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実は作詞家もやってます(無料記事)

私のメインの仕事は映像のディレクターなんですが、実は作詞家もやっています。幼児教育番組の『しまじろうのわお!』を立ち上げてから、作詞もやることになったのです。

『しまじろうのわお!』は教育的な観点から多くのコーナーを作っているので、外部の作詞家に丸投げという訳にはいきません。毎週の定例会があり、そこで監修の先生の意見も聞きながら作っています。

教育的観点というところが重要でして、自由に作詞をしたとしても、教育的観点や安全性の観点から大きく直さなければならない事がよくあります。

だから、普段アーティストとして活動している人に、そのような理由で歌詞を直さなければならない仕事をお願いできないのです。そんな理由から、番組ディレクター3人が、代わる代わる歌の歌詞を書いているのです。

タイトルで「作詞家もやってます」と書いちゃってますが、「いやいや、作詞もしたことあります程度なんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、私が作詞した曲は50曲以上あります。50曲以上も作詞してるので、作詞家と名乗っていいと思うのです。

でも、ほとんど全部が未就学児向けの歌なので、男女の愛憎をドロドロに描いた歌詞なんかは書いたことがありません。いつか書いてみたいものです。

『わお!がいっぱいミュージアム』

私が作りたかった曲を、私のわがままで作らせてもらった曲です。「とにかくいいから子供は全員博物館へ行け!」と普段から私が思っている事を曲にしたのです。歌詞の中に「ダダン ドドン デ ダダドデン」という部分があるんですが、こういうのはある程度作詞の経験を積まないと書けません。意味はなく、ニュアンスだけ欲しくて入れているからです。

そうそう、ちょっとした情報なんですが、世の中でヒットしている曲の多くは「曲」から作られます。曲というのは歌の無い音楽部分ということです。デモに歌詞が入ってるとしても「フフフンフン〜♪」みたく入ってるだけだったりたりします。それに合わせて作詞家が詩を考えます。ヒットを狙う場合は、歌詞ではなく曲なんです。いかにカッコいい曲を作るかが勝負なんです。

一方で、私たちは教育的観点から曲を作っているので、まずは歌詞を固めてしまいます。歌詞に伝えたいメッセージを入れ込めんだあとに、作曲家に作曲をお願いします。

『くるまのなかからSOS』

この曲は子供の安全を守るためだけに作られた曲です。子供がクルマの中に取り残された時にどうしたらいいのかを教える曲です。

こういう曲はお説教みたいな曲になってしまったり、いかにも教育的なつまらない曲になりがちですが、おしりでクラクションを鳴らすという事で子供たちに興味を持ってもらうようにしました。

私は作詞をしていますが、そもそもの企画自体も考えている側なので、「おしり」と「プップー」という要素をあえて入れ込みました。

この曲のミッションはとにかく子供たちに好きになってもらうことと、それによって親御さんへの注意喚起になることです。

こういう命に関わるコーナーの場合は、厳格に外部の監修の方に入ってもらっています。この歌はこども家庭庁に見てもらい、全国に通達している内容と大きく齟齬がないようにしています。

『ライジャケ・オン!』

子供を守る曲の第二弾がこの曲です。この曲も子供たちに覚えてもらうようにテンポのいい曲にしています。歌詞のポイントは「ライジャケ・オン!」で、それが残れば目標達成です。

子供たちに覚えてもらって、親御さんに「大人も子供もライジャケ・オンて、しまじろうが言ってたよ。」と言って欲しいんです。

『アユモドキのうた』

これも完全に私のわがままで作らせてもらった曲です。わがままと言ってますけど、ちゃんと作る意義をプレゼンテーションしてますけどね。私のライフワークが生物多様性の保全だと思っているので、隙あらばこういうテーマをブッ込んでいるのです。

『タナゴでタンゴ』

これは生物多様性に関する曲で、私のわがままで作らせてもらった第二弾です。私はこういうコンテンツを作りたいんです。完全にやり切った感があります。タナゴの「属」を未就学児向けに作った曲は、世界初だと思うからです。いや、絶対に世界初で世界で唯一かと思います。

『アユモドキのうた』も『タナゴでタンゴ』も、大学の先生にガチ中のガチで監修してもらっているので、魚類学会で発表できるレベルで作られています。これは本当なんです。

『ぼく えいが みてきたんだよ』

これは「映画を見に行くと楽しいよ!」というメッセージを未就学児に伝える曲です。こうやって私は日本映画業界を下支えしてるのです。日本アカデミー賞特別賞ぐらい欲しいものです。

『しまじろうのわお!』の仕事のすごいところは、私が書いた歌詞を奇妙礼太郎さんみたいなアーティストが歌ってくれるところです。私がこの曲全体の監督をしているので、歌詞も書いて、コンテも書いて、イラストを芦沢ムネトさんに頼んで描いてもらって、映像として仕上げるんです。ミュージックビデオの監督だって企画や歌詞から関わることは無いと思いますから。ミュージックビデオをゼロから開発できる仕事とも言えるのです。

『しまじろうおんど』

オンエアするたびにSNSがザワザワするのがこの曲です。ほとんどが「どこが音頭だよ!」というツッコミです。それを見るたびに忸怩たる思いを感じ「すみませんねw」とニヤついています。再生回数はいま現在1357万回。未就学児向けコンテンツ界は、大人コンテンツ界とは全く別の世界なのです。

いや、そもそも未就学児向けコンテンツの作り方を語れる人間は、日本に100人もいないと思います。何なら50人ぐらいかも知れません。だって、1冊も本が出てませんからね。私はセサミストリートの作り方を書いた翻訳本を読んで先人の知恵を学びました。

他にもまだまだ作った曲はあるんですが、また次の機会に紹介させて頂きます。

そして、作詞のお仕事がありましたらぜひ頼んで下さい!若者の恋心を歌う曲も、大人の片思いを歌う曲も、人生の孤独さを歌う曲も、すべて未就学児にも伝わるように書けますから。

(写真はDJのマネです。ターンテーブルにレコード乗ってません。)

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