【じーじは見た!】 前編:令和3年版高齢社会白書を見てみた⁉
心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです。
新年早々は明るい未来をイメージした「日本の稼ぐ道」をテーマにした投稿でしたが、今日・明日は「高齢社会白書」を題材にちょっと暗い事実を確認してみましょう。
少子高齢化という言葉で日本の問題は語られてきましたが、この表現は事実を矮小化してしまいます。
私たちが直面しているのは人口減少です。
そして現時点では労働人口の減少を「高齢者の就業人口を増やすこと」や「女性の労働参加」に加えて、世界からは人権問題とまで批判されている「外国人研修制度を悪用した外国人を安くこき使う仕組み」を使って労働力を安く補ってきました。
しかし、人にお金を使わない(特に学校教育)日本社会は一向に労働生産性が高まらず、物価の上昇どころかモノの値段は上がらず、相変わらず安さを競う「良いものを安く」の競争が止まりません。※今瞬間的には光熱費を中心に値上げラッシュですが、給料が上がるかは別の話です。
良いものを安く提供するために人をできるだけ安く使うことばかりに知恵を絞ってきましたが、安く働く人も足らなくなってきています。
令和3年版高齢社会白書で実態を確認してみましょう。
✅人口減少という既に起こっている未来⁉
上記の人口推計は2065年まで示してあります。
現在でも平均寿命は延びているものの緩やかな上昇に変化しており、子供が生まれない世の中では人口減少は加速して、終戦(昭和20年:1945年)直後の日本に向かって急激に人口が減り始めています。
2050年代には1億人の大台を割り込むことが、既に分かっている未来なのです。2065年には昭和20年代に逆戻りしてしまいます。
ところが同じ数の人口でも昭和20年代の若々しい人口構成とは違って2065年には38.4%が65歳以上という超高齢化した人口構成になります。
これは予測ではなく既に起こっている未来です。
そのため、さすがにそろそろ移民受け入れの議論も出始めています。
しかし、選挙があるのでそう簡単なことではなく、また、人を安く雇うための移民受け入れをやったところでろくなことにはなりません。
そうこうしている内にトラックドライバーの高齢化や農家の高齢化など機械に代替できない職業の人手不足が深刻になっていくことが見えてしまっています。
そうかといって労働生産性を向上させる規制緩和にも消極的です。
既得権益者の前には色々な改革や規制緩和が反対されてしまいます。
物流合理化のための高速道路上の無人トラック自動運転実験といった規制緩和の動きは起こりません。
もうどうしようもなく世界から取り残された結果として世界最下位の速度で規制緩和が進んでいくのがおちです。
✅それでも満足な老後ならいいじゃない⁉
米国は、きっと日本のように国民皆保険制度はないし、きっと老後に不安と不満を抱えているに違いないと思っている方、感覚で判断してはいけません。事実は異なります。
数字は正直です。
日本は21.1%の老人が「満足している」のに対して米国は76.4%の方が満足しています。
予想に反したでしょ?
米国は早くから「確定拠出型」の年金制度で自分たちの年金を運用してきたのです。
世界経済のネタ帳より米国ダウ平均株価の推移を抜粋👇してみました。
米国は賢い。
株価は凸凹があっても経済がずっと右肩上がりで成長していますからダウ平均もずっと成長しています。
日本と違って産業の中味をがらっと入れ替えて新陳代謝による成長が企業の時価総額も国民の所得も上昇させてきたのです。
成長よりも既得権維持を大切にする日本は、1980年以降の名目GDPをグラフにすると米国との差が歴然とします。(このグラフはじーじ作成)
ちゃんと年金を確定拠出で投資信託のような指数連動の金融商品に拠出して積み立ててきた米国の当時の若者(今老人)たちは、老後の資金をしっかり受け取って「満足」な生活を手にいれています。
死ぬほど会社のために働いて、家族と離れ離れの単身赴任あたり前、深夜労働に職場飲み会、家族と過ごす時間を犠牲に会社のために働いてきた日本人は、確定給付の年金制度を維持してきたものの、老後に不安を抱え、人口減少と経済停滞(生産性向上をずっと阻害する既得権益者支配)にあえいでいます。
数字は嘘をつきません。
「事実」は上記のとおりですが、どう解釈するかによって「真実」は多様な見方ができるのでしょう。でも、じーじは有名な有識者ではありませんから真実は語れません。事実だけを語ります。
✅何歳まで働けばいいの?
60代前半の就業率は過去10年で14ポイント上昇、65歳以上も70歳以上の就業率も右肩あがりです。
今働いている人に聞いたら「働けるうちはいつまでも働きたい」という答えが返ってきています。
日本の皆さんは75歳くらいまでは働かなくちゃあと思っているみたいですね。何と真面目な日本人⁉
さて後編では、あまり明るくは見えない日本の「未来の高齢世代」の生活環境を確認してみることにしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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