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日米の成長力格差⑦:全体最適+標準化は、ITとの相性が抜群⁉

米国は「自分さえよければいい」の個人主義なので、個別最適を連想しますが、日本が個別最適の国なのです。


✅全体最適の米国 Vs 個別最適の日本


リーマンショック後のハワイのホテル経営には苦労しました。
まず驚いたのは、ハワイのホテル経営がオーナー(ホテルの所有者)とオペレータ(ホテルを運営する会社)が完全に分離していて、日本のようにオーナーが直接オペレーションを行っているケースがほとんどないことでした。

ホテル運営のノウハウを学ぼうと、ホテル運営会社を訪ねた時にこんな質問をされました。

「おたくは、レベニューオプティマイゼーションをどうしていますか?」

ホテル業というのは、客室をお客さんに販売するビジネスです。

客室という在庫は、今日、販売できなければ、冷蔵庫に入れて保管することのできない在庫です。

しかも、固定費の塊という性質の在庫なのです。

つまり、限界利益があるのなら価格を下げてでも今日販売しなければならない在庫をどうやって販売しているのですか?という質問だったのです。

これは、航空業界の座席予約システムの考え方と同じです。

価格を変動させてでも、今日飛ぶ飛行機の座席が予約で埋まっていないのなら安くしてでも販売してしまうことが重要であり、予約が集中していれば、価格を高くして販売することが重要なビジネスです。

そんな客室予約のシステムをホテル毎に開発するのではなく、対面型の旅行代理店やWEBエージェントと客室予約情報を共有する共通基盤を利用することは非常に合理的な考え方です。

電話が掛かってきたら、紙の予約台帳を広げて、ペンで予約を記入していた日本の旅館のやり方が悪いというのではなく、共通の利用基盤を旅館も代理店も共同利用するという「全体最適な方法」もありだなということです。

時代の流れなのか、スタンドアロンのホテル予約システムを独自につくって他社に差をつけてやろうと考えるのではなく、共通基盤を利用しようとの考え方は、日本にも根付き始めているように思います。

✅全体最適と標準化は、ITとの相性が抜群

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じーじは、全体最適と標準化は、ITとの相性が抜群だと思います。

10万円の一律給付の遅れの原因に地方自治体任せだった行政手続き、特に電子手続きの標準化遅れや自治体任せの個別最適のIT化が、他国に比べて情けないくらいに遅かった給付や拡大できなかったPCR検査の原因でもあると、ぼんやりながらも見えてきました。

教育面でも遅れが目立ちました。

中国などがオンライン授業にぱっと移行できたにもかかわらず、地方任せでWiFi導入率が極端に低い日本の教育現場では、オンライン授業すら満足にできませんでした。

衆人監視の状況で、そんなIT遅れをみんなが確認したのが、今回のコロナ禍でした。

ITが遅れたのは、ITに相性がいい、全体最適や標準化を避けて、前例踏襲で昔のやり方のまま、個別最適で属人に依存してきたからだと理解することが重要だと思います。

✅こんなに日本の労働生産性は低い⁉

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上のグラフは、OECD加盟36か国の2018年の就業者ひとりあたりの労働生産性を比較したものです。

国民一人あたりのGDPではなく、就業者一人あたりのGDPと言うのが、労働生産性です。

多くの人が、日本はもっと進んだ国だと勘違いをしている間に、実際にはこんなに低い順位になっていたのです。

もっとショッキングなデータがあります。

2015年から2018年の就業者一人あたりの実質労働生産性上昇率です。
日本は、なんと35位でマイナス0.2%という悲惨な数字でした。

ちなみに、アメリカは、プラス0.8%、韓国はプラス2.1%の生産性向上でした。つまり、現時点では韓国の上にいる日本ですが、生産性が向上している韓国と、後退している日本の順位は、やがて入れ替わるでしょう。


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