TransitionBond を類義語から理解する。
最近、環境金融の世界ではTransitionBondというのが大きな話題になっている。いままで、ESG債を出すことが難しかった高排出セクター企業の環境への取り組みについて(石炭火力をガス発電に変えるなど)の資金にESGラベル(TransitionBond)を付けるもので、そのコンセプトは意義深い。日本のMETIなどは世界的にトランジションボンドの旗振り役になろうとしている思惑があるように思っており、日本の重厚長大な企業を守る意味から是非ともがんばってほしい。
でもこのTransitionの定義が曖昧で、人によって考えが異なっている。欧州においても、定義が曖昧すぎて、「グリーンウォッシュ」を助長するという人が多い。
最近、日本人とトランジションの話をすると、結構な拡大解釈が多く、どうみてもトランジションではないだろうというものにもトランジションと言えないかと言い出す人が多い。
そういう人には、「Transitionを類義語辞典で調べてみると何が一番目に引っかかると思うか」と聞く。
答えは、ChangeやChangeoverだ。
GHG高排出なものをChangeすると考えればよい。
新たに設置する再エネ発電所の資金調達をTransitionというのは、まぁ会社としてchangeして行く過程として説明するという手はあるが弱い。
やはり資金の行先そのものが高排出なものから、低炭素なものに置き換わる(Change)するのがトランジションだろうと私は思う。
欧米先行のビジネスを理解して日本で展開するときには、重要キーワードについて類義語を調べるというのは役に立つことがあるので、皆さまも試してみることをお勧めする。
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