みんなで地球を助けよう⑭:グリーン電力の地産地消を進めるための課題は何?
前回、岡崎さくら電力の再エネの地産地消促進のビジネスモデルを紹介する中で、日本の電力供給には「発電事業者」「送配電事業者」「電力小売り事業者」の3業態で成り立っていることをみてきました。
✅日本での電力自由化の進展
10電力独占の電力供給は競争を生まず、それが福島第一原発事故にもつながる要因だったとの反省から、この10年で電力自由化は進みました。
発電事業者は、900を超え、電力小売り事業者も700超える中、2020年4月には、送配電の法的分離が実施されました。
東京電力の場合であれば、持ち株会社の東京電力ホールディングスの配下に発電事業者である「東京電力フュエル&パワー」
送配電事業者である「東京電力パワーグリッド」
そして電力小売り事業者である「東京電力エナジーパートナー」
この3社がそれぞれの役割に応じて事業分離されました。
送配電事業者である東京電力パワーグリッド社は、新規参入の発電事業者が不利にならないように公平な送配電を求められるようになりました。
✅数の上では水力発電所が圧倒的
ところで、10電力が管理している発電所が、ものすごい数あるのをご存知でしょうか?
10電力合計で、1,421の発電所を管理しています。
意外なのは、このうちの85%の1,206が水力発電所なのです。
日本の急峻な地形では、水力発電所はどうしても小規模なものとなり数多く存在しています。
一方、火力発電所の数は、全体で160しかないものの出力ベースで全体の64%を依存しています。
つまり一つひとつの規模が大きい大型火力発電所だということです。
カーボンニュートラルにするというのは、この火力発電所で化石燃料を使うのを止めるということであり実は大変なことなのです。
このグラフを見ていただくと戦後10年、1955年の日本では水力発電が全体の78.7%、環境に優しい公害とは無縁の電源構成でした。
そこから20年、高度経済成長を支えた電力は、石油に代わりました。
1975年の構成比における石油依存度は、62.1%を占め、石油依存度の上昇とともに経済は発展しました。
その後、2度の石油(オイル)ショックを経てLNG(液化天然ガス)、さらには原子力が石油にとって代わりました。
更に石油の依存度を下げるために経済産業省は、産業界に石炭の使用を働きかけました。
2011年の福島第一原発事故後の原子力発電比率の低下によって、現在の主力電力は化石燃料を燃やす火力発電であり、その主力燃料はLNGと石炭になっています。
国単位の大きな数字を見ていたのでは、途方もない燃料転換規模です。
✅エネルギーの地産地消でカーボンニュートラルを!
水力発電の規模が小規模であるように環境に適応する電力は、もっともっと小規模で考えていくべきだと思うのです。
岡崎さくら電力のように市が51%出資して電力小売り事業に参入して市の公共施設にクリーン電力を供給するのは、大いに結構じゃないでしょうか?
岡崎市なんかよりもっと小さな単位5~6万人くらいの発電事業所を自治体や市民が出資をして、自分たちの電力は自分たちで考えるようなしくみが、最もカーボンニュートラルが進む方法ではないかと思うのです。
👆ここに資源エネルギー庁のホームページから「電力の地産地消」を紹介しているページを転載しました。
卒FIT電力の買取に名乗りを上げている自治体新電力は、これまでFIT制度を利用していた方々が、買取期間満了後の売電先の選択肢として自治体新電力を選ぶことができます。
自分の住む地域の活性化に貢献していく「電力の地産地消」という新たな視点やSDGsターゲット7.2(再生エネルギーの拡大)への貢献という点でも、自治体新電力は注目されています。
これまでエネルギーの利用主体でしかなかった需要家が、再生可能エネルギーから生まれた電力の供給に参加できるようになることは、エネルギー需給構造に柔軟性を与えることにもつながると考えられています。
埼玉県深谷市の深谷eパワー株式会社
鳥取市の株式会社鳥取市民電力
鹿児島県肝属郡のおおすみ半島スマートネルギー株式会社
大分県由布市の新電力おおいた株式会社
埼玉県秩父市の秩父新電力株式会社
静岡県浜松新電力
こういった地産地消電力の会社が、経済合理性に合う電力価格を実現できるように頑張ってほしいです。
Jリーグのように地方の電力サポーターが、地産地消電力会社に一口株主として参画できる体制を整えて、地方から電源構成に風穴をあけてもらいたいと思います。
後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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