米をつくらせてもらう有難さ
こんにちは。ヒライユウキです。
家族の創業地である100年の時が流れる家「日詰平井邸」に残された醸造所の復活を目指しています。
私がかつて造っていた清酒や、これから造ろうとしている酒の原料はお米です。お米が無ければ酒はできません。主原料であるお米をどこで調達するか、というのは醸造所復活において重要なテーマです。
天空のイネ 吟ぎんが
私は今、醸造家時代にやり残してしまった事のひとつ、酒米栽培に取り組んでいます。品種は吟ぎんが。
「吟ぎんが」とは、岩手県独自の酒造好適米です。出羽燦々と秋田酒49号を掛け合わせ、1999年に誕生しました。兄妹品種に私がよく使っていた「ぎんおとめ」があります。当時よく使われていた「美山錦」に変わる品種を目指して開発されたそうです。
粒に厚みがあり、酒米の中心にある心白の発現率が高いのが特徴です。綺麗ですっきりとした味わいのお酒になりやすい、と言われつつ結構割れるので、精米歩合55~50%くらいで仕込み、低温発酵させて、やや甘めに仕上げるのがこの米は良いと思っています。
ちなみに、天空のイネっていうのは私が勝手に言っています。
だってほら、水を張った田んぼに反射する青空に稲が浮かんでいるみたいでキレイでしょ。
この、私が育てた天空のイネ「吟ぎんが」はこの秋収穫し、岩手県内の2つの酒蔵さまに納めて、美味しいお酒に大変身する予定です。楽しみ。
農家という立場から見た酒蔵
私が米をつくることができるのは、農業経験皆無の自分がつくるお米を「買うよ!」と言ってくださった酒蔵さまのおかげです。ちなみに、私が退職してお米の取引をお願いした2月というタイミングは、来年の製造計画はとっくに決まっていて、お米の注文も終わっている頃です。そんなタイミングで勝手なお願いをしているのに「絶対いいお米つくって届けろよ!」と背中を押してくれた2つの酒蔵さまには感謝しかありません。
酒蔵からしたら農家がいないと酒は造れません。逆もまたしかりで、農家も酒蔵がいないと米はつくれない。当たり前っちゃ当たり前ですが、そんなことをリアルに感じています。
契約先の酒蔵が何かの賞を取ると自分のことのように嬉しく、新商品が出たら誰よりも早く飲みたくなります。
米つくりは酒造り
平井家が1600年代初頭に紫波町日詰で商いを始めた頃、伊勢屋を名乗って最初に始めた商売は地域の米問屋だったと伝えられています。紫波で収穫されたお米を預かり、藩のお米として管理する任務を長らく言付かっていました。
1772年に酒造を創業したのもそうした影響が強かったからと推測されますが、いずれにせよ酒造と農業、平井家と農業というのもまた、深い縁で結ばれているのです。
お米を調達するためには主に3つの方法があります。
① 全農や商社からお米を購入する
② 農家さんから直接契約してお米を購入する
③ 自分でお米を育てる
私は米つくりから酒造りは始まっていると考えています。実際、酒造りの現場ではその年の米質によって大きく工程ごとのポイントが変わります。
たとえば米を洗う時。洗ったお米に水を30%前後吸わせる工程がありますが、米の品種や作柄によって吸水のスピードが全然違います。また、そもそも何パーセント吸わせるかということも、後の工程から逆算し、目指している味わいに合わせて米の質を勘案しながら決定します。
なので、醸すお酒と同じくらい、お米つくりに情熱を注ぎたい。現状でコレ!というには、あまりに時期尚早というものですが、自分で米をつくるか、それと同じくらいの情熱を共有できる・尊敬できる農家さんからお米を購入したいと考えています。
このnoteは日詰平井邸 醸造所復活に向けた宣言であり、その過程をまとめるものです。ぜひ ♡ で応援いただけますと幸いです。
■日詰平井邸 醸造所復活へのミッション
□ 酒類製造免許を取得せよ
□ 原料を確保せよ
□ 作品と製法を確立せよ
□ パートナー酒販店を集めよ
□ 設備を整備せよ
□ お金を集めなさい
▼日詰平井邸 公式サイト
https://www.hiraroku.com/
▼日詰平井邸 インスタグラム
https://www.instagram.com/hiraitei1921/
▼日詰平井邸 サポーター登録
https://lin.ee/GtmZoQH
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