なるべく下落時に多く買って長期保有することで、インカムゲインを増やしていこうという本です。日本の成熟企業の永続性を信じられるのであればベットできると思います。僕はどちらかというとキャピタルよりインカムを狙うのが性に合っている気がするし、キャッシュフローも重視したいので非常に参考になる一冊でした。

『四畳半神話大系』 『四畳半タイムマシンブルース』

久しぶりに話した友達に勧められたので読了。孤独な大学生活を送る男の儚さと怠惰さを神秘性とロマンティシズムによってラッピングしたパラレルワールド小説だと思います。森見登美彦が描く大学生っていいよなあ。どこまでも奔放で悠然としていて身軽で自由な憧れの生活です。僕も地に足をつけず、どこに出しても恥ずかしい大学生活を送りたい。
続けて四畳半タイムマシンブルースも読了しました。サマータイムマシンブルースという元ネタを四畳半神話体系の登場人物でリメイクしているとのことですが、四畳半神話体系とピッタリはまりすぎ!できすぎで驚いています。単なるリメイクではなく、どちらが先で後かわからなくなるほど世界観の融合に成功しています。どちらも名作でした。

カナダ=エスキモー

ゼミの課題図書になっている本多勝一の著書をはじめて読了。「文化人類学者はフィールドに入る前に本多勝一のルポルタージュを読むべきだ」という後書きにもあるように、フィールドワークの手法として正統派のようです。日本人にとっては過酷(に見える)フィールドで現地人と同じ生活をしながら、彼らの振る舞いや習慣と、それに通底する文化を一般向けにわかりやすく報告した良書です。初心者の私も非常にスムーズに読み進めることができました。

Playing with FIRE

Kindle UnlimitedになっていたFIRE本を読了。FIREムーブメントを受けて、自身のFIRE経験のドキュメント映画を撮影する過程をさらにドキュメント的に報告する著書です。FIREのメソッドや哲学が広まった今、後発的に実践した報告は貴重です。多くの先駆者たちのアドバイスを受け、苦悩しながらFIREに向かう様子がよく描かれています。 FIREを知った直後の「熱量の高いハネムーン期を経て、節約生活と残りの道のりの長さに絶望しFIREを疑う」経験はみんなあるんじゃないですか?この本が伴走してくれます。

2週間で人生を取り戻す! 勝間式 汚部屋脱出プログラム

KindleUnlimited で読了。本作も彼女のロジカルなライフハックが掲載されており、有用なものでした。個別具体的な事象の一般化と応用が異様に上手い人で(それを頭が良いと言うのかもしれません)、事例紹介なのに単調にならない、彼女らしい視点が面白かったです。彼女は悩まなずに考える人なので、たまに彼女の本を読むと元気が出ます。

「ぴえん」という病

日替わりセールで購入して積んでいましたが、なんとなくタイトルがフラッシュバックしたので読みました。こういう時のために積読ってありますよね。

本書は、大学生の著者が歌舞伎町を社会学的に調査し、推し文化や承認の変遷を当事者目線で語る本です。僕はお酒を飲まないのでこういった社会について疎いのですが、想像を遥かに超えて衝撃的な内容でした。人はその社会性に潰されて死んでしまったり殺してしまったりするんだということを改めて。そして、ネットを通じて「社会のまなざし」に晒されてルッキズムが加速したのも息苦しさを助長していますよね。 続けて、本書で引用されていた「まなざしの地獄」を購入し読了しました。

まなざしの地獄

経済発展に伴う家郷の解体の煽りを強く受けた永山則夫の生涯と手記を参照し、何が彼を殺人に向かわせたか論考する本。解説では家郷をキーワードにサカキバラ事件や秋葉原事件と比較しています。
社会学的な論考の手法として、いわゆる「平均」から社会を読み解こうというアプローチではなく、非常に極端な事例の背景を読み解くことで、そのような事件を生んだ背景としての社会を理解しようという質的なアプローチも特徴的です。


「ぴえん」の方をなんとなく手に取ったことでこの2冊を続けざまに読みましたが、いいタイミングで読めたと思います。
元首相の銃撃事件を受け、政治的な思想とは別の次元で非常に落ち込んでいました。暴力による主張がなされたこと、暴力によってしか主張できなかった人がいること、これまで暴力を排除する方向に進んできたと思っていた社会がロールバックしたような錯覚。そしてそれぞれが外から犯人や被害者、その背景に原因を見出すような言葉を並べ、他人や正義であろうとすることにも恐怖がありました。最終的に殺人を行なったのは1人かも知れないけど、それを生み出した社会に、私たちは自覚的であれ無自覚的であれ加担しているし、僕だって偶然人を殺さずに済んでいるだけで、「人を殺さざるをえない」状況に置かれている人がいたということなので。分断と排除の帰結が貧困や孤独なのだとしたら、社会はどのようなセーフティネットを用意できるのだろう。歌舞伎町にいる未成年を追い出すことや貧困で育てられない子供を捨てた親を処罰するような構造上の排除とどう対峙すればいいのだろう。

政治や思想や社会学など、あらゆる面で不勉強な僕が何かを考え言うことに何の意味もないですが、こういうことを考えたいと思っていた今、読めてよかったと思います。

おわりに

楽天証券のキャンペーンで投資関係の書籍が9月いっぱいKoboで無料で読めるようになっています。ちょうどいい時限なので、この夏の課題図書としようと思います。
そして現在はKindleの50%ポイント還元夏セールがかなり豊作。村上春樹や司馬遼太郎、森見登美彦も数冊買いこんだので、読んでいきたいと思います。明らかに読書ペースを上回る購入をしてしまっています。。。

https://amzn.to/3QkXnXj

多読にはKindle Unlimitedが絶対おすすめ。月額980円で対象書籍が読み放題です。良本も結構あります!登録はこちらから。



サポートありがとうございます! プレミアム会員になりたいな!