みんなで地球を助けよう⑬:公共施設の電力をグリーン電力で供給⁉
前回は、過疎化による耕作放棄地の増加に悩んでいた宮津市の社会課題に対して、京セラ、オムロンフィールドどエンジニアリング、金下建設という3社のパートナーシップによる太陽光発電事業を紹介しました。
✅中核都市でのパートナーシップ
今回は、愛知県岡崎市の事例です。
岡崎市は、宮津市とは異なり、792の市の中で49位の人口を有し、人口が増え続けている中核市です。
その岡崎市が、51%を出資する株式会社岡崎さくら電力は、岡崎市の他に民間4社が出資してごみ処理施設「中央クリーンセンター」を運営しています。
このバイオマス発電設備などでつくられた電気を市内の公共施設などに供給すること及び事業利益を活用して再生可能エネルギーの普及拡大に努め、市が目指す持続可能な社会の構築に貢献することを目的に設立されました。
菅首相の2050年カーボンニュートラル宣言前の2020年3月の設立のため「市内電力を100%再エネにする」であるとか「100%クリーン電力にする」といった文言は見つからないもののエネルギーの地産地消及び低炭素化の実現を目的とするという表現があり、社会課題解決のモデルになると思うのです。
また、日本の焼却施設は、電力や熱利用のないゴミを燃やすだけの施設が多いとのことですから、ゴミ焼却の在り方を考えさせる事例でもあります。
✅日本の電力の「系統」という弱点
さて、電気の供給の仕組みというのは、分かりづらいですよね。
👆ここにエネルギー事業連合会の情報(エネログ)から図を転載しました。
欧州では、国と国の間で電力を融通し合うメッシュ状の送電網が張りめぐらされています。
一方日本は、串型と呼ばれる地域の自己完結型の送電網で10電力の縄張りが明確な送電形態でした。
福島第一原発事故後にできたFIT制度(再エネの固定買取価格制度)を受けて、再生可能電力の発電事業者が増えたことで、その「送・配電」についてもしくみの見直しが議論されてきました。
ここで「発電、送電、配電、電力小売り」という言葉の意味を確認しておきましょう。
上の図👆の左側が発電所です。
水力、原子力、火力、FIT以降は太陽光発電や風力発電、バイオマス発電所が加わりました。
このような発電所で発電した電気は、27万5000ボルトから50万ボルトという超高電圧に変電されて送電線に送り出されます。
発電所から変電所へ電気を送ることを送電といいます。変電所から、家庭へ電気を送ることを配電と呼びます。
家庭に電気が届くまでには、5段階に変電されて6600ボルトになった電気が電柱の上にあるトランスで100ボルトまたは、200ボルトに変圧されて引込線から各家庭へと送られています。
発電所で電気を発電している「発電事業者」
その電気を変電所に送り、家庭まで送る「送配電事業者」
家庭と契約して電力を販売する「電力小売り事業者」
この3業態の内、送配電と電力小売りを福島第1原発事故までは「10電力が独占」していました。
✅日本における電力自由化
1995年以降、数回にわたる制度改革を行い、発電部門は原則参入自由となり、小売り部門についても、2016年4月、全面自由化が実現しました。
電気を企業や家庭に届ける送配電部門が、これまでの電気事業者と新しく参入した事業者を平等に扱わないと健全な競争が行われず改革は進みません。
一方で、送配電全体で、電気の需要と供給のバランスをとる「需給管理」や電柱や電線など送配電網の建設や保守業務については、スケールメリットの観点などから一社が一元的に行うほうが、効率的という面があります。
地域の隅々まで張り巡らされた送配電網を一元的に管理することで二重投資を防ぐことも可能です。
そうした背景から送配電部門に関しては、発電部門や小売部門のように自由化で新規参入を促す方法ではなく、これまでのようにひとつの事業者が、地域独占的にサービスを提供する形態を残しつつも様々な事業者が、送配電網を公平に利用できるように中立性を高める改革が進められてきました。
そして、2020年4月に送配電の法的分離が実施されました。
せっかく太陽光で発電した電力が、送電されずに既存の火力発電が優先されるようなことを改善し、既得権益を守ることよりも環境を守ることが可能になる改革が進みつつあります。
岡崎さくら電気の話から電気の供給体制に話が発展しました。
次回は、どれくらいの事業者が存在するのかをみていきましょう。
後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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