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全力で映画祭を狙うべき理由

こういうタイトルの文章は日本の映画人に嫌われるのであまり書きたくはないのですが、若い人に伝えるべく、私なりの考えを書いておきます。

まず、なぜ日本の映画界では「映画祭を狙う」とか「賞を狙う」が嫌われるんでしょうか?それは「欲望丸出し」に見えるからです。日本の映画界では映画は神聖なものなので、欲望を満たすために映画を使ってはいけないのです。自分の名誉のために、人生のキャリアアップのために映画を踏み台にしてはいけないのです。

古風な映画人はこんな言い方をします。「映画のため」と。何日も何日も徹夜で撮影をするのも映画のため。生活出来ないほどのギャラしかもらえないのも映画のため。先輩が後輩を殴るのも映画のため。そして、興行収入から監督に1円も入らないのも映画のためなのです。ほとんど新興宗教に近いんです。信仰心を利用した詐欺とも言えます。あ、最近ではやりがい詐欺って言いますしね。「映画のため詐欺」と言ってもいいかも知れません。

そんな風に映画を神聖化しているので、「カンヌで賞取ってウェ〜イしようぜ!」なんて言ったら「キサマはそれでも映画人か!」と、首の横から脇腹にかけて日本刀で真っ二つに切られてしまうのです。上半身がスーッとズレ落ちてしまうのです。

いやしかし!

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