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kiuchi
積もるもの
積もるものと、積もらないもの。
五十嵐大介さんの『魔女』を紹介してもらった。
その中にこんなやりとりがある。
「どうして本を読んではいけないの?」
「あんたには経験が足りないからよ。」
「“体験”と”言葉”は同じ量ずつないと、心のバランスがとれないのよ。」
その通りだな、と思う。
体験を言葉で語ることが出来ても、その体験を共有することは出来ない。
結局、自分でしてみて失敗してまた試す、の繰り返しでしかない。
昔の友人にこんな子がいた。
「すぐに結果がほしいし、失敗なんてしたくない」
私はその時思わず、「お前は何様なんだ?」と返したのを覚えている。
* * *
他人の水が自分に合うかは分からない。
それも試してみるしかない。
参考になれど、100% なんてないだろう。
その人の性格、特徴、環境によって、何がいいかは変わる。
そして、ベストな状態は長くは続かない。
時間と共に更新されるはず。
ベストを求めて落ち着いても、しばらくして満足いかなくなって更新する。
更新すればするほど、先はどんどん長くなる。
そうして、積もるものが、オリジナルなんじゃないのかな。
* * *
五十嵐大介さん『魔女』