10年20年30年長期熟成させるもの

大人になってから平均寿命で亡くなるまで、だいたい60年〜70年ぐらいでしょうか。そのうちの健康寿命となると50年ぐらいになります。多くの人は70歳を過ぎるとそれまでと同じ暮らしが出来なくなります。

この50年のうちに「長期熟成」させるものをいくつ作れるかが、人生をかたち作る上で大事なんだろうなと思ってます。それは、狙って長期熟成出来たものもありますし、たまたま長期熟成してしまったものもあると思います。

私は子供の頃から、何をしても続かない事が大きな悩みでした。三日坊主どころか半日で終わってしまうことばかりでした。3日続いたら自分を褒めてあげたいぐらいだったんです。私は自分のことを飽きっぽい性格であると認識しています。それは今でもです。

そんな私ですが、たまたま長期熟成出来たものがありました。一番大きな長期熟成は短編映画を作ったことです。30歳から20年ぐらいかけて毎年作ってきました。最初からずっと作り続けようとした訳ではなく、「毎年1本作ろう」と決めて作っていたら、20年ぐらい続いてしまっただけで、結果論です。

それでもこの20年ものの長期熟成は私の人生を変えました。私は広告を作るのが大好きで作家性などとは無縁だと思っていたんですが、20年の長期熟成した「作品群」があると、行く所によっては映像作家とか映画監督と思われるんです。勘違いされて「もしかしたらあの人の言っていることには真理があるかも知れない」と思わせてしまうこともあるんです。無いんですけどね。